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アセクシャルの私とマジョリティな彼の180分の1

(あまりスッキリする話ではありません。)

私はアセクシャル(Aセクシャル)です。LGBTQ+のうちの一つで、性的欲求が無いというものです。でもその欲求の度合いは人それぞれで、私の場合は、

手を繋ぐ→大丈夫
キス→フレンチキス(一瞬)だったら大丈夫。ディープは無理。
ハグ→性的な感情が乗ってなければ大丈夫
夜の営み→無理

という感じで、性的な感情が向けられると嫌に感じます。(リスセクシャルかもしれません)

手を繋ぐのは好んでしていました。私の中で手を繋ぐことと性的欲求(興奮?)は繋がらないと思っていたのですが、徐々にそうでもないと分かってきたので、今はしたくない派です。

(アセクシャルも人それぞれで、全部無理という人もいますし、違うところがボーダーラインになってる人も居ます。ちなみに、恋愛感情があるかどうかは別の話なので省略します。)

さて、私には付き合っていた彼氏が居ました。別れたのは1年半ぐらい前です。長年付き合っていて同棲もしていました。

自分がアセクシャルを自認したのは別れる半年程前でしょうか、それまではアライだと思っていました。でも彼氏と上手くいかず悩んでいたとき、自分がアセクシャルであると考えると腑に落ちました。

彼氏のセクシャリティは多くの男性と同じものでした。

彼氏とはとても気が合いました。毎日一緒に過ごしているだけで生活が充実していました。不満が無いわけではないですが、あまり気にならない程度のものでした。おそらく、彼も私に対して同じような想いだったと思います。

そして、この点も双方同じ想いだったと思いますが、夜の営みだけが噛み合いませんでした。付き合った最初から最後までのほとんどが。
一度も良い思いをしたことが無いとは言いませんが、私はかなり無理をしていました。
しかし、相手も私に合わせるために大幅に譲歩し、かなり無理をしてくれていました。

回数は月に1~2回に減らしてもらっていました。普通、1回にどれぐらいの時間を掛けるのかが分かりませんが2時間だとすると、1ヶ月に4時間のことです。
1ヶ月は24時間×30日=720時間なので、720時間のうちのたった4時間、180分の1。たった1%にも満たないこの時間さえ上手くいけば、とずっと思っていました。

別れた理由は他にもあるのですが、これが原因の根本だったと思います。もうヨリを戻すことはないので後悔はしていませんが、たった180分の1さえ上手くいけば、いや、「私が上手くできれば」良かったのに、とたまに思うことがあります。

しかし、時間としては180分の1でしたが、価値の割合としてはもっと大きなものだったのだと思います。
私は自分の心に嘘をついてその場を乗りきろうとしていました。少しの時間でしたが自分で自分の心に嘘をつくことに耐えられなくなりました。

彼も傷ついたと思います。彼にとっては夜の営みは付き合いを深める大事なコミュニケーションの場でした。しかし、好きな相手と思うようなキャッチボールが出来ないことに少しずつ傷付いていたのだと思います。

アセクシャルの人の人数はかなり少なく情報も少ないので、誰かの参考になればと思い書きました。私もいろいろな人の情報に助けられたので。