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ボーカルが強ければよい、というわけではない

Bill Evansが好きでよく聞くのですが、
彼の曲を聴いていると
メインの楽器が強ければいい曲に必ずしもなる訳ではないと感じます。

彼の名盤と言われる作品に「Waltz for Debby」というアルバムはピアノ、ベース、ドラムのトリオなのですが、ベースがいい意味で遠慮してないんです。
これが凄く絶妙なのですが、でしゃばり過ぎても行けないし、抑え過ぎてもいけない。3人の奏者が強いエネルギーを保ったまま波長を合わせる。これが鳥肌レベルで行われています。

時々生演奏をしているジャズバーに行くのですが、
そこでは1時間構成で最初の二曲はボーカル無しで演奏し、残りの3、4曲をボーカル入りでやる事が多いのですが、正直ボーカル無しの方が良かったなと感じる事が少なくありません。
ボーカルは皆さん歌は上手いのですが、
なんというか、波長が合ってない気がするのです。

これは僕自身が感じた事なので言葉にするのが難しいのですが、バンドとボーカルが合っていない。そこは一緒に合わせる量でカバーできるのかも知れないし、分からないのですが、ボーカルだから前に出れればいいという訳ではない事確かです。
ボーカルも楽器の一つ。他の楽曲と波長を合わせないと、聴き苦しくなってしまいます。
この波長の部分を意識しないと、メインの楽器であるはずのボーカルが、余計な楽器に聞こえてしまう。

これはあらゆる分野に当てはまると思います。
映画でも、小説でも、絵画でも、建築でも。

メインとして見せたいものがあるとしても、
その他のものと調和が取れていなかったら、
余計なものと認識されてしまう。下手したら、それのせいで作品全体が"つまらない"という評価をされてしまう可能性すらある。

ここ、映像マンとして僕自身も気をつけたいです。

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