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酷い便秘、大腸無力症を疑ってみる。

大腸無力症とは?

大腸無力症という言葉を聞いたことがありますか?
便秘に悩む人の中には、この病気が原因である可能性があるかも知れません。
(実際、知人が「便秘が酷くてオペをした」と聞いた時に、初めてこの病名を知ったのですが。)
大腸無力症とは、大腸の蠕動運動が低下し、便が滞留してしまう慢性便秘症の一種です。


大腸無力症の原因

大腸無力症の原因は、現在のところ明らかになっていません。
遺伝的な要因や自己免疫の異常、神経やホルモンの影響などが関係していると考えられています。
大腸無力症は、先天性のものと後天性のものがあります。
先天性のものは、生まれつき大腸の神経細胞が欠損しているヒルシュスプルング病とは異なり、神経細胞は正常に存在していますが、その機能が低下しているとされています。
後天性のものは、加齢やストレス、薬剤の影響などによって発症すると考えられています。

大腸無力症の症状

大腸無力症の主な症状は、便秘です。
便秘とは、排便回数が週に3回未満であるか、排便時に困難感や不快感を感じる状態をいいます。
大腸無力症の場合、便秘は慢性的で重症であり、食事や生活習慣の改善や一般的な下剤では効果が得られません。
また、便秘に伴って、腹痛や腹部膨満感、吐き気や食欲不振などの症状が現れることもあります。
重症な場合には、腸管の壊死や穿孔、腸閉塞などの合併症を起こすこともあります。

大腸無力症の診断と治療

大腸無力症の診断は、主に大腸通過時間検査という検査で行われます。
この検査では、放射性物質やバリウムなどを含むカプセルや錠剤を飲んで、その通過状況をレントゲンやCTで撮影します。
正常な場合は、約24時間で大腸を通過しますが、大腸無力症の場合は、48時間以上かかることが多いです。
他にも、大腸カメラや直腸肛門内圧測定検査などの検査が行われることもあります。

大腸無力症の治療は、主に手術によって行われます。
手術では、無力化した大腸の一部や全体を切除し、回腸と直腸をつなげる方法が一般的です。
この手術は、結腸全摘・回腸直腸吻合術と呼ばれます。
手術には、腹腔鏡を用いる方法や、人工肛門を造設する方法などがあります。
手術は、便秘の改善に効果が高いですが、合併症や再発のリスクもあります。
そのため、手術の適応は慎重に判断されます。
手術以外の治療としては、酸化マグネシウムやプロキネティック薬などの下剤や、腸管内にチューブを挿入して便やガスを排出する方法などがありますが、効果は限定的です。

まとめ

大腸無力症とは、大腸の蠕動運動が低下し、便が滞留してしまう慢性便秘症の一種です。
原因は不明で、先天性のものと後天性のものがあります。
症状は、便秘が主で、腹痛や腹部膨満感などが伴います。
診断は、大腸通過時間検査などで行われます。
治療は、主に手術によって行われますが、合併症や再発のリスクもあります。
大腸無力症は、重症な便秘症の一つです。
便秘は馬鹿にできない、酷い時の辛さは経験した事でないと分からない位にしんどいものです。
酷い便秘の症状が続く場合は、決して「ただが便秘」と甘く見たり、恥ずかしいからといって後回しにせず、早めに医師に相談しましょう。

今日も読んで頂きありがとうございました☺

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