No.5 精神病院

 精神病院というと、どんなイメージがありますか?

 鍵のかかる病棟に、独房のような個室もいくつかあり、ここは病院か監獄か、と疑問に思われる環境は、実際に存在しています。

 私が足を踏み入れたとある病院は、そこらじゅうでタバコ臭がして、逃げるのも難しい状況でした。

 少しでも凶器になりそうなものは、手の届かないところに置かれ、人によっては手足を拘束されることもあります。
 自分を傷つけたり、他者を傷つけたりしないように、その危険性が高い人を動けないようにしてしまいます。

 実際、だれかを傷つけられてしまっては困ります。

 ただ……

 閉じ込められて元気になった人を、あなたは知っていますか?

 独房のような部屋に入った経験のある方が、「枯れかけた植物の世話をしていると、植物が元気になってきて、だんだん自分も元気になってきた」と話してくれました。

 それなら、スタッフが声をかけられる状態を保って、外側だけ鍵つきの開放的な空間にしてみてもいいかもしれません。
 畑や作業場で、植物の世話をしたり、生産的な活動に携われるようにすることで、予後がよくなるかもしれません。

 芸術活動を楽しむとか、生活に使うものを生産してみるとか、手芸でも、木工でも、なんでもいいですが、こういう「何かを生み出す活動」っていうのは、結構、人を元気にするものですよね。

 自然がいいという人もいますし、日光が(アトピーみたいな例では避けたほうがいい場合もありますが)いいという人もいます。

 病院の部屋に閉じ込めるのではなく、むしろ積極的に活動の機会を与えることが、治療に役立つかな、と思うこの頃です。

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