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僕らの恋は、なぜだか、いつも二番煎じ

「一気見しよう!」
意気揚々とNetflixオリジナルシリーズをダシに、健全さしかないようなデートを繰り返す。

面白い作品だから何度でも、違う部屋で、違う男と見れてしまう。


君が部屋に一晩泊めた女の子と、次の日に行ったうどん屋さんでのランチを「二番煎じで良ければ」と屈託ない笑顔で私にも誘ってきたこと、私は傷付かないでいてあげる。

だってストレンジャーシングスを、淡く甘い曖昧さの中で手を繋ぎながら見た相手は、君が、初めてじゃないから。
カレーをスパイスから一緒に作った相手も、君は二番目だから。
私は狡猾で欲深い人間だからそのことを決して君に明かしたりはしない。

「二番煎じで良ければ」

君が正直に言ってきたことに拗ねる資格はないんだ。
私にとって今のところ君とのデートは過去の焼き直し。
相手と場所と時が違うだけ。
ただなんとなく居心地がよくて、ただなんとなく互いに惹かれあっている錯覚に陥ることが出来ただけ。

僕らの恋は、どんなに頑張っても、なぜだかいつも二番煎じ。
そしてひとつも叶うことなく、夢現に霧散する。

あの甘やかで一時だけでも満たされた夜を、ただ何度も思い出しては忘れ、また繰り返していく。
違う相手と、違う場所で、違う時の流れの中で。

サポート…!本当にありがとうございます! うれしいです。心から。