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あなたが『著者』になるまでにやること。(本を出すまでに必要な作業)

『著者』シリーズ、まず初めに書いた記事が好評でした。なかなか流通していない知識なので、喜んでいただけたようで嬉しいです✨ありがとうございます!

そこで、今度はその一段階手前の、本を出すまでに行う作業、一連の流れをまとめたいと思います。自分のためのメモも兼ねまして。やはり、出版関係というのはその世界に関わっていないと分からないことが多いもの。なので、本を出すまでに何があるのか、といったこと、あまりまとめられていない気がするんです。単に需要が少ないのかもしれませんが、誰もが暗中模索して同じような道をたどるのも無駄かもしれませんので、この記事がお役に立てば幸いです。


0.出版契約

企画が決まったら、正式に出版契約を結ぶことになります。印税など条件は企画の段階で提示されます。内容的にはそれと同じものですが、正式に契約するということです。
なお、契約のタイミングは最初の段階とは限らず、一通り全てが終わった刊行直前ということも。出版社によって、この辺は様々です。(契約したところで、書き終えられるかは分からないので、出せることが確定した段階で契約するというパターン。プレッシャーを掛けない配慮なのかもしれません)
内容は、標準的な形式というのがあって、それに準拠してという事が多いかと思います。よくよく読むと、プログとかに写真アップするのもダメとか細かな制約が書かれていて気になるかもしれませんが、慣行として販促のためにごく一部をチラ見せするなんてのはよく行われることで、特段何も言われません。建前(契約)と本音(実務)に差があるので、まぁそういうものなんだと思いましょう。


1.企画を詳細にする&構成に落とし込む

企画だけで、執筆をはじめるのはあまりオススメしません。何しろ1冊10万字以上書くことになりますので、思うがままに書いて終わるような量ではないのです。そのため、企画をなるべく詳細にして、細かな構成に落とし込む事が必要です。しっかりと細かい構成を作れば、それが設計図や地図のような役割をしてくれます。脱稿(=原稿を書き終える)まで、これが重要な指針になってくれます。
これは流石に具体例をアップするのがちょっと難しい。。。私の場合は、Excelで
・章立て
・項目タイトル
・そこで触れる話題(段落レベル)
・文字数
といった内容で表を作り、それを脱稿まで使います。形式は何でも良いと思いますが、思いつきだけで書き終われるような量ではないので、全体見渡せるモノは何か必要です。
また、企画や構成の段階では、類書(似た本)を意識することも重要です。編集者の方から、類書が送られてきたりもすると思います。しっかり類書を確認しましょう。良いところはマネしつつも、他にはない新しい本を作る。そんな感じで。

2.まずどこか(どこでもいい)から、原稿を書き始める

書きはじめが一番大変。でもほんの少しでも書けば、その先につながるきっかけになります。
しならくストップしてしまうと動き出すのがつらくなるので、企画が決まって、構成をしっかり作ったら、少しでも書きはじめることが重要です。
ちなみに原稿は、Wordで書くことがほとんど。何か特別なもので作るのかなと最初は思うのですが、普通なことにかえって驚きますね(笑)
自分では当たり前のことでも、知らない人にとってはそれが有益なコンテンツです。自分では無意識にしていることを掘り出し、さらに文字にするというのは大変骨が折れること。また一人でこれをやるのですから、孤独との戦いでもあります。私は自分の中からネタを掘り出す作業を「えぐる」というのですが、まさにそういったイメージになるでしょう。精神的にも負担がかかりますので、無理には進めず、コツコツやるしかありません。

3.どこか1章分を書き上げる

どうにかして、どこか1章分を書き上げましょう。10章作るなら1万字、5章なら2万字くらいと、1章といってもそれまで書いたことがないような分量の文字かもしれません。ただ、それでも1章終えればだいぶ楽になります。
また、ある程度書いていくと、自分の執筆スピードが掴めます。私の場合は非常に集中すれば1時間あたり2千文字ほど。最低1千文字以上は進むので、取れる時間によって書き上げる文字数が見えてきます。

4.出版社(担当編集者)に送り、意見を聞きながら書き進めていく

原稿の納め方は、出版社によりこれまた違います。ただ、1章分でも書けば一定の分量を書いたと認めてもらえるでしょうから、編集者に送って意見をもらったりといったやりとりが進められるでしょう。
ちなみに、編集者さんはこちらから聞けば答えてくれると思いますが、そうでないと基本的には放置な感じです。プレッシャー掛けないようにしてくれるのかなと思いますが、この辺も人によるかな。。。(グイグイ来る方もいる)相性もあると思います。いいパートナーになれる編集者さんと当たるといいですね。

5.本編を全て書き上げる(≒脱稿)

1章書ければ、あとはそれを繰り返していくだけ。時間は人それぞれ掛かりますが、コツコツ進めていけばいつか終わります。気合。
個人的な感覚ですが、最初が一番辛く、3割くらいまで行けばだいぶ気持ちが楽になります。半分終われば後半分。その先は勢いでいけると思います。

6.おわりに&はじめに&コラムなど本編以外の要素を書く

本編を一通り書き終えても、本にはそれ以外のパーツもあります。一般的には、はじめに&終わりにが数ページずつあるので、これを本編の後に書いていきます。
なお、書名が決まらないと「はじめに」は書きにくいもの。また、全体をほぼ書き上げた後に、最初手に取った方へのメッセージとして「はじめに」を最後に書いたりするので、「終わりに」の方を先に書くことが多いでしょう。
本編の最後を書いた後、その気持ちを持ったまま「終わりに」まで書いてしまってもいいかもしれません。
他には、巻末の著者プロフィールも必要です。本は長く残るものなので、しっかりと内容を検討しましょう。

7.校正

原稿が本の紙面の状態になったものを「ゲラ」といいます。これを確認する作業が「校正」です。出版社によりますが、何度か行うことになります。
形式は紙で行うとか、PDFで行うとか、これまた様々。
自分だけではなく、近しい人に見てもらうのもアリ。
見る場所としては、文章そのものはもちろんなのですが、章ごとのタイトルとか、大きな文字の確認が意外に抜けやすいです。
校正者の方のチェックを経ると、原稿が真っ赤に訂正されたりしますが、気にせず。そんなものだと思いましょう。あちらもプロなので、ゼロベースでしっかり指摘してくれます。その凄さに感動しましょう。

8.タイトル(書名)

最終的に決めるのは出版社ですが、自分の本の名前としてずっと残ることになるので、自分でもしっかり考えて納得のいく案を出すことが重要です。

9.カバーデザイン

タイトル(書名)が正式に決まると、カバーデザインが決まります。実際にはこの辺は同じようなタイミングで、並行して進むことが多いでしょう。
なお、カバーデザインでは、どの部分をなんと呼ぶか独特の名前があるので、メールなどでやり取りしても編集者が何を言っているのかピンとこないことも多いでしょう。そのうち慣れることになりますが、分からないと聞いてしまってもいいでしょうし、以下のようなことを知っておけば対応できると思います。

10.刊行

制作プロセスが全て終わったら、無事に刊行です。しかし、刊行はゴールではありません。ようやく、著者として真のスタートラインに立ったという段階。ここからが真の勝負の始まりです。この先については、別の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

(刊行翌月とかに印税が入ると思います。まぁ、使う時間に比べれば大きな金額ではないのですが、感慨深い&嬉しいものです。)

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