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第一章 医療事務時代② 「こんなのありえない!」

 そしてある日。園子がまた受付に来て、紀香に言ってきた。

「あんた、今日も眠たそうな目をしているわね。甘いもの控えて、野菜食べた方がいいわよ、ってこの前言ったけど、覚えている?」

 紀香はついに耐えきれなくなった。とっさに、あまり長いこと話すのは、受付の支障になるからやめてほしいのです、とお願いする気持ちを、園子に必死で伝えた。しかし。

「は? 患者の話は聞かないってこと? こんなのありえない!」

 園子は叫び、立ち去った。

 待機中の患者もハッとして受付を見た。

 真理子は声を震わせ、「辻原さん、自分のしたことわかっているんですか?」

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2,795字
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