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【日本一周 京都・滋賀編14】 寝床と風呂

・ベースキャンプ

 本日の宿「はる家梅小路」に到着。明石が前に利用したことがあるとのことで、ハズレでないことは確実だ。宿泊棟の近所に建つ別館のポストから鍵を回収し、部屋に入る。建物は築100年余りとのことで、外観同様、内部も古めかしさが目立つが、清掃がきちんと行き届いているため、全く嫌悪感を抱かせない。このような宿に限ってトイレが汚いことはなかろうが、念のため確認してみると、比較的新型の便器が備え付けられており、心底安心した。別に古式の便所だろうと、清潔でさえあれば構わないのだが、やはり生理に関する場所においては最新式が採用されているに越したことはない。

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ね、なんとも居心地の良さそうな部屋でしょ?

 さて、今回予約したのは屋根裏部屋。天井が傾斜付いているため、屈まないと頭を打つほどの低さであるが、その窮屈さが却って秘密基地のような趣を醸しており、20歳の少年二人に‘刺さる’のであった。部屋の中央に構えるこたつの上には「チェックアウト時、宿泊税を机上に置いていけ」という旨の伝言用紙が置かれており、想定外の出費に不満を抱くも、全面的に信用されていることに関しては清々しさを覚えた。ひとまずここに荷物を置いて、銭湯と夜飯に向かう。宿に備え付けのシャワーだけで一日の疲れを癒そうなんてのは不可能なのだ。


・重力からの解放

 目的の銭湯「日の出湯」の最寄りバス停は、東寺の前に立つので、図らずもライトアップされた五重塔を拝むことに成功した。夜風に晒されつつ歩くこと約5分、目的地に到着。男女で入り口が分かれるという昔ながらの銭湯は、今回が初めてかもしれない。(と思ったが、香川で経験していた)

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 道後温泉での反省を生かし、番台さんからボディソープ、シャンプー、リンスを「2人で1本ずつ」購入したのち、手早くすっぽんぽんになり、浴槽に繰り出した。中には常連と思しきおじいさんが2,3人おり、我々は明らかなよそ者感を醸しつつ、洗面台へと向かった。左右可動式という慣れないレバーを捻り、シャワーを出す。先ほどのソープ類を仲良く半分こしあって、今日一日の垢と疲れをこそぎ落とした。湯船に浸かって改めて全体を見渡すと、男女湯を仕切る柱がレンガ風の造りであることに気づき、意外なところに和洋折衷を見出した。

 風呂あがり、明石がマッサージチェアに掛けていた。20円という破格のくせして、稼働時間が長いことから、終盤そのおこぼれに預かった。背もたれに付く二つのこぶが上下移動するというシンプルな構造ゆえ、利用者は自ら動いてこぶをツボに当てるのである。ウォシュレットでも同様の振る舞いが求められる気がするのは私だけだろうか。のんびりと銭湯を堪能したのち、そろそろ腹ごしらえに移る。この時の我々は現在進行形で大きな過ちを犯していることに気づいていない。

尾道

・メンバー
明石、尾道

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