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パン距離恋愛してる話

ちょっとおかしな話なんですが、私はパンと恋愛をしています。

いきなりの文章が「頭ぶっ飛んじゃってる」って思うと思いますが、私はこの文章を真顔でタイピングしている。真面目な話なんです。

私はパンと恋愛をしています。

一人暮らしのこの家を選んだのも、近所に大好きなパン屋さんがあったから。ここならば雨風吹いても嫌になるほどの距離でなく、いつでも思い立った時には、パンを買いに行けるから。(※詳しくは下記の記事参照)

恋愛もパンも、それ以外の食べ物もそうなんだが(同等なのは気にしないで欲しい)想ってしまうと、好きな彼(パン)のことでいつもいつも頭がいっぱい。いつもいつも食べたくてうずうずしてしまう、食に対する異常なまでの執着と変態癖がある(のを自覚している)。

それは地元東京だけではなく、まるで一昔前のプロスポーツ選手にいると噂されていた、"現地妻"の様に全国各地にお気に入りのパン屋さんがある。旅先で訪れては、ファンになり、また食べたくて旅に出る。そんな暮らしを2020年前まではしていた。

でもコロナが訪れて一変

私の現地妻ならぬ、全国各地の現地妻パンが食べられない時期が続いた。そんな中、現地妻パンのひとつ香川県・男木島にあるダモンテ商会が昨年末から定期便を始めてくれた。

ダモンテ商会のパンは、私が知る限り日本で一番おいしくて、もっちもちパリパリ、程よい酸味の高加水パンを作っているお店。そして日本で一番「循環」を意識した土壌・種作りからパンを作っている、愛おしい人たち。(※ダモンテ商会を訪れた時の変態日記は下記記事から)

初めて男木島を訪れてから香川に行く度に購入しているほど。もう、恋をしてから数年の関係になっている。

そんな順調な恋愛の途中に、コロナが訪れて、私たちは口福を交わすことなく寂しい日々を過ごしていた。けれども、そんなところに朗報「定期便」の登場。パンだけでなく、スイーツもおいしいダモンテ商会から毎月5,000円分のラブレターが届くのだ。

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これは1月分の定期便の内容。12月の定期便は届いてからあまりに興奮して、写真に収めることなく、光の速さで完食。それはまるで、長い間会うことができなかった遠距離恋愛のカップルが、再開を果たすなりたちまち熱くなる時の様(ちなみに遠距離恋愛はしたことがない)。

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パンだけでなく、パンと一緒に楽しめる瓶ものやおやつなんかも入っている。そしてどれもこれも全て手作り、余計なものは一切入っていない。男木島の自然の美味しさがぎっしり詰まっている。

コロコロとした瓶が増えていくのが嬉しくて、スノードームの様にひたすら眺めている。そして1月はまさか「猪肉のリエット」が入っていて(猪はもちろん男木島の野生の猪)、東京では決して出会うことができない味に、感涙しながらあっという間にひと瓶を食べ尽くした。空っぽのスノードーム。

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それに加えて1月は生みたての「オーガニック卵」まで。パンだけでも定期的に届くのが嬉しいのに、猪に卵に。大盤振る舞いで心配になる程。じつは鶏が育っている様子と、なかなか卵を生まないな〜なんて様子までインスタグラムで見ていた私。やっとの思い出きっと産んでくれた鶏さんたちのお裾分けをいただいた様で、これまた感涙。大事に大事に食べています。

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ゲージフリーで餌もおいしいご飯を食べて、すくすく育った鶏さんが産んでくれた卵。こんなに贅沢な卵は東京中を探しても見つからないはず。そしてお味はすでに2021年ベストオブ卵。次回の定期便に入っているかは不明、だってそれは鶏さん次第。そう、全ては自然に委ねられているのです。

海笑さん・祐子さんご夫妻から毎月入っている手書きの手紙も、密かな楽しみ。世の中がどんどんデジタルになっている中で、これまでは何とも思わなかった、自然からいただく恵や人の温かさを贅沢と感じることに気が付く定期便。

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そんな遥か遠く、瀬戸内から届くラブレターの数々を噛み締めながら1ヶ月、そしてまた1ヶ月と私は遠距離恋愛ならぬパン距離恋愛を続けていくのです。


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