感性
先日、25歳の女友達と近所のカフェに行った。
週2でモーニングをしに行き、店員の顔も知っているカフェなのに、パンケーキをどれにしようか迷っている彼女のテンションのおかげで、新しい場所に感じた。
どこに行くかより、誰と行くかが大事なのは本当だと思う。
彼女はいつも、飲み会の最中にTikTokを楽しそうにやっている。
10代に爆発的に流行っている、中田ヤスタカを思わせるピコピコとした電子音に合わせて早送り編集された動画は、まるで次世代パフューム。
申し訳ないが、なにが楽しいのかさっぱりわからない。笑
私は高校生の時にプリクラの楽しさがわからなかったほど、だいたいの流行りが理解できない。笑
25歳の彼女は、マッチングアプリで人と出会うことに抵抗がないらしく、最近そこで同性で価値観の合う友達を探しているという。
29歳の私。4年の差は大きいと感じる。
学校を卒業してからスマホを持った私にとって、それはリアルな友達と会えない時に使う連絡手段だ。
だが最初からスマホを持っている彼女らにとって、それはリアルな友達を作るための手段なのだ。
試しに聞いてみた。
「カフェの店員とか、どこかで知らない人に直接声をかけられたりメモを渡されたりして出会うのって怖かったりする?」
「あー怖いですね。どんな人かわからないんで。だって怖くないですか?」
「まじか!笑 タイタニックみたいでロマンチックだと思うけど。握手するときに待ち合わせの場所が書いたメモを渡されるとか、ドキッとするけどね」
「えー!へぇー!そうなんですね。」
「失敗したくないって気持ち強かったりする?」
「すごいありますそれ!ネットで話してからだと、安心です!だってお互い出会い求めてるってわかってるから」
おもしろい。それで実際に会える感覚が逆に勇敢に思えてしかたがない。笑
私は参加したことはないものの、同級生は当たり前のようによく合コンを開いていた。その中から実際に結婚したカップルもいる。マッチングアプリに抵抗はあるが、出会いは求めているので、誰かの知り合いで出会おうという感覚だ。
40歳の彼氏にも聞いてみた。
「ネットで女に出会って恋愛する感覚ってある?」
「出会い系ってこと?やーないね!」
「合コンは?」
「ない!女を追いかけたいから、出会い求めてますって顔されたら、その時点でないね。追う理由がなくなる。女には興味ないくらいの顔をしててほしい」
「告白して失敗したくないとか嫌われたくないって思う?」
「そんなこと言ってたら一生付き合えないじゃん!言ってみなきゃわかんないし。ダメならダメで早くわかったほうがいい。草食とか俺らの同級生にはいないね」
まさに狩り。
どの世代にもそれぞれ価値観はあるが、恋愛観は本能が大部分を締めるため、仕事や生き方にも直接リンクする。
既読スルーに涙する女子が多いように、部下が仕事の飲み会に参加したくないとか電話に出ないということに悩む上司は多い。
仕事なんだからと一言にいっても、「仕事」の単語そのものの捉え方が根本から違っていたりする。仕事をするための原動力ももちろん違う。
「自由」というキーワード1つとってもそうだ。
刑務所上がりの人は、外で歩けることを自由だという。
箱入り娘で育った人は、一人暮らしを自由だという。
なんでも手に入れられる経済力や時間があることを自由だという人もいる。
それらを追い求める執着を手放すことが自由だという人もいる。
ひとり旅が自由だと言う人もいれば、みんなで時間を合わせて好きなときに旅に行けることが自由だと言う人もいる。
自由がそもそもわからない自由すぎるヒッピーもオーストラリアの山奥にはいる。実際に日本人の友達がいる。笑
アーティストはパリの湿った屋根裏部屋の暮らしに自由を感じ、
お家外交官の奥様は、インテリアと身なりが完璧に揃えられることを自由だという。
非難に合わずに暮らしていけることを自由だというLGBT者もいる。
いろんな人がいろんなことを言う今日。
それは自由だ自由じゃない、それは素敵だやめとけと外野は好きなことを言うし、人に会えば会うだけその数は増える。
だが、最期によかったなぁと感じるかどうかは教科書でも周りの目でもなく、あなたの心だ。
誰もがそのフィールドは違えど、日々学び生きている。この世に生まれてきた理由も、その人がクリアすべき問題も一人一人違う。
その中で自分のやりたいことに対して誰かに正解を尋ねたり、死ぬときに気にもしないようなことを、今、気にして生きるのはナンセンスだ。
海外に出れば、出会う人は全て宇宙人と思っても過言ではない。それほど、価値観もバックグラウンドも違う。
なにが良い悪いではなく、それぞれの特徴を理解しつつ歩み寄ることが、仕事でも恋愛でも人付き合いでも大切だと感じている。
人の縁は、そんな超個性溢れる人同士の中で魂を磨き合うために
奇跡的に結びつくものだと感じている。
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