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信用できるお笑い芸人の三代条件

上記、平成ノブシコブシの徳井さんのインタビュー記事を読ませてもらい
お笑い芸人におけるポジショニングや、あるべき姿について考えさせられた。

このインタビューで本人がおっしゃっているように
ノブコブの徳井さんと言えば
決して器用に芸能界を渡り歩けるタイプではないが、しがみつこうともしない。

だからこそなのか…

そんな徳井さんの言葉に重みを感じた。

上記のインタビューでも答えているが
徳井さんは基本的に欲がない。とのことだ。

テレビ的な振る舞いに不得手で、周囲と合わせにいくことも苦手。
それゆえ、常に俯瞰の目線を持ち、実際は誰よりも戦況が見えているのだと推測する。

よく言われがちなテレビ的な〇〇と呼ばれるもの。

「プロのタレントなら…」
という大義名分のもと
時と場合によって、タレントに求められる役割が型にハマりすぎる場合がある。

これはテレビ界における歴史的な文脈。
テレビマンは身を持って体得していく型があり、制作現場には何となくのルールブックがある。

「この芸人はロケしやすい」
「このタレントは良いコメントを残してくれる」

タレントの評価と言う意味では1つの正解。

しかし、その良くも悪くも型にハマったセオリーに対してのカウンターパンチが昨今発動している。

もっと、いろんなものが見たい。
もっと、いろんな人がいてもいい。

ご存知のとおり、今、脚光を浴びるのはプロのタレントと呼ばれる人ばかりではなくなった。

「素人の動画見て面白いの?」

年配の人に何度か聞かれたこともあるが
今は面白さの種類も多様化し、正解が1つではなくなった。
ようするに、今はプロの技術やプロの仕事ばかりが評価対象ではない。

よくよく考えれば
アイドルと呼ばれる人たちは昔からそうだった。

未完成だから応援したくなる。
クラスで真ん中くらいのルックスだから良い。

研ぎ澄まされたプロのパフォーマンスではなく
まだ、何者にもなれていない素人感。
そして、足りていない部分をファンが応援で埋める。

昨今のユーチューバー躍進の背景にも、そんな要素が多分にありそうだ。

しかし、ノブコブの徳井さんはプロのお笑い芸人として独特の立ち位置からパンチを放つ。

昨今、プロだったはずの芸人さんがプロのお笑いの世界から降りて活動するパターンもあるが、徳井さんは既存のテレビのニーズに迎合することもなく、なおかつプロの世界から降りない。

それでも、様々な場面で存在感を発揮されている。

この芸能界と呼ばれる魑魅魍魎かつ節操のないリング上で、オリジナリティ溢れる言葉を放つ立ち位置は唯一無二。

こんな人気商売という実態のつかみにくい世界において…

魂を売ってウソで塗り固めることが成功における近道。
それが決して悪いわけではなく、好感度を武器にすることの原点はそこにある。

笑いのスキルやセンスでは劣る芸人が笑いの猛者たちと渡り合うためには、魂の1つや2つ売らざるをえない。
逆に、魂を売らずして勝負を挑むのは難しい。
スキルで勝てない。センスで勝てない。
それでも成功を望むのなら、魂を売るしか選択肢はない。

力及ばずでも上昇を狙う。

1度そう決めたからには腹を括って、偽りの好感度を武器にする。
これは、好き嫌いや良い悪いの話ではなく…
そういうお仕事なのだ。

だからこそ、何かと好感度の話を引き合いに出されるサンドウィッチマンさんに、いつも違和感を感じる。

たしかに、好感度は高いかもしれないが、サンドウィッチマンさんの最大の武器はネタの面白さだ。

圧倒的に地肩が強く、全くブレがない。
本業が圧倒的だからこそ、好感度なんてただの副産物。
好感度の有無ではない部分で戦える強みさえあれば
魂など売る必要が全くない。

そんなサンドウィッチマンさんとは別のアプローチだが

好感度を武器にしているわけでもないノブコブ徳井さんが魂を売らず、本当のことを言葉にしている。

天下を獲りたい。大金持ちになりたい。他を圧倒したい。
芸能界にいるほとんどの人間が抱く気持ちを持っていないがゆえ、ウソをつく必要がない。

それゆえ、フラットにいろんなことが透けて見えていそうだ。
私ごときが言うのは恐縮だが、魂を売っている芸人や裏表を巧妙に駆使する芸人のことを恐いくらいに見抜けているのだと思う。

徳井さんの的を得た言葉の裏には
ウソをつく必要のない強さを感じる。

前置きが長くなったが…
今回は、お笑い芸人における信頼の話。

以前、『本当におもしろい人の三代条件』という記事を書いたことがあるが
その記事では、『おもしろさ』だけに特化した3つの条件を明確に記した。

この3つの条件に当てはまっている人は、間違いなく面白い。間違いなく笑わせてくれる。

面白さは正義だが、信頼も同じくらい正義。

「この芸人は信用できる」
という評価は、面白さやセンスを超えて
いつか、何かしらの形で日の目を見る。

いや、日の目を見てもらわなければ困りますので…

そろそろ本題にいきます。

信用できるお笑い芸人の三代条件の
1つ目だが…

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