見出し画像

12/12-24 足を止めたら終わり

12月12日(火)

岡山日帰り出張。
タクシーの運転手さんと一緒に今年の漢字を知った。降りるとき「ありがとね、がんばってねえ!」と声をかけてもらい、駆け出す。

19時前、最後の訪問を終えて一息つく。空腹だった。ただ腹を空かせて君の元へ帰るんだ。
ひさしぶりに心身フル回転で働けた気がして精神衛生上良い。たまに非日常がないと倦む。何事においてもそう。

岡山駅周辺は高評価のラーメン屋さんがたくさん
これは有名らしいお店のねぎラーメン



12月13日(水)

極暖ヒートテック、リブニット、ジャケットで乗りきれると判断した。買ったばかりの仕事用のコートは結局まだ一度しか着ていない。

Creepy Nutsの「のびしろ」を、間違えて「折り合いしかないわ♪」と歌ってしまった。そんな人生は嫌だ。


12月15日(金)

初秋の装いでも汗ばむ。今年はなんだってこんなにあたたかいのか。年末感がない。雑談のネタにつかえるからその点はありがたいのだが。

16時、突如疲れがどっときて頭がぼんやりする。でも足を止めたら終わりなので歩きつづける。

なんかもう自分の存在ぜんぶがはずかしいって思うときあるし、と思うときは大抵その「はずかしいって思うとき」のさなかで、まあメンタルが落ちてるんやなと分析するだけの冷静さはある。
なんにもないのにどうしようもなく孤独やと感じる。東京で一人暮らしをしていたときの感覚に近い。

わたしは声帯の使いかたが下手なようで、たくさん喋ったりカラオケに行ったりするとすぐ喉が痛くなり、声が枯れる。
今日は仕事でたくさんの人と、喉が痛くなるくらい喋った。あかるく喋った。

金曜ロードショーでやっていた『メアリと魔女の花』、はじめて観る。テンポが良くてずっとおもしろい!のに、ラスト30分、ソファで寝落ち。


12月16日(土)

中之島美術館のテート美術館展に行こうと思っていた。が、駅のホームでルートを確認すると、どうやら到着するのは16時ごろになりそう。展示は17時まで。
少しだけ悩んで、引き返した。昼過ぎに起きたくせに、のんびりパンケーキを食べ本を読み、メイクに時間をかけていたからこうなるのだ。

書店をはしごし、映画館へ。『市子』を観た。

映画館で映画を観たのは数ヶ月ぶり。自宅で観るそれとの差、蟹とカニカマくらいある。強制的にスマホをシャットアウトされる心地よさ、没入感が段違い。
杉咲花さんの演技が圧巻。どうしようもない、やるせない人生に胸が詰まる。誰かといっしょに暮らすことの尊さを思い出す。良い映画だった。

鑑賞後、元町商店街のベトナム料理店でフォーを食べる。

牛肉のフォーが好きです
なぜなら肉が赤いから

そのあと、書庫バーでフルーツのカクテルを飲んだ。アルコール弱め、おまかせでお願いしたら、柿とアーモンドミルクとウォッカと生クリームのカクテルをつくってくれた。仕上げにナツメグを少々。とろっと濃厚でとても好みの味。お会計時にそれが1,400円であったことを知り、一瞬ひるんだがなんでもない顔で支払う。アルコール弱者のバー初心者。よい休日をつくろう、と決意してつくりあげた休日。
帰宅後、割引のローストビーフや明太子を食べながら『クレイジークルーズ』を観て、お正月みたいな気分になる。ものすごくおもしろい!のに、ラスト30分、ソファで寝落ち。

子どもみたいで恥ずかしいのだけども、眠りにつく前、周りの人たちが事故に遭ったらどうしようと不安でたまらなくなることがしばしばある。今日もたまりかねて、寝入りばなの恋人に「なあ事故に遭わんとってな」と話しかけてしまった。
どうか事故に遭わないでほしい。それから病気にもならないでほしい。健康で生きていてほしい。

12月19日(火)

眠くて頭が回らない。コーヒーをごくごく飲む。
電車でゲホゲホ咳き込んでいる人が多すぎる。中にはマスクをしていない人も……なぜ

夜、NU茶屋町の入り口前でユーミンの新アルバムを販売していた。
わたしが通りがかったとき、ちょうど勤め人風のおじさんが会計をしていた。それを目にした瞬間、なぜか急にこみ上げてくるものがあり、必死で涙を押しとどめながら歩いた。仕事帰り、発売前日にCDを買い求めるほどユーミンのことが好きなのだ。たぶんずっと昔から応援してきたのだろう。そのことが尊く思えてならなかった。喉の奥が熱い。


12月20日(水)

年内最後の東京出張。朝6時過ぎに家を出る。
夜は別部署の同僚とイタリアン。(上司からいただいたカンパで)おいしいものをたのしく食べて飲んで、2時間でサクッと解散。
2時間でサクッと解散、大好き。その前提があれば、人と会うハードルは相当下がる気がする。

中央線の亡霊なので宿は阿佐ヶ谷にとった。
A子さんの街。なお会社はぜんぜん近くない。

ぶらぶらする時間はなかったけども



12月21日(木)

年賀状の作成に忙殺される。エクセルからワードに流し込む方法でつくったあとで、会社から筆まめのソフトが支給されることを知る。だれか早く教えてよ……。
泣きそうになりながらレイアウト調整と誤字脱字のチェックに追われる。今年は150枚近く出す。年賀状文化、早くなくなっておくれ。

夜、全社の忘年会。
二次会は20人弱でにぎやかなお店へ。こういう場に慣れてね、と上司から囁かれたから、よほど所在なげな顔をしてしまっていたのだろう。大人なのにこういうことを言われてしまうのは本当にだめだと思う。
声を張りあげないと喋れない場、たくさんの人がいる場が年々苦手になっている。でも主に社内交流のためにわざわざ東京に呼ばれている身として不参加という選択肢は当然なく、だれかがいやとかではもちろんないのに自宅が恋しくて泣きそうになる。恋人とふたりでしずかに暮らしたい。恋人さえいてくれればいい、と図らずも思いそうになり、あわてて打ち消す。

たとえば「(わたしのために)ちょっとケーキでも買ってくるよ〜」といった上司の冗談に対して、「いいですね!じゃあひとっ走りお願いします!」みたいな返しが望まれていることはわかるのに、「いやいやそんな……」とへらへら笑って恐縮してしまう。失礼な奴だと思われるのを恐れるあまり、望まれているふるまいができない自分がいやになる。歳の変わらない同僚に軽々とできていて自分にできないことが多く、劣等感を刺激される。逆自意識過剰。

出張のご褒美にと持って行ったコスメデコルテのスキンケアのサンプルがものすっごく良かった。
夕方の肌の調子が良すぎて思わず笑ってしまう。メイクの持ちはスキンケアに左右されるのだと近頃ようやく理解した。現品買いたい、けど、200mlで10,000円超え……!

香りもとても好きだった 癒される〜



12月22日(金)

空気がきんと冷えていて気持ちがいい。晴れた冬の朝が好き。
抱きしめるようにaikoを聴く。どこに行くにもお気に入りの毛布を握りしめている子どもみたいだと思う。持ち運べるお守りを増やしてどこででも生き延びられるようにならなければ。たとえばそれは音楽であり、アクセサリーであり香水であり。

18時前に退勤して大竹餃子へ。

5月ぶり!

10個定食と紫蘇餃子をモリモリ食す。ただいま、日本一ラブだよ。

かなり警戒していたのに風邪の気配。ここから先楽しみな予定が盛りだくさんなのに体調を崩すわけにはいかない。東京駅で葛根湯のドリンクを買って飲み、新幹線でとろっと眠って目覚めたらやや楽になっていた。葛根湯すごい。気の持ちようもあるだろうけれども。

帰路では藤井風のプレイリストを聴いた。なんて歌が上手で表現力が豊かなんだ……。「帰ろう」がじんわりと沁みる。たたみかけるようなBメロと、Bメロからサビへブレスなしで入る感じがすごく好きだ。


12月23日(土)

『いろんな私が本当の私』刊行記念イベントへ。

原作者の長嶋有さんとコミカライズ担当のコナリミサトさんが登壇される。お二人とものファンだし、本書はタイトルから心を掴まれて購入に至り、どの作品もそれぞれの良さがあってとても好きだったので楽しみにしていた。
本物のお二人が目の前にいることが信じられず、トークもおもしろくて(物語のラストシーンの設定の仕方など)、盛りだくさんな時間だった。

コナリミサトさん(すっっごい綺麗なお姉さん はじめマネージャーさんか何かかと思った)に「かわい〜ふわふわしてる〜」と言っていただき、ヒィ……としどろもどろに

帰宅後、『いちばん好きな花』最終回を観る。

他人の価値観なんてわからないけれど、理解したいと思える他人と出会うことはある

だれだって自分がいちばんかわいくて、他人を理解するのは面倒だし不可能だ。だからこそ、それでも一緒にいたいと思える人たちのことを大切にしたい。近ければ近いほど、(今回のドラマのテーマではなかったが)特に自分にとっては恋人、自分との境目がわからなくなり、それゆえ時にわかり合えなさに絶望してしまうこともあるけれども、一緒にいたいという気持ちが上回る限り、その厄介を引き受けつづけたい。
事前情報として知ってはいたが、それにしても藤井風のエンディングが神がかっており、びっくりしてちょっと涙が出た。

夜、同居人が割引のチキンとお寿司を買ってきてくれたので食べる。さながらクリスマスパーティー。


12月24日(日)

西宮ガーデンズでお互いのプレゼントを買って交換し、デパ地下でお惣菜とケーキを買って家で食べる、というプランを立て、その通りに実行したクリスマスイブ。

毎年わりと適当に過ごしてきたので、きちんとクリスマスをやるとこんなに疲れるのか……という所感もありつつ、存分にクリスマス気分を味わえて楽しかった……けど人混みに揉まれてすっかりくたくた。来年からはうちにいたい。オードブルとKYKの揚げ物をごはんと食べ、コーラで乾杯するところが我々らしい。
食後、ケーキを食べながらM1を見てげらげら笑う。お笑いにはまったく明るくないが、今年は特におもしろかった気がする。令和ロマンとヤーレンズ、カベポスターと真空ジェシカのネタが好きだった。

夜、aikoの配信ライブを見るも、我が家サイドの問題なのか何度も途切れたり止まったりし、も〜と思いながらソファで寝落ち。



恵比寿駅のホームで、なんだあれはめっちゃいい!と思った広告、やっぱりLUMINEだった。

ちなみに今年出会ったこれも大好きだった。
共有した友だちと二人で涙ぐんだ思い出。

座右の銘かもしれない。思い出にならない日を忘れないために、わたしは日記を書いているのだ。

明日はいよいよ仕事納め。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?