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どもるから黙るようにしたら「間がいい」と言われるようになった

私には、吃音がある。いわゆる、どもりだ。でも、大人になってから私の友人になった人には、私に吃音があることはばれていないと思う。きっと、今、この文章を読んで「え?そうなの?」と、びっくりしているかもしれない(笑)

わ、わ、わ、わ、わたしは、わたしの、わたしの、わたしの、の、の、な、な、な、な、なま、なま、なまえは、なまえは……

ずっと、こんな感じだった。今でも、焦るとどもりが出る。
小さい時は「言葉の教室」に通った。
私だけ、普通のクラスとは違うクラスに行くなーと思ってはいたけど(笑)
とくに「さ行」の発音が苦手で、「さしすせそ」が「しゃししゅしぇしょ」になってしまった。
これはまたネタみたいな話なんだけど、その言葉の教室の先生が、
三宮(さんみや)せいこ先生という名前だった。
「しゃんみやしぇいこしぇんしぇい」だ(笑)

どもると、すっごく焦っているようにも見えるので、自分でも恥ずかしかった。でも、私が変だったのは、おしゃべりが好きだったこと(笑)
どもるのに、しゃべりたがりなのだ。

言葉の教室の訓練の成果もあったけれど、自分で工夫もした。
文を先に少し考えて、また少し落ち着いてから話すようにした。
また、名前を言う時のように定番のものは、セリフを固定した。

(間) わたしの名前は (間) 有香です。
(間) 有香は (間) 有名の「有」に (間) お線香の「香」です。

このように、間を取ると、もともと声が低いのも相まって、とっても落ち着いた人に思えるらしい。

息子の幼稚園の先生に「とても落ち着いて言葉を話すんですね」と言われて「そうなの!?そう見えるの?」と小躍りしたほどだ。

今も「えっと」の代わりに「間」を置いている。
「あの」「その」「えっと」という代わりに口をつぐむだけだ。

よく「間」が怖くて、「えっと」などの言葉で埋めてしまう人がいるけれど、口をつぐんだ方がよっぽどいい。相手が考えている時は特に、その時間を与えることになり、まるで傾聴しているようにも見え、なお良い。

吃音があった人が、大きくなって文章の先生をしている。ライターをしている。そんな人生も、いいですよね。

私にとって書くことが、話すことより好きな理由も、ここにあるかも。

今、お子さんが吃音で悩んでいる方、言葉は書くことでも伝わります。大丈夫。

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