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本の紹介 〜 未来

読後の感想は…

祈らずにいられない

です。

湊かなえさんの小説

未来




▼ あらすじは…

2人の少女が、ドリームランドという夢の国へと向かう夜行バスに乗るところから、物語は始まります。
ずっと行きたかった夢の国、ドリームランド。

その後物語は、そこに至るまでのことが、縷々綴られていき、ラストの場面は、そのバスがドリームランドに到着します。
でも2人は、ドリームランドには入らないことを決意します。

それはなぜか…

30年後の私から手紙が届きます。
30年後は幸せに暮らしていると。
だから今、どんなに辛くても、希望を捨てないでと。
30年後は幸せに暮らしてるからと。
その手紙を受け取ったとのは、章子という少女。
大好きだったお父さんを病気で亡くし、病気がちのお母さんと2人きりになってしまった。
お母さんは、オンとオフがある。
オフの時はまるで人形のように動かない。
オンの時も、普通の人のようには動かない。
お父さんの口癖は、お母さんを守ってあげられるのはお父さんと章子だけ、でした。
章子本人も、学校ではひどいいじめに遭いながらも、必死になってお母さんと暮らします。
その日々を、日記のように、手紙に綴ります。
30年後の自分に向けて、手紙を書き続けます。

章子に対するいじめは、日に日に酷くなっていきます。耐えに耐えていた章子を救ったのは、不登校気味だった亜里沙。でも、亜里沙にも人に言えない家庭事情があり、可愛がっていた弟が自ら命を絶ちます。
弟をそこまで追いやった父を許せない亜里沙は…

章子、亜里沙、次に出てくるのは、章子と亜里沙の小学校の先生、篠宮先生。
篠宮先生にもまた、悲しい過去がある。
その過去を乗り越えて、先生になったのですが、その悲しい過去を暴かれて教職を去ることになります。
先生を辞めるにあたり、気になっていた生徒である、章子と亜里沙に…

その次は、章子の父親。
章子の父親は、幼い頃から、正義感が強くとても優しい子でした。
高校の時、不思議な少年とクラスメイトになります。
顔立ちはとても綺麗だけど、性格はひねくれまくっています。
ある日、その少年から家に呼ばれます。
その家で何が起きていたのか…


▼ 感想は…

大人の都合によって、子供の人生は振り回される。
そのことを、強く感じる内容でした。
すべては大人です。
大人が、子供を幸せにもするし、不幸にもする。
僕の身近にも、大人に振り回されている子供がいるのかもしれません。
子供を守るのは、大人。

そういう気持ちを一層強く意識させる小説です。

話のストーリー展開としてもとても面白い小説でした。

かなりオススメです。

ラストのシーン。
ドリームランドに入ることをやめた2人。

今の私たちにはふさわしくない

そう言います。

いつの日か
2人が笑ってドリームランドを訪れる日が来ますよう

祈らずにいられない

と思いました。

以上でーす。

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