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眼症状がなければ、あなたを好きになれたのに。

私はアルビノという、割と珍しい遺伝子疾患をもっている。アルビノは外見が真っ白いことで有名だけど、実はそれだけじゃない。

外見は真っ白の人もいるし、そうでない人もいる。髪の色が濃いめのアルビノの人も、いる。私です。

外見と皮膚症状がとても有名だけど、アルビノに弱視を伴うことが多い事実についてはあまり知られていない。弱視だけではなく、眼振(目が揺れること)、羞明(眩しさを強く感じること)などなどがある。

正直なことを言おう。私はぶっちゃけ外見と皮膚症状はあまり気にしていない。

この色気に入っているし、何か言ってくる人がいたらそれはその人が悪いんだし。日焼けについては、小中高まではそれなりに苦労したけど、朝出勤したきり夕方までほぼ外に出ない、みたいな仕事をしているので、海水浴に行きたくならなければ別にって感じだ。

勿論外見や皮膚症状での苦労がないとは言わない。この外見でアルバイト落とされたし、皮膚症状があるからと応募すらしていない仕事というのは、ある。でも、外見については落とす方が悪いと思っているし、皮膚症状についてはまあ仕方ないよねと思っている。

だが、眼症状、君だけはダメだ。許せない。眼症状がなければ、なれたかもしれないものはいっぱいある。車の免許だって取れた。

そういう、眼症状がなければ手に入ったかもしれないものに、私はいつだって焦がれている。本当に、身を焼くようだ。

可愛いライトグリーンの車を運転して、駅から離れた隠れ家的カフェに行けたかもしれない。友達と交互に運転しながらドライブできたかもしれない。ゲームの小さな変化に、気づけたかもしれない。

そういう、"当たり前"を眼症状はは私から奪い去っていったし、これからも奪い続けていくんだ。それが、許せない。

アルビノのことは半分好きで、半分嫌いだ。好きな理由は外見で、嫌いな理由は眼症状。視力2.0とか贅沢は言わないから、1.0くらいのブレなくて眩しくもない世界をいつか手に入れたい。

※アルビノ当事者によって考え方は違うので、雁屋優の考え方として記録しておきます。

執筆のための資料代にさせていただきます。