藻谷ゆかり|巴創業塾主宰 経営エッセイスト

「起業X事業承継X地域活性化」の講演を全国で展開中。新潮社から「衰退産業でも稼げます」…

藻谷ゆかり|巴創業塾主宰 経営エッセイスト

「起業X事業承継X地域活性化」の講演を全国で展開中。新潮社から「衰退産業でも稼げます」を出版。東京大学卒業後、金融機関に入社しハーバードビジネススクールでMBA修了。1997年にネット通販会社を起業し2018年事業承継。2002年に家族5人で長野県に移住。

最近の記事

「長野県には台風が来ない」伝説

巴創業塾主宰の藻谷ゆかりです。台風19号で被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。私も長野県在住なのですが、「長野県には台風が来ない」という伝説を信じておりました。というより信じようとしていました。こういう状況を災害心理学では「正常性バイアス」といって、災害時などで都合の悪い情報を受け取らず「自分は大丈夫」と信じてしまう心のメカニズムがあるそうです。 冒頭の写真はnaverまとめサイトからお借りしたもので、2013年の台風26号が長野県には来ないとテレビ放映された

    • 地産外招のコツ

      10月4日に私が住んでいる長野県東御市で「くるみの収穫祭」が開催されました。東御市は国産くるみの産出量が日本一と言われ、あちこちにくるみの木が植えられています。上の写真はくるみの実を割ったところで、この緑色の実を割ると殻付きの状態のくるみがあります。 くるみの収穫祭では、木の上にこんな風になっているくるみの実を竿で叩き落して実を割って「殻付きのくるみ」を取り出すというのがくるみの収穫祭です。参加費は1200円で約1kgのくるみを持ち帰ることができます。今年は約160名の参加

      • 経営とアートのSOZO展

        ご案内が大変遅くなってしまいましたが、9月1日から23日まで長野県東御市の梅野記念絵画館で「経営とアートのSOZO展」を開催しています。(9月17日火曜日は休み) 「経営とアートのSOZO展」を開催するきっかけは、中学の同級生で陶芸アーティストの須斎尚子さんと、私の著作「衰退産業でも稼げます」の隠れテーマである「風と土」について何かできたらいいねという話し合いから実現しました。 「経営とアートのSOZO展」では、双方向型の美術鑑賞を目指していて例えば作品にタイトルがついて

        • 正しい努力の測り方 KPI

          7月28日に長野県松本市の信毎メディアガーデンで、講演会を自主開催し30名の方にご参加いただきました。上の写真はその時のものです。 先回のnote では「正しい努力」について書いたのですが、今回は「正しい努力の測り方」として、KPIについて書いてみたいと思います。 KPIとはKey Performance Indexのことで、企業の業績達成度の評価基準です。ここで問題になるのは「何をKPIとするか」ということで、これこそ経営課題そのものといえます。つまり売上高とか売上高費

          軌道に乗るまで、正しい努力をし続ける

          巴創業塾主宰の藻谷ゆかりです。「起業X事業承継X地方創生」についての本の執筆と講演業をしています。5月に新潮社から「衰退産業でも稼げます」という衝撃的なタイトルの本を上梓してから、各地でブックトークイベントを開催しています。 初めてのビジネス本にもかかわらず、幸運なことに6月27日に「銀座蔦屋書店」でブックトークイベントを開催し40名を超えるお客様にご参加いただきました。 写真は7月11日に六本木ヒルズのPARK6でのトークイベントで撮影しました。この時は私の本に事例とし

          軌道に乗るまで、正しい努力をし続ける

          SDGsと「衰退産業でも稼げます」

          先日、「スモールビジネス・起業経験について」というテーマで、大学の同窓の女性15名にお話しする機会がありました。講演会ではなくサロンという形式で夕食をとりながら、私の起業経験や私の新刊「衰退産業でも稼げます」(新潮社)のテーマなどについてお話させていただき、参加者の方々の様々な質問にお答えしました。 国連広報センターに勤務する方から「この本のテーマである事業承継や地方創生は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)とも関連している」という指摘があり、私にとっては思いがけないこと

          経営で一番大事なプライシングのお話

          巴創業塾の藻谷ゆかりです。「起業 X 事業承継 X 地方移住」についての執筆と講演活動をしております。その前までは21年間インド紅茶の輸入・ネット通販会社を経営しておりました。 起業して21年間小さな輸入商社・ネットショップを経営したのですが、経営で一番大事なのはプライシング(価格付け)です。もちろん最初にどんな財・サービスを提供するということがありますが、それでもプライシング次第で、売れるものも売れなかったりします。価格を安くしたからといって、売れなかったりもします。この

          経営で一番大事なプライシングのお話

          「稼ぐ」と「儲ける」の違い

          巴創業塾の藻谷ゆかりです。暑かったり寒かったり、そして梅雨に入って体調も崩しがちですね。 5月30日に新潮社から「衰退産業でも稼げます 代替わりイノベーションのセオリー」という本を出版しました。本の内容については、東洋経済オンラインに「代替わりはイノベーションのチャンス」というタイトルで記事を掲載していますので、ご覧ください。 https://toyokeizai.net/articles/-/284514 本のタイトルにある「稼ぐ」ですが、私は結構好きな言葉です。「稼ぐ

          起業における2つのベクトル#3|キャピタル・ゲインかインカム・ゲインか

          巴創業塾の藻谷ゆかりです。 note を書く間隔が少し空いてしまい申し訳ございません。実は5月30日に私の本「衰退産業でも稼げます 代替わりイノベーションのセオリー」が発売され、その前後はちょっと取り込んでおりました。アマゾンで発売されておりますので、ぜひご一読ください。おかげ様でアマゾンの売れ筋ランキング「企業動向」で3位になっています。(現時点) https://www.amazon.co.jp/dp/4103526416/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U

          起業における2つのベクトル#3|キャピタル・ゲインかインカム・ゲインか

          起業における2つのベクトル#2|シリコンバレーかナパバレーか

          10連休明けで、なんかペースがつかめないという方も多いかと思います。私は曜日感覚がなくなり、今朝のゴミ出しはダッシュしてセーフでした。 さて、先週のnoteで書いた「起業における2つのベクトル」、ベンチャー型かスモールビジネス型かの続きです。 タイトルにあるように「起業における2つのベクトル」は、シリコンバレーの企業のように「全人類が使えるユニバーサルな財・サービス」を生み出すのか、ナパバレーのワイナリーのように「特定の人を対象としたローカルなビジネス」なのかという2つの

          起業における2つのベクトル#2|シリコンバレーかナパバレーか

          起業における2つのベクトル #1

          令和元年5月1日からnote で起業や事業承継についてのお話を書き始めます。 私は1997年にインド紅茶の輸入・ネット通販会社を起業し、21年間経営しました。過去形なのは、2017年3月に事業譲渡したからです。事業譲渡した理由は、週一回昭和女子大学グローバルビジネス学部で「スモールビジネス論」を教える経験をして、自分のビジネス経験を人に伝えることの方が、このままビジネスを続けるよりも意義を強く感じるようになったからです。 21年間の会社経営の間には公私ともにいろいろとあり