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初任者必見!指導案の書き方講座⑤児童観って何を書く?

「児童観」は何を書くかということです。私は、3つあると考えています。

一つ目は、学びの履歴です。

例えば、3年生の「あまりのあるわり算」の指導案なら、当然、「あまりのないわり算」で、どのような学びをしてきたか、を書きます。このような考えを教えたとか、このような解き方をさせたとか、そういうことです。

二つ目は、習得状況です。ここが一番大事だと思います。

「あまりのないわり算」の指導案なら、当然、「あまりのあるわり算」の習得状況を調べる必要があります。また、まだ習ってはいないけれど「あまりのあるわり算」を解かせると、どんな結果になるかを調べてもいいかもしれません。既に分かっている子がどれくらいいるか、どんな考えで解こうとするかそういうことが分かります。

社会科の「消防単元」だったら「火事が起きたらどんな人が現場に来ますか」とか「火事を起こさないために誰がどんなことをしていると思いますか」とか、子どもの認識を問います。誤った認識をしているかもしれないし、ほとんどの子が、教えようとしていることを認識しているなら、時間をかける必要がなくなります。

そして、習得状況を把握するのに、できたら客観的な数字を出したいのです。指導案を見ると良く「○○の子が多く」とか「ほとんどの子が○○」とか「2,3人の子が○○」とかいう記述を見ます。それは、非常に主観的で、子どもを捉えているようには思えません。

子どもを明確に捉えなければ、本来は一人一人に指導できません。少なくとも「28人中5人は○○」とか「4人が○○できない」とか書かないといけません。

しかし、この書き方も本来は、非常にあいまいです。その5人、4人は一体だれなのか?同じ子なのか違う子なのか?という話になります。ですから、一番いいのは、支援級の指導案のように「一人一人の状況を把握し載せること」だと思います。Aの子はこう答えた、Bの子はこう答えた、というのを全部載せます。

三つ目は、習得状況から分かるつけたい力との差です。

教材観で書いたつけたい力と、児童観で書いた習得状況にどれくらいの差があるかということの分析です。もし「あまりのないわり算」の習得状況が悪ければ、そこをフォローしながら単元を展開しなければなりません。差がどの程度あるかによって、この後の「指導観」が変わります。

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