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クリスマスツリーが紡ぐ物語

「家にクリスマスツリーを飾る時がきたら、クリスマスツリーは本物の木を。そこに、シルバーのフレークオーナメントと赤とゴールドのボール状のオーナメントを飾って統一感を出したら、トップの部分は星じゃなくてゴールドのリボンをつけよう。」

そう、ショッピングモールの一角に飾られているようなおしゃれなクリスマスツリーのように。


クリスマスツリーを家に出し始めたのは今から10年前だったと思う。
最初の年は、ホームセンターで好みのオーナメントを揃えて、それなりに大人な雰囲気のクリスマスツリーが完成した。
うん、わたし好みのクリスマスツリーだ。

だけれど、子供達がプリスクールやキンダーガーデンに通い始めた頃から、冬になると園で手作りのオーナメントを作って持ってくるようになった。



子供達はシュタイナー学校に通っていたので、持って帰ってくるのは、小さな子でも作れる、自然素材で心がほっこりするようなオーナメントばかり。

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私がイメージしていたクリスマスツリーにはちょっと不釣り合い。
だけど「せっかくだもの」と、手作りオーナメントを枝に1つまた1つと飾る。

そして、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て。

クリスマスツリーの飾り付けをするたびに、また一つ子供が作った手作りオーナメントが増える。

そうだ、一緒に作ったこともあったっけ。

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時を同じくして、私が買い揃えたおしゃれなオーナメントは年を重ねるに連れて、1つまた1つ、割れたり壊れたりしてどんどん数が減っていった。


四季を繰り返し、最初にオーナメントを買って10年が経った。



今の我が家のクリスマスツリーは10年かけて集めたオーナメント達に彩られ、チグハグで、統一感のない、唯一無二のクリスマスツリーになった。

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写真を披露するのをためらうくらい、てんでバラバラなツリー。

だけど、クリスマス圏の人たちがオーナメントや飾り付けにこだわる理由が少しわかった気がする。

クリスマスツリーは「家族の象徴」ってことだったんだ。

背が伸びるたびに柱に刻まれる、鉛筆やペンの跡のように。
前に記した線と、新しい線の間の出来事がふわっと蘇るように。
今年も今までのオーナメントに加えて、新しいオーナメントを足していく。

今の時代、なんでも写真やビデオに残せるけれど、
クリスマスツリーや柱の跡をなぞる時に脳裏に浮かぶ映像が、写真やビデオより、鮮明で優しい思い出なのは、今も昔もそしてこの先もずっと変わらない。

さて、これを書いている今は2020年の12月24日の午後11時30分。
1年に1度サンタクロースの魔法がかかる時。

みなさんもよいクリスマスを!




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