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ファーストペンギンかリーダーメーカーか100匹目の猿か

リーダー学等の用語としてよく取り上げられる「ファーストペンギン」
誰も取り組んだことがない領域に最初に挑み、イノベーションを起こす人のこと。
※厳密に言うとペンギンにはリーダーが存在しないそう。
餌がいっぱいありそうだけれど、天敵がいるかもしれない海に、氷上から飛び込む。そんなシーンが連想される。ハイリスクハイリターンな行動だ。誰よりもお腹いっぱい餌にありつけそうな可能性もあるが、誰よりも先に天敵に襲われてしまうかもしれない。群れの中の1匹が行動を起こすことによって、他の全てのペンギンがその行動に倣う。人間社会では、そういう意味で、ファーストペンギンはリーダー気質とされている。

Image by sevenseassailing from Pixabay

最初にリーダーが行動した時に、それが単なる単発行動で終わるのか、それともムーブメントに繋がるのか。それはそのリーダー(仮)に対し、行動を真似するファーストフォロワーがいるかどうかにかかっている。有名なテッドがこちら

この動画は、私の中高生コースの意見文の教材として毎年使用しています。

このファーストフォロワーが、リーダー(仮)の行動を支えることにより、チームが動き出す。つまり、このファーストフォロワーはリーダー(仮)をリーダーにする、リーダーメーカーというわけ。

間を空けて「100匹目の猿」がいる。
京都大学名誉教授今西錦司氏の実験で、宮城県の離島で餌付けされた猿の中で、偶然に、さつまいもを洗って食べることを発見した猿が出現。それは群れの中で真似されて、だんだんと広がっていく。そして、100匹目の猿がそれを真似をした時に、遠く離れた大分県の山の猿も、さつまいもを洗って食べ始めたそう。厳密には「100」と数えたわけではなく、この「100」は臨界点を表している。ある程度のボリュームになると、それはもう遠く離れた仲間にも伝わるそう。
でも実はこの話はのちに科学的に否定される。否定はされるが「そんなことも起こりそうだ」と心のどこかで思える話である。私がニューエイジ寄りなのもあって、余計そう思うのかもしれない。

「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という超常現象の実例とされていた。ニューエイジの「意識進化」の信念の実例として引き合いに出されることが多い

Wikipedia

子供たちに指導する時、あなたはどれになりたいか、ファーストペンギンになりたいか、リーダーメイカーになりたいか、それとも100匹目のサルがいいか。もちろん、模範解答なんてありません。
この問いを投げかけることによって、リーダー気質の子は、より、その気質を意識します。そして自分がリーダーになるためには、ファーストペンギンとしての勇気よりも何よりも、ファーストフォロワー、つまり自分をリーダーにするリーダーメーカーが必要だということに気づきます。だから普段から、自分のリーダーとしての素質だけでなく、自分の発言や行動が周囲の信頼を得られるような関係を作っておくことが大事だと分かる。自分が何か行動を起こした時に「お前だからついていくんだ」というファーストフォロワーをたくさん作っておくことの重要性に気がつく。

フォロワータイプの子ももちろんいます。それは勇気がないからではありません。文字通りタイプなんですね。その子達も、せめて100匹目の猿にならないような工夫が必要だと気づきます。ファーストフォロワーになるには、常に、誰が良い行動を起こしているか、アンテナを貼っておくことが大事。そのことに気づくのです。

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