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ママのこと 2

こんにちは ゆかっぱです。続きです。

ママには更なる辛い出来事が待っていました。
当時お付き合いしていた恋人との別れです。

学生時代からお付き合いしていた彼とは
お互いに結婚を考えるようになっていました。
お相手のご家族にも可愛がっていただいていました。

しかし突然、お相手のご両親から
お付き合いを控えるように。
もちろん結婚はさせない。
と伝えられました。

母の出生に関することがご両親の耳に届いたのでしょう。
彼は駆け落ちを提案しましが、ママはお断りしました。
地元の名士の長男だった彼
家族想いの彼を苦しませたくはなかったのでしょう。

その後、兄の勧められるままお見合い相手と結婚。
それが私の実父です。

網元の次男坊。
長兄が家を継いでいるため、不動産業を営んでいました。
当時人気があった俳優にどことなく似ていたそうです。
そうです。相当な遊び人です。

そして結婚直後にはもう離婚を決めていたそうです。

程なく私を妊娠した母に一本の電話が。
母と結婚前から実父と交際があると言う女性からでした。
「あんたね、結婚しているからといって安心しないでね。
 私のお腹の中にも彼の子供がいるんだから」

「そう…あなたはどうしたいの?産みたいの?」

「当たり前じゃないの!あんたと見合いする前から付き合ってるんだから!
 彼は私の方を愛してるって言ってくれてんのよ。」

「ふーん、じゃ一緒に産もうよ」

「は?何言ってんのよ」

「だからね、二人で彼の子どもを産もうよ。
 あなたが産んだ子どもも私が育てていくから」
母は本気で提案したそうなのですが
その後、彼女からの連絡は来なくなったそうです。

肝の座り方が段違いでしたね。
脅かした相手が悪かったですね。残念。

「ま、色々あったけどこれが一番面白かったかな」
それから20年以上経った頃、笑いながら私に話してくれました。
うん、色々ありそうですよね。
他のエピソードも怖いもの見たさで聞いておけば良かったのかも。

「さっさとお腹の子どもを始末して離婚しろ」そういう人達も
少なからずいたようです。
私も思います。
もしママが私を産まずにいたら、もっと違う人生があったのではないかな?って。
なぜ、私をリセットする道を選ばなかったのか。

もしかしたらママも
祖母に対して同じ事を思ったはずです。
「どうして私を産んだの?」と。

ママと私の答えはおそらく一緒でしょう。
どんな辛いことがあろうとも
生まれてきて良かった。
そう思っています。

そして生まれてきた命は
私の救いであり、喜びであり、
親友で、戦友で、時には指導者だったり。
かけがえのない存在なのですから。

話を戻しましょう。
離婚は簡単にはできなかったようです。
ママが舅姑関係が良好過ぎたこと。
実父とは縁を切るから養子にしたいと言われたそうです。

また、生来の遊び人の実父ですが
ママと離婚すると、自分が勘当されてしまう事
生まれてきた我が子に対して何かしら感じる事もあったのか
(少しぐらいあって欲しいと思う願望です)
離婚はしないと言い出しました。
「離婚するなら子どもは渡さない」
そういう実父に
「心臓が悪く、余命幾許もない婆さんから
 可愛い孫をとりあげるおつもりかい!?
 この子と離れたら、私は死んでしまう。
 あんたは人殺しになりたいのかい?」
祖母がそう凄んだそうです。

祖母のおかげかどうかはわかりませんが
離婚はできました。
私の親権をママに渡す代わりに
慰謝料、養育費一切無しという条件で。


ここからママは私を連れて上京します。
この時23歳
私は生後3ヶ月。

続きます。
また読んでいただけたら嬉しいです。



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