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私的ライナーノーツ(Rock'n Roll Standard Club)

ねこつきというユニットでギターを弾いているゆうじろうといいます。

今の若い人たちは、音楽を探す、ってあんまりやらないんですかね。放っておいてもyoutubeとかspotifyがオススメしてくれるしね…
でも昔はそんなのないわけで、自分で探すわけなんですけど、手掛かりがないとなかなか効率が悪いわけです。
ジャケ買いしてみたけどあんま好みじゃなかった、とかもありましたね…

学生時代、音楽に興味が出てきたとき、それまで特に音楽聴いたりという習慣がなかったもので、次何を聴こう、という情報源があまりなかったんですが
そんなときにこのアルバムを見つけまして。
なんか洋楽ロックってかっこいいなというか、ちょっと周りと違うもの聴いてる感じかっこいいなというか、ああ、こう書いてみるとあさはかですね、愚かですね。当時の自分。
まあ、過去の愚かさはどう足掻いても消えないので。一旦棚にあげるとして。理由はどうあれいろいろ洋楽ロックを聴いていくきっかけになったアルバムでした。

このアルバムはB'zのギタリスト松本さんが、Rock'n Roll Standard Club Band名義で出したカバーアルバムで、松本さんが聴いてきたロックのスタンダードナンバーを収録している、という感じで。
詳しくはWikipediaなど読んでいただけると分かると思うので、リンクを貼っておきます。よそ様に書いてある内容はなるべくダラダラ書かない方がいいでしょう。パクりになってしまう。

Wikipediaに「このアルバムを聴いて、原曲の方も聴いてもらえればこのアルバムの目的は大成功」と、松本さんが言っていたと書いてあるので、まさに私はその思惑通りというか、導かれるままにって感じで。ここでカバーされてるバンドのうちいくつかはその後ハマってよく聴くようになったり。まあお世話になりましたっていう感じでした。

洋楽って、メンバーチェンジしながら続いてくバンドとか、あるバンドを抜けた人が新しくバンド作ってそっちも有名になるとか、そういうのが日本に比べて多い印象で。
そうすると一つバンド知ると、そこからいくつかまた聴きたいバンドが数珠繋ぎな感じで出てくるという、聴くもの探すには効率がよい構造をしている気がします。
このアルバムつながりで言うと、deep purpleのボーカルだったデヴィッド・カヴァデールが後に作ったバンドがWHITE SNAKEで、WHITE SNAKEにはこの間書いたジョン・サイクスが一時期在籍していて、その後にヴィヴィアン・キャンベルも在籍してたことがあって、そのヴィヴィアン・キャンベルは今はDEF LEPPARDのギタリストになってて…とかね。

このアルバムではカバーされてないけど、確かVAN HALENもB'zの松本さんが好きだったというのをどこかで読んで、聴いてみたらハマって
そこからスティーブ・ヴァイ、ビリー・シーンと繋がってMR.BIGも聴いてみるとか、速弾き系のギタリストってかっこいいなってなってイングウェイも聴いてみるとか、そんな聴き方をしてました。

若い頃はそんなこんなでどっちかというとハードロック系を好んで聴いてましたね。日本のバンドでB'z以外でハマったのがSIAM SHADEだったので、メンバーが好きだっていうDREAM THEATERにもハマって来日公演見に行ったりしたなぁ、懐かしい。

音楽とは文化であって、文化というのは継承されてきたもの、継承されていくものと考えると、先人達の色々な功績に影響を受けるのは当然のことで、その中にオマージュやリスペクトが入るのもごく自然のことだと思うんですが、作品を作ったりしない人からすると、理解できない感覚だったりするんでしょうか。なんかパクりがどうの、みたいな話をたまに聞くと、そういう感想をもったりします。

そういえば、以前あるアーティストが「すごい意識してオマージュというかパクりを入れても、みんな結構気づいてくれなくて悲しい」みたいなことを言ってるのを読んだことがあります。
なんていうか、プロのアーティストも最初は誰かに憧れているキッズだったわけで、好きな音楽の話を誰かとしたいんだよ、ってことなのかなーとか思った記憶があります。

ちなみに自分も、あるアーティストの好きな曲のコード進行をまるまる、ある曲のあるパートにあてこんで、その好きな曲と似た感じのアコギのストロークで弾いて、というのをやったりしました。
でもまだ誰からも「あそこってアレでしょ」みたいな話はされていません。寂しい。

なんだかとりとめもなく色々と書いてきてしまって、まとまりがないんですが
Rock'n Roll Standard Club、とても良いアルバムでしたよ、って話です。
そういえば、まあほとんどもれなく、楽器をはじめて最初にやるのは好きな曲のコピーだと思うんですが、そんな原点的な楽しさをプロがやっているアルバム、という捉え方もできますね。
最近じゃ、既存の音楽がかなり溢れてきちゃってるし、オリジナルをやらなくても楽しみ方がめちゃくちゃ幅広いし、カバー専業でもビジネスとして成立しちゃうバンドなんかもあったりして、カバー、侮るべからずって気がしてきますね。
ニュースで、ジミー・ペイジに憧れて50代で外国に飛んでツェッペリンの公式カバーバンド?かなんかのギタリストになった日本人の方の映画がやる、みたいなのも見たりしましたし、なんというか自由で可能性に溢れた時代になったってことなのかも、とか思ったりしています。

ちょっと話を飛ばして、じゃあなんでそんな時代に、アマチュアなのにオリジナル曲でアルバム作ったりしてんのか、って話をちょっとだけ書いてみようかと思うんですけど、僕はそれすらもコピーでオマージュだと思っていて。
憧れのあのバンド、あのアーティストがやったみたいに、曲を作ってアルバムを作ってリリースして、また2枚目を作って…
という行為そのものを見様見真似でコピーしてる行為なんだ、みたいなところがあります。
でもやっぱり、違う人間がやると全然違う結果になるし、1人でやってるわけじゃないのでまた新しいエッセンスが入ってくるし。
その差分とかを楽しむ、みたいなのが今ねこつきでやっていることなのかもしれません。

それを気に入ってくれる人がどれくらいいるのかは分からないんだけど、懲りずに続けていくんだろうなーと思っています。

ということで、ねこつきの音楽もよかったら聴いてみて下さい!

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