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遠距離介護に必要なもの。ネットスキルと世の中を変えていこうとするガッツ

少子高齢化の日本、働きながら、遠い所に住む親を介護する時代がメインになってくるはず。遠距離介護に必要なものが見えてきたので、ちょっとだけ先輩風を吹かせて、遠距離介護に必要なものをまとめてみた。

私の実家の状況

父。82歳。要介護3。認知症。
母。83歳。要介護2。重度の腰痛持ち。

父は大腿骨を骨折し、退院したばかりで、自分一人では歩けない状態。また長い入院生活で、排尿排便の自覚症状がなくなったので、紙おむつをしているが、そのおむつ替えを腰痛持ちの母ができない状態だ。

そこで私たちが利用しているサービス

父については、日中はリハビリができるデイサービスを利用。またおむつを替えるための訪問介護を介護保険を使って利用している。保険適用ラインはオーバー。
(オーバーした分は10割負担になるので、収入である年金額をかなり超える。この件についての対策はまた今度)
母については、腰痛のため、料理ができなくなったので、お弁当の配達サービス、お掃除代行サービス、ゴミ出し代行サービス、買い物代行サービスを介護保険を使って利用している。

妹との役割分担

このような状況の静岡県に住むこの両親を、妹と二人で分担。妹は、夫婦二人暮らし。学習障害児支援、障害者支援を仕事にしている。

役割分担となると、各々の性格にもよると思うが、基本的に近くに住む方が、近くでなければできないことをし、遠くに住む方が、そこにいなくてもできることをするという分担にした。

例えば、印鑑を押すことが必要な手続きや、立ち会いが必要な話し合い、また定期的な通院は、近くに住む妹の役目になった。
初めのうち、役割分担どころか、大変情けない話だが、私が介護に本気になっていなかったこともあり、また、妹は車があるため、妹が全てを行っていた。
色々な日用品を買う役割も担っていた。例えば食品や、おむつ、退院後の父の日用品(例えば乾燥肌の父のために保湿クリーム、床で滑らないゴム付きの靴下だとか)も、妹がサクッと行ってサクッと買っていた。
が、このサクッというのも、積み重なると結構な負担になる。車でショップに行き、駐車して、買い物をして、また車で実家に行く。しかも実家と妹の家は同じ市内とはいえそれほど近いわけではない。

そこで、まず、どんなに小さな買い物も、私がネットで買って、実家に届けることにした。私はAmazonのプライム会員なので、送料は無料だ。別に東京で注文したものを東京から配達してるわけではないので、商品は早い時だと午前中に頼めばその日のうちに届く。特にAmazonは置き配をしてくれるから、腰痛の為に、ピンポンと鳴ってから玄関に出るまで1分ほどかかる母には好都合。Amazonさんはそっと置いて行ってくれるし、しかもその通知が私のところに来るから、母に「荷物が着いたみたいよ」とLINEを入れるだけで済む。
オムツ3箱みたいな巨大な荷物は、ヘルパーさんが来た時に入れてもらえばいいと話をしている。

他に、退院後に介護度が上がって手続きなどが難しくなった、マンションの管理組合のこと、ケーブルテレビのこと、インターネットのこと、確定申告のこと、それから医療費控除だったり、保険金の給付申請だったり……。そういうことを一気に引き受けた。

たまたま私たち姉妹は、性格が異なり、妹が体を動かし直接的に支援する方が好きな子で、私は仕事場もインターネット上であることもあり、インターネットを使って色々手続きをするのに慣れていることもある。

行政に働きかけるガッツ

色々な担当者と話をしてみて分かったんだけれど、最近はこのようなケースがとても増えてきてるという。つまり田舎に住む両親の手続き系を、遠くに離れた子供がするというものだ。
もちろん対面でないといけないとか、本人でなければいけないという書類もたくさんある。その意図は分かる。特にお金に関わることは、たとえ親子でも本人からの代理申請なく、代わりにやってはいけない。
でも例えば、認知症の寝たきり高齢者に、保険の手続きをさせるだとか、医療費控除の手続きをさせるだとか、実質無理なのではないか?
そして、どんどん無理な日本になっていく。だからこういうところは、行政の方の変革も必要だ。そのために「こういう変革が必要ですよ」ということを、ビジネスケアラー、遠距離介護している人は、どんどん発信していく必要があると思う。

私が今回、これはすごいと思ったのが、地域包括センターのケアマネージャーとのモニタリング会議をオンラインでやってくれるということになった点だ。父が退院して1週間。ケアマネージャーさんが立てたプランに沿って過ごしてみて、いろいろ不都合な点や、不具合な点、また良かった点などを、関わる人全員で共有して、プランを立て直すという会議がある。それがモニタリング会議だ。その会議は、自宅で開催するのが決まりだが、それは本人の様子をケアマネさん自身がその目で確認しなければならないから。
しかしそれは当日である必要はない。その時間に本人がデイサービスなどに出かけている場合もあるからだ。
だったらどこで会議をしても良いわけ。そこで、地域包括センターの事務所に妹が出向き、そこで会議をすることになり、さらに事務所のパソコンを使って、オンラインで私が参加することになった。

あいにくその日、私は外出していて、その時間に自宅まで戻れない。が、その出先でレンタルブースを借り、その会議に参加することにした。

こういうことを考えると、遠隔ということ=インターネットを駆使することだと感じるので、特に遠距離で介護を考えている人は、自分のネットスキルをあげておく必要がある。また、オンラインで手続きができないなど、デジタル化が進んでいない行政に対して、働きかけるガッツが必要なように思う。

介護をしていて結構心がクタクタだけど、こういうところを少しずつ改善していくことで、後から続く人たちがやりやすい環境になっていく。また、少しずつ日本の福祉を良くしている感覚があって、心が折れそうな中でも自己肯定感も充足感も得られるし、行政は民間に比べかなりデジタル化が遅れていて、やりがいだけはあので、闘志を燃やせる(笑)


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