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美しい映画「キャラクター」

劇場に足を運ばなかったが、先日アマゾンプライムから視聴できた。
当時足を運ばなかった理由としては、どうも仕事でも落ち込むことが多かったせいか、ヴィジュアル的にダークサイドに持っていかれそうな雰囲気の近作品だったためか。

しかし観てみると、非常にわかりやすく観客を誘導してくれる人物設定だったり、一目でCM監督だなと思わせてくれるフレーム内の作りこみがとても楽しく一気に観れた。

ダークな世界に彩る美しい世界

監督はCM出身の永井聡さん。
売れない漫画家、猟奇的な殺人者を描く世界なので基本はやや暗めの絵作り。その中で、映像の美しさに目を奪われるのは美術、照明の力が大きい。
特にお気に入りは、主人公が通う馴染みの居酒屋。
奥にネオン看板の赤や緑をちりばめながら、日本ではあるが、よりアンダーグラウンドな世界観が感じられるのが何ともオシャレ。

主人公が売れてからの自宅の仕事部屋の背景なんて、そんな資料のレイアウトの仕方だと逆に見つけにくくない?笑と思えるようなオシャレ感。
20代前半のオシャレ大好きなアングラな世代にはとても刺激的に映るのではないかと感じた。

必見オープニング映像!

個人的に一番好きなのはオープニング。
最初の事件現場を印象的に映し出すが、この映画の世界観のゲーム的なテンションでタイトルバックが入る。
これは誰もが真似したくなる、こういう楽しみがある映画は大好きだ。

わかりやすいキャラクター設定

やっぱりキャラクター設定というのは、わかりやすさは大事。
キャラが立ってるという非常に抽象的な言葉に
主人公含め、たくさんの人は迷宮入りしてしまう。

映画的には、過去に恨みをもつ男、努力家だがその優しさから変に事件に
取り入られてしまう主人公、元悪で熱血漢な刑事。
ひとりひとりがアクションにつながるバックグランドを設定していてくれて
最後まで納得、うなづきながら観ることができた。

ここらへんもCMという即、わかりすく観客に届ける監督の手腕なんだろうか、変に狂気、美的な世界という抽象的世界観に方向性が向いていなかったのがとてもよかったんだと個人的には思う。

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