【名言】偉いやつははじめからワルにならない。

今はどういう感じかわからないですが、ぼくの子どものころの少年誌といえば、圧倒的に「ジャンプ」が一大勢力でありました。

マガジン派だったぼくは、ジャンプをほとんど読んでいない少年だったのですが、「こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)」だけは読んでいて、今でも何度も読み返してしまうほどです。

「こち亀」の主人公、両さん(両津勘吉)のセリフで、最近グッとくるものがありまして、それについて、ちょっと書こうと思います。

42巻第8話の「仕事さがし!の巻」という回なのですが、ざっとこんな話です。

不良少年が更生して、真面目になったと部長が派出所に男を連れてきます。麗子や中川に「偉い」と褒められる男。

両さんは「こいつのどこが偉いんだ」と言い放ちます。

偉いやつははじめからワルにならない、やっと普通に戻っただけ。正直で正しい人間が偉いに決まってる。

ということを言います。

これ、すごいなあと思いまして。

更生することは、しないでいつまでも迷惑をかけ続けるよりは、そりゃあ、いいことだと思うのですが、それをあまりにも「偉いこと」みたいにすることはないのかもしれません。

ぼく、よく思うことがあるのですが、スパルタ教師とか、ブラック部活の高圧的な顧問とかが、時代にそぐわないからと指導法を変えて成功しました、みたいのなのが美談になることが、とても好きじゃなくて。

それって、不良が更生したのと同じで、更生前に被害を受けている生徒がいるわけですよね。たとえ、なにかの成果があったとしても、その生徒にとってはトラウマになってる可能性だってありますし、以前の成功例を踏襲して、さらに被害者を増やす可能性もあります。

そういうことの責任をわかってるのかなあって思ってしまうので。もちろん、よくなかったと思っていることだとは思いますが。

だから、両さんが言うとおり、普通に戻っただけっていう感覚は大事だなーと思うのです(戻れることは、もちろん素晴らしいことです、戻ることも大変なことです)。

そして、たぶん大多数の、はじめからワルにならないで生きてきた人たちも、そのことを誇っていいんだなと思います。

いろんな誘惑があって、間違いそうになる瞬間もあるのが人生ですが、極端に間違えることなく生きてきたということは、すごいことなんじゃないか。

たとえ、自分にとってそれが当たり前で、他人と同じようにやってきただけで、特別何かすごいことができたわけでもないと思うことがあっても、とっても普通だとしか思えないとしても、それは普通なんじゃなくて、すごく偉いことなんだよ。そう、両さんに言われたような気がしました。

とにかくそう、あなたが生きている人生、誇っていいと思います。っていう話です。

おしまい。

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