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塾に行っている場合じゃない!夏休みは失敗の大チャンス!

学校教育の弊害で、何事にも正解があると思い込んでいる人が大量に生まれてしまったんですが、その人たちが今度は親になって、子どものすることや、子育て方法にも全て正解があると思い込んでいます。そして無難な最短ルートを示してあげるのが、一番の教育だと思い込んでいます

私は、親のすべきことっていうのは、そういうことじゃなく、靴を脱いだら揃えるとか、外から帰ったら手を洗うとか、食事中にスマホを見ないとか、そういうことを教えることだと思っています。いわゆる、しつけね。教育に関しては、むしろ何も教えずに、失敗させることが一番。

例えば、まだ日本語もろくにコントロールできないうちから英語を教えたり、子どもたちが冒険できる大チャンスの夏休みに、塾の講習に20日間も通わせたり……。まるで成功への最短ルートであるかのごとく、レールを敷いてしまうんだけれども、実はそのレールって、親が20年も前に敷かれてきたレール。親の中では正解に一番近いのかもしれないけど、もうとにかく古いし、時代に合っていない。まあ、レールを設計している方も、古い人間なんで、仕方がないけど。
でも、世の中には、そういうレールの上を歩いてこなかった成功者が、ものすごく大勢いますよね。ちょっとした成功者なら、自分と同じレールでいいんだけど、大成功しようと思ったら、実は人の敷いたレールの上なんて走っちゃだめなのは、うすうす気が付いているんですよね。

書籍でも、講演会でも、実は失敗が一番成功を築いてきたということになっているのにもかかわらず、わが子だけは違うと。自分の敷いたレールでいいのだと思える。なぜなら、同じレールなら、どこで失敗するか自分が知っているから教えられると思っているのかも。でもそれ、20年前の話だけどね。
失敗をなるべくさせないようにと頑張ってしまうのが親心。私も親なので、その気持ち、よく分かります。

凧の糸をほどいてみろ

私の住んでる町では、毎年お正月に凧上げ大会があります。ものすごい人数の参加者が訪れるので、スタッフは、あらかじめ出来上がった凧を配っちゃうんです。つまり重心がとってある凧です。私もスタッフだったので、事前に集まって作っていました。その時、私にとっては、めちゃくちゃ貴重な体験になったんです。皆さん、凧の重心ってどう取るか知ってます? これ、取ったことがある人しか知らないことですよね。ここにヒントがあります。

あらかじめ重心を取った凧を配れば、子どもたちは、時間いっぱい、凧をあげる行為を楽しめる。そういう設計なんですけどね、ある年、最初の挨拶で、教育長が「高学年の子どもたちは、その糸をほどいてみろ」と指示したんです。めちゃくちゃ準備をしてきた私たちスタッフはびっくりしました。「え?せっかく準備した凧の糸、ほどくの?」ってね(笑)

でも、うぉー!となった子どもたちは、凧の糸をほどき、どのようにしたらくるくる回らない凧になるのか、揚げて様子を見て、糸を縛り直す、また揚げて様子を見て、糸を絞り直す……ということを繰り返し、自分の力で、重心はどこなのかということを発見していったんですよ。もしかしたら「重心」って言葉も知らなかったかも。

「これこそ教育だ!」

と思いました。
またその子たちは、凧の足の長さも短くしたり長くしたり……色々研究をしていました。あらかじめ用意された、重心も測られて、足の長さも決められた凧を改造してたんですね。確かに、位置から凧を作る時間はないので、凧を配る私たちの判断も間違いではないんですけど「教育」という面で見た時に、何かが間違っていたなーと反省させられた日でした。

ディズニーランドのチケットを魔法のように出さない

例えば、夏休みに子供がディズニーランドに行きたいと子どもが言った時に、日にちを親が決めて、親がチケットを取って、無駄がないように回る順番を親が考えるということも、ちょっとやめてみたらいいかもしれません。別に、どんな無駄な回り方をしても、命にはかかわらないんで(笑)
もちろんチケット代は親が払うし、購入手続きも親がするんだけど、その部分をまるでなかったかのように「チケットを取っといたよ」ではなくて、どんなプランにするのか、そのためにはどんな種類のチケットがあるのか、その金額って、いったいどれくらいなのか、一緒になって考えてみるのもいいかもね。

虫取りに行くのに夜のしかけの話をしない

「カブトムシを捕まえてみたい!」と言った時に、お父さんの頭の中は、すぐに「前日の夜から餌を仕掛けておく」という正解のようなものが出来上がってるかもしれないけど、これも、親が無駄がないルートを先に考え過ぎの例。子どもから、大事な大事な「失敗」を奪っていますよね。
1回、昼間に行ってみて、虫が見つからないという体験をしてみることこそ、大事な経験なのに。「なぜ昼間にカブトムシがいないんだろう」って考えて、調べて、分かるという経験を、親が奪わないようにするのが大事なのよね。

それを考えると、夏休みは失敗の大チャンス
毎日時間が決まった講習会に行くよりも、その日のスケジュールさえも、毎日、自分が決めるような、そんな素敵な夏にしたいですね。

高学歴なパパママに。私からの夏の読書感想文課題図書です。


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