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新規事業を立ち上げ半年で予算1億を達成した話(顧客資産+マーケ費用ゼロ)

皆さん、初めまして。

LayerXの @gokan_yuさんにお誘いいただき、初めて今までNoteを書いたことがなかったのですが、頑張って寄稿してみようと思います。長く書くのは苦手なので、出来るだけ短くを意識して書いてみます!

この記事は BtoB事業開発アドカレ 19日目の記事です。
前回は 株式会社助太刀の藤田さんによる『プロジェクト立ち上げの学びと勘所』でした。


自己紹介


まずは簡単に自己紹介をさせてください。
エン・ジャパン株式会社にて、唯一の非HR事業として【エンSX】という事業の責任者(部長)をしている野田(yujiro_noda0127)です!

趣味は、サウナ・キックボクシング(アマチュア選手)・お酒(強いのは無理)です。異常なほど、自分を追い込むのが好きなタイプで、是非仲良くしてください。

エン・ジャパンというと人材支援のイメージが強いかと思いますが、エンSXは営業支援を通じた業績向上を支援する事業であり、2つの事業の管掌をしています。※紹介のNoteはこちら↓↓↓

今回はエンSXそのものを立ち上げて一人で、泥臭く立ち上げたお話について記載させていただきます。

エンSX事業について


エン・ジャパンの認知はありますが、エンSXの認知度はまだまだ低いので簡単に事業について紹介させてください。

事業立ち上げ背景

エン・ジャパンでは、人材採用支援を主力事業としており、これまで数十万社のクライアントに対して採用支援をしてまいりました。

しかしながら、2021年のコロナをきっかけに世の中全体の採用需要が減少。コロナをきっかけに、クライアントからは「採用どころではない」「生産性を上げたい」「売上を伸ばしたい」「取引先を増やしたい」という声が多くなりました。

採用支援というのは、事業成長するからこそ生まれる需要であり、我々は採用以外の支援をする手段を持ち合わせていませんでした。そのため、急遽取締役と共にこの事業を立ち上げることを決定しました。

狙いとしては、企業の業績向上の支援を行うことによって本業の採用支援に繋げようと思ったのがきっかけです。

展開する事業について

メインの主力事業はエンSXセールスというインサイドセールス代行/支援を行っており、主にBDR・SDR支援などを展開しています。

そして、もう一るの新規事業ではエンSXセールスアナリティクスというフィールドセールス育成支援を展開しています。

この事業はアウトバウンド業界ではあるあるかと思いますが、どれだけ商談を創出をしても、マーケ経由のリード(顕在層)は受注できるが、アウトバウンド経由のリード(潜在層)は受注できていないという声が多くありました。

そのため、当社が設立より20年間行ってきたアウトバウンドなどの潜在リードを顕在化させる4つの商談の仕組みを自動解析できるAIサービスをリリース。また、自動解析に加えて、厳選されたプロ講師によるトレーニングも提供しています。

ローンチ後、新人セールスのヨミ化率がなったり、効能が多く、トレーニングを受ける顧客の現場からも「あの人のトレーニング続けたい」が連発しています。(日経リリースも出しています。)

主にこれらの2事業を展開しています。今回は、エンSXセールス事業を立ち上げについてのお話です。

はじめに:事業責任者に必要なマインド


実行したことに入る前に、事業責任を持つ人が最低限の持つべき心構えを至極当たり前ではありますがそれは何か?1つだけです。

自分が立ち上げる事業の意義を語れるかどうか?
これに尽きます。事業を1年でグロースできた一番の理由は?と聞かれても、これ以外思いつきません。

  • この事業は誰の何のために行う事業なのか?

  • この事業を通じて何を実現したいのか?

  • この事業を自分がやる理由は何か?

当たり前ですが、新規事業はリソースも予算も正解もありません。
だからこそ、誰に聞いてもそれらしい答えはくれません。
むしろ、外野の声はノイズに聞こえる事だってあります。

そんなときに、踏ん張れる強い想いがないと、人はチャレンジし続けられません。すごく当たり前に見えて、とても大事なのです。

時にはやりたいと思わない事業を任されることもあります。
でも、それをどう解釈して、どんな想いで事業を推進するかは責任者次第です。

実施したこと


事業開発の教科書などは今まで見たことがなく、何もわからなかったのですが自分がこれまで3つほど新規事業を確立させた際の、とにかくシンプルな要素だけを以下にまとめています。

1.戦略立案(参考:戦略BASiCS

余談なのですが、私がエンSXに参画したのは事業を立ち上げて半年(上期終了時点)になったタイミングでした。

当時は、通期1億円に対して25%の進捗。当時の責任者も退職しており、
営業活動自体も停止状態。顧客資産も何もない状態でした。加えて、成功例や戦略の解像度も低く、ビハインドがある中で通期1億達成に向けては、再度戦略の強化が必要でした。

加えて、新規事業は限られたリソースで事業を運営しないといけません。
そのため、セオリーとしてはランチェスター戦略で良く言われる『弱者の戦略』です。選択と集中による局地戦で捨てるべきところは徹底的に捨てる事
がスタートです。

その際、個人的にはとても参考になるフレームとして戦略BASiCS(多分誰も知らない)を活用するようにしています。小難しいフレームではなく、シンプルなのが特徴。

わかりやすいので、少し修正しつつそのまま記載します
ポイントは、どの市場に向き合うかで戦略内容は180度変わるということです。

Battlefield(競合):市場やマーケットを分析し、どの市場/セグメントで戦うかを計画する際に役立つ

Asset(資源):他社よりも優れていて差別化できる資源を指す。他社に勝てる優位的な要素がない場合には、優先して独自資産を作り直すことが必要。

Strength(差別化要素):資源とは異なり、他社にはない資源があることで形成される顧客の利点・メリットを指します。

Customer(顧客):ターゲット層を特定するというものです。具体的なペルソナ(人単位)まで落とし込むことがポイント

Selling Message(売り文句):ターゲット層にいかに商品をアピールするかというものです。シンプルで分かりやすいメッセージが有利

詳細の需要があれば、また記事を上げようと思いますが、上記を設計し
ターゲティングした企業数は300社のみ(それ以外は捨てる)と自分の中で意志決定しました。(正解なんてありません。)

不安でしょうがなかったのですが、ここからは戦術をごりごりやるフェーズです。

2.戦術を決める

残り6カ月という期間の中で、できる事も限られていました。
もちろん、タイトル通りマーケ費用+顧客資産もありません。

また、ターゲティングした300社は全て白地の企業です。
その中でも特に狙っていたのはマーケティング領域の責任者でした。

彼らを攻略する方法としては、自力でコールドコールをしても途方もない作業であり、そもそも出社をしていない属性の顧客でした。

そのため【全てメールだけで開拓しよう。】と決め、直ぐに実行しました。私が実行した動きは以下です。めちゃくちゃ有効ですので、皆さんも試してください。私の半年の時間は全てここに集中しました。結果、半年で100社(3割ほど)近くと商談する事が出来たのです。(メール送信からのアポ率は20%近く)※マーケ費用は一切なしです。

①キーマン特定
 
HP/採用情報/導入事例/セミナー情報/後悔記事/メディアなどを毎日
 チェック(キーマン特定スキルは僕は異常に高いです。)

②シナリオ設計
 
1社1社事業やキーマン情報を理解し、周辺の課題を必ず想定。丁寧に
 アプローチするシナリオを設計(ここにかなり時間を費やします。)

③アプローチ
 
メール・Facebook・Wantedly・LinkedInなどの手法でアプローチ
 (定期的な頻度で個社に対して何度も接触する)
 ※またどうしても繋がれない場合は、リアルイベントなども活用

④顧客解像度を上げる
 
商談の際は、1つ1つの商談を無駄にしては絶対いけません。顧客の業界
 会社・組織、担当者、業務レベルまでわかる範囲では調べる。わからない  
 範囲ではヒアリングする。そうすることで戦略の精度にも繋げる動きを
 行いました。

白地企業をメールで開拓するイロハは私が最も得意とする領域です。
新規営業に困っている方に少しでも需要があれば、また記事を上げようと思います。

3.検証(スピード重視)と戦略の修正

1,2の動きによって、半年間だけで100社近く商談し、その期間では15社の契約にも繋がりました。ただ、あまりにもシンプルに書いたので戦略を決めて、活動するというだけではなく、最後の工程で大事な観点だけいくつか記載しておきます。

顧客解像度を上げること
顧客解像度って何か?と人によって定義は異なると思いますが、新規事業をする人にとっては、絶対不可欠なWordです。

私は、元々求人広告のセールスを4年行っていた経験もあり、あらゆる業界の情報や仕事内容はある程度は知っています。(何度も勉強しました)
これが救いだったかと思います。要は、顧客について誰に聞かれても答えられるか?ということです。

※顧客解像度とは?
顧客の業界・会社・部署・個人・業務レベルまで詳細に理解できている状態

例えば、一般的に不動産売買の事業をしている従業員数100名前後の人事ってどんな感じなんだろう?と聞かれて、以下の観点で答えられるかどうかだと思っています。

とにかく量とスピードが大事
顧客について「誰に聞かれても答えられる」という顧客解像度は大事です。
そのためには、とにかく商談をすることです。(正直これ以外ない)
私は、今どんな事業を作れと言われても、商談を大量に行いことを当たり前に行います。

解像度を上げる精度は人によって差分があります。自分が納得いくまで限界を決めず、まずは商談をすること。そのために「手を止めず、まずは行動する」という点は特に大事だなと思います。

戦略(参考:戦略BASiCS)を適宜修正する
顧客解像度をあげるべく、「まずは商談を大量に実施する」というのはとても大事です。それができてくると、次にわかってくるのは

  • このStrength(差別化要素)はあんまり刺さらない

  • もう少し、こういう風に伝えたほうが刺さるのではないか?

  • となると、狙うべき顧客ってこっちのほうが良くないか?

このように、元々仮説をもっていた戦略と必ずしも一致しない瞬間が来ます。その際は迷わず、戦略を変えてください。そう思っている時点で仮説がズレているのです。誰も答えを知らないのですから、別に体系化する必要もありません。

まとめ


長々と書きましたが、結局のところ、事業開発に正解なんて何一つ
ないので、どの方法が正解などもありません。また、上記のような流れで全てが綺麗に物事が進むこともありません。

私が特に大事にしていたのは、まとめると再掲になりますが携わった3つの事業も、以下の流れでどれも変わりませんでした。

  1. まずは完成度100%ではなく、60%程度の戦略を決める

  2. 決まったら、とにかく早く検証する(この中で顧客解像度を高める)  ※考える続けて悩む時間が無駄

  3. 解像度が高まる中で、戦略や事業のパーパスを徐々に策定していく

最後に


私の携わるエンSX事業は、2024年4月より分社化をし、エンSX株式会社に
なります。

世の中のセールス好きを増やし、より豊かにする

というパーパスを策定しており、既に事業としては0→1は終了し、10→100のフェーズになりました。この領域はまた違った能力開発になるため、自分としてもチャレンジングで毎日が楽しく思っています。

私自身、セールス領域のキャリアは長く、これからもセールス領域の事業をどんどん立ち上げていくつもりです。採用活動も積極的に活動しており、まだまだ繋がれていない方も多いので、良ければTwitterでもフォローいただけると幸いです!


以上です!ありがとうございました!!!







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