建築の作り方4

物理的な建築の作り方を突き詰めていっても、そこにはある問いが残されている。それは 「空間」 とは何か?という問いだ。壁や天井、床をつくればそこには建築がたちあらわれるが、それはシェルターであって空間の定義にはなっていない。例えばある場所に椅子を置いただけでも「空間」は立ち現れる。椅子を置くことによって椅子の使い手との関係あるいは視覚的なオブジェとしての空間だ。また物理的な囲いがない、音が鳴っている野外の音楽フェス等でもそこに空間があると感じてしまう。「空間」とは何なのかという問いに付随する、居心地の良い「空間」だったり、生き生きとした「空間」、緊張感のある「空間」等とらえどころのない場の空気のようなモノを捉えてデザインする事こそデザイナーの手腕に違いない。

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