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脳の血流をガムの味で調整する~2013年論文要約~

2013年に主に兵庫医科大学と大阪大学の研究でガムの味で脳の血流量の調整が可能であるかの実験が行われました。
健康な咬合を有する25名(男性13名、女性12名)平均年齢27.0±2.8歳に3つ味の違うガムを噛んでもらい、脳の血流に影響を与えるかをみました。
ガムの硬さは統一し、味は【無味無臭(Cガム)】【甘味のみ(Tガム)】【甘味とレモン臭(TOガム)】(ロッテ製品)でした。
噛む時間はそれぞれメトロノームを使用し、1Hzに調整され5分間噛んでもらった。
また全ての実験終了後にガムの味に対する評価もしてもらった。
血流は中大脳動脈をTCDシステム(Multi Dop T、DWL、Sipplingen、Germany)で測定してて、さらに左右前頭葉のヘモグロビン濃度と咬筋の活動(咀嚼力)の測定もしています。
結果ですが表がありますので順番に載せていきます。
味に対する評価です。

表1

次は左右の血流量とヘモグロビンの結果です。

表2

見方はMCAVは血流、△O²Hbは酸化ヘモグロビン量、△HHbは脱酸素ヘモグロビン量、△cHbは総ヘモグロビン量を示しています。
味のあるもので血流や濃度に対してポジティブな結果が出ています!ですが味や風味のみ、咀嚼の意味があるのか?ちゃんと影響しているかのみるためにTOガムを舌の上にのせただけの実験も行っており、それが血流量の表の灰色の線が意味するものです。
一応咬合の強さに味や左右での特別有意な差はみられませんでした。
つまり甘味と風味と咀嚼により脳の血流が上がる事が実証されました。
つまり飴やタブレットでは効果がないということでしょう!
ですがこれが甘味だけのものなのか?美味しい食べ物自体の咀嚼ではどういった変化が出るのか?このあたりはみてみたいですね。

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