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MLBの衝撃

MLB/HOU AstrosのVPレベルと会話したが、その中で衝撃だった同チーム取り組み(特にアナリティクスに関して)が多数あったので、この情報が日本のスポーツ界発展に寄与する事を願い、共有したい。 アストロズ、あまり好きでないが(スキャンダルがあったので。。)すごいぞ!


1) チーム編成部隊は皆コーディング可能

ベースボールオペレーション部隊(チーム運営・編成)のスタッフは「皆」コーディングができ、基本アナリティクス、スカウティングに関わる分析は全てインハウスで彼らが分析している。そして、新規社員を雇用する際は、コーディング技能が見られると。

2) データアナリストは基本皆インハウ

現在本邦でもデータ分析のアウトソーシング企業が増えているが、アストロズはアナリティクスが勝敗・商売の両方にとって極めて有益と考えている為、この機能は原則外注一切せず、全てインハウスで行っていると。


3) 若手のスカウトは一部派遣するものの、基本オフィスでのスカウティングをメインに

高校・大学野球においてもデータが豊富な米国においては、まずは再現性を高い分析・スカウティングを可能にするため、オフィスでまずそれら選手のデータを深く分析すると。ただ、やはりスカウトの中には目視で一瞬で選手を見抜ける人がおり、そのスカウトは代替不可と評価され、高い待遇を払ってチームに残している(金額不明も数千万円/年の中盤か?)。
ただ、スカウトの多くの機能を再現可能にするべく、(特に海外スカウトに関しては)データをなるべく活用したスカウティングに注力している。

4) データ分析/統計学による明確なドラフト戦略を

Astrosでは米国で好まれる高校生ドラフトより、大学生を好む傾向にあり、これもデータ統計上そちらの方がチームとして選手育成が早く、また活躍しやすいと認識しているからと。そしてその将来性が分かりやすい大学生を上手に育成システムで育てると。

5) テック導入には積極的

野球は米国でもとても古いスポーツだし、観客も古い(50-70才がメイン)がそこにテックを導入することを積極的に行っている。選手・観客双方のデータを理解できないと、最高のサービスを提供できないと思っており、そのために積極的にデジタル化をしている。
勿論彼らへの教育は時間がかかるし大変であるものの、米国人は新しいものを楽しむ傾向にある為か、その世代もその変化を楽しんでいる。
少し異なるが、1つ面白い例としては、最近VR育成サービスのWin Realityが特にユース/高校/大学世代で導入されており、そこからのデータをチーム内スカウトが活用していると。
なお、現在ビジネス部隊の目標は、ファンの数を300万人にすることで、それをしっかりと収益を出しながら(予算の制限)実現するにはテクノロジーの導入が不可欠。なので、テックの導入をビジネスサイド、ベースボールオペレーションサイド両方ともに積極的に実施している。

6) DXの進化スピード

15年当時、前田健太が所属したMIN Twinsが紙媒体のチケットのみを活用したMLB 最後のチームだった。
同年Astrosは全体の9%程度がデジタルチケットだったが、それが7年で97%まで増加。やはり電子化にトライすることが大事。

人は変化を好まないという特性があるが、良いことは強制力を持ってでも遂行するのが大事。

いかがだっただろうか、今回はAstrosのアナリティクス、テック導入について説明したが、何か学びがあっただろうか。ぜひ何かこれが日本に生きると嬉しい。

補足: 本内容はアストロズ担当者の許諾を得て共有していますよ〜

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