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ゆういちの一生 第26話「ヤモリですか?イモリですか?」

ゆういち25歳に遡る。

こんばんは。
ゆういちです。
今回は26歳のお話なのですが、ちょっと1年遡ってみたいと思います。

25歳の頃のゆういちはというと、
平日の17時まで南青山のイベント会社で働き、
夜はアマチュア劇団の稽古へ行き、
土日は地方でワゴンDJのお仕事、
米米のライブがある日は(チケット取れてない日でも)仕事を休んでライブ会場へ行ってコスプレをする。
こんな毎日を過ごしていました。

充実していたとも思えるし
余裕がなかったな~とも思います。

アマチュア劇団。

いくつかのアマチュア劇団で出演もしていました。

僕は元々、ナイロン100℃や大人計画などのちょっと変わった劇団が好きなくせに、
真逆の作風の健全なミュージカル劇団に入っていました。

そんな人が入っても
合うわけがないし
浮くし
自分のアイディアや芸風は受け入れてもらえません。

芸風が違うので、
そこで自己主張をしたりします。
元々違うのに主張しても意味ないのにね。
劇団には劇団の表現したいものがありますから、
それ以外のものを言われても、取り入れることはできませんね。
他をしたいなら、他へ行けなのですがね。

お年寄りの演出家がいて、僕の名前を覚えずに、
「おい、そこの88番!」
「おい、そこのメガネ!」
と僕を呼びます。
それに対して反抗的な態度をとったこともありましたね。

では、そんなところに、なぜ入ったかというと

「ダンスと歌を習いたかった。」から。

良く言えば「成長欲がある」ですが
悪く言えば「クレクレ」ですね。

劇団は教えてもらう所ではありません。
作品を作ってお客さんに見せる所です。

歌を習う、ダンスを習うお金や時間をケチったのです。

じゃあ、ちゃんと習ったかというと、
自分の芸風と違うから受け入れない。
ということが多々あったと思います。

「88番」とか「メガネ」と呼ばれるのも、そこのやり方ですから、
それに合わない人が意見を言うのはおかしいのです。
演出家とうまくコミュニケーションが取れない僕が悪いし、
演出家に名前を憶えてもらえていない僕の方が悪いのです。

では、なぜ、方向性の違う劇団にわざわざ入ったのか?
その方向性の違いを個性と勘違いしたからだと思います。
そして、そのくらい、自分に自信がなかったのだと思います。

そうして、アマチュアの劇団をやめました。

ヤモリですか?イモリですか?

ヤモリとイモリは見た目はトカゲみたいで似ていますが、
生物としては全然違います。

ヤモリは爬虫類です。
トカゲの仲間です。
住む場所は陸上です。
よく窓に張り付いたりしています。

イモリは両生類です。
カエルの仲間です。
住む場所は主に水の中です。
陸にも多少行けますが、体が乾いたら死んでしまいます。

例えば、イモリがヤモリの世界に行ったとしましょう。
そうすると、イモリはヤモリから
「すごい!泳ぎが上手い!」
って言われます。
でも、イモリの世界に戻ったら、
みんな泳げるので、ただの平凡なイモリです。

ヤモリがイモリの世界に行ったら?
そうすると、ヤモリはイモリから
「すごい!壁に張り付くことができて!」
って言われます。
でも、ヤモリの世界に戻ったら、
みんな張り付くことができるので、ただの平凡なヤモリです。

おもしろい劇団の人が、マジメなミュージカル劇団に行ったら
「おもしろい!」と言われます。
でも、おもしろい劇団に戻ったら、平凡な人です。
なんなら、その中ではおもしろくもない人です。

居る世界を変えるだけで個性のように見えますが、
ただ違う世界の人が来ただけで、
戻れば無個性の人なのです。

ヤモリの世界に行ったイモリが、
「泳げないみんなはだめだなぁ。僕みたいに泳げるようになろうよ!」
というのはお門違いですね。
ヤモリの世界にはそれは不要だったりします。

おもしろ劇団の人が、マジメなミュージカル劇団に入って
「みんなおもしろくないね~。僕みたいにおもしろくなりなよ!」
というのはお門違いです。

マジメなミュージカル劇団は昔からの習慣を続けているので
「おい、そこの88番!」と言ったりします。
それに対して、おもしろ劇団の人が「それは古いからやめよう」
と言うのはお門違いです。

違う世界にいるだけの人は個性があるとか優れているのではなく
単に「違う」というだけです。
自分の世界で戦えない人が来ちゃった、というだけなのです。

そこを個性と勘違いしてはいけないですね。

携帯電話の営業

お仕事は、イベント会社とワゴンDJをやめ、
当時、まだ普及していなくて珍しかった携帯電話の営業のお仕事につきます。

会社の子がアポイントを取った家や会社に訪問します。
「パンフレット届けに行きますね。」くらいのアポイントですが、
営業は訪問したら即契約を取らなければなりません。
だいたいは欲しくもなくて買うつもりもなかった人を契約に持っていく
という感じでした。

国際電話の営業。

その後、部署が変わり、今度は、国際電話の営業に変わります。
在日の外国人の家に訪問して、安い(けど品質劣る)国際電話を勧めます。
僕は英語が話せないのですが、相手はカタコトの日本語、
僕もカタコトの日本語で会話して、契約に結びつけます。

その会社も半年くらいでやめました。
後から聞きましたが、その会社は強引な営業で悪名高い会社だったようです。

ゆういち26歳。

そして、ここでやっと、ゆういち26歳です。
携帯電話の営業をしていたことを生かそうと思い、
家電量販店での携帯電話のキャンペーンスタッフをしました。

だんだん、働いているうちに、リーダーを任されるようになりました。
ワゴンDJの時の習慣で、こうした方が売れるみたいなのが見えてきます。

担当の営業のイワダヌキさんにいろいろ提案をするのですが、
そういうのは好きじゃないらしく、「またか」ってよく言われていたので、
だんだん提案もせず、言われたままやるようになっていきました。

イワダヌキさんやる気ないな~と思っていましたが。
今なら相手の状況が分かりますね。
というか今分かりました。

その営業さんには決裁権がありませんので、
僕からの提案を独断でOKできないのです。
なので、その営業さんは、
僕からの提案を僕の代わりに上司に対して提案しなければならなくなります。

たぶん、その頃の僕は説明力も低かったと思うので、
誰が聞いてもいいと思えるような形には説明できてなかったと思います。
だからめんどくさがられますよね。

ルナシーのコスプレ。

またコスプレをしていますね。
職場で河村隆一に似ていると言われたのをきっかけに
今度はルナシーのコスプレをし始めます。

僕の興味は、米米CLUBから他へ移っていきました。

バンドの雑誌Shoxxのインタビューなどで当時マリスミゼルだったGacktが話す言葉に魅かれマリスミゼルを聞くようになりました。

僕は歌が上手くないので、カラオケの半分はネタ曲です。
マリスミゼルの「月下の夜想曲」や、ルナシーの「STORM」を
モノマネして歌っていました。

家電量販店では、販売のデモンストレーション用に携帯電話を支給されていました。
着信音は音階を入れて音楽を鳴らすことができたので、
「月下の夜想曲」を着信音にしてみたり。

芸能事務所に入る。

この頃、小さな芸能事務所に入ります。

25歳を過ぎたのに、芸能の仕事ができていないことに焦っていました。
少しずつエキストラの仕事などしていきます。

おしまい。

今日はここまで。
お読みいただきありがとうございました!

続くよー。


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