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BIG LITTLE LIESで昔の自分に会った。

ビックリトルライズを見た。

ニコール・キッドマン、リース・ウィザースプーンが出ている海外のドラマ。ELLEの中で紹介されていてとても気になっていた。

公式サイトに書いてあるあらすじはこうだ。

舞台はカリフォルニア州モントレーの高級住宅街。美しい景観と立ち並ぶ豪邸、ビジネスで成功する夫、そして可愛い子どもたち。しかし、ある日、子どもたちの通うエレメンタリースクールの行事で謎の事件が起こる。事故か? 殺人か? 始まりは6ヵ月前の入学オリエンテーションに遡る。子どもたちのささいなトラブルをきっかけに 炙り出される、偽りに彩られたママ友たちの赤裸々な裏の顔。母親たちの競い合い、父親たちのいがみ合い、街中に撒き散らされるゴシップ…。
子育て、不倫、DV、離婚など、夫婦間において女性が抱える悩みや秘密、闇を描き出す一方、誰が‟加害者”で、誰が‟被害者”なのかが 次第に解き明かされていくミステリアスな展開にも目が離せない。

殺人事件が話の軸になって進んでいくのだが、その裏にある、みんなが生活で抱えるいろんな葛藤の書き出し方がとても良かった。

一見、現実離れしている話だけれど、私にとっては自分のことを見ているようで、見進めていくうちに、あまりのダメージに体が耐えられなくなって、吐き気が込み上げてきた。

別にセレブなわけでもなく、確執のある小学校に通っていたわけでもない。ただ、セレステとペリーの置かれた夫婦関係は以前のわたしが置かれていた夫婦関係のそれと全くと言っていいほど同じだった。

私は23歳の時に結婚をした。結婚をした年には子供が生まれたし、特に問題ない生活を送っていた。元旦那さんに関しては、怒ったら口調がすごく強くなることと、強めの束縛はあったけれどそれだけだった。愛情表現の不器用な人なんだと思っていたのだ。初めて暴力らしい暴力を振るわれたのは、北京で生活している時だったと思う。原因は松田龍平だ。私がもともと松田龍平を好きだったのを彼は知っていたが、それを話題に出したことはなかった。ある日、テレビに写っている松田龍平を見て「私、松田龍平が好きなんだよね」と言ったのが喧嘩のきっかけになったのははっきり覚えているが、それ以降のことは覚えていない。気付いた時には顔を殴られていて、白目の部分から出血してしまい、しばらくは外に行くのも気がひけるぐらいだった。偶然あったひとに「どうしたの」と聞かれたときは、「偶然肘が目に当たっちゃって」と答えた。それから、たまに喧嘩をすると暴力を振るわれるようになった。暴力を振るうときは決まって他の男の話をしたときだった。あるとき、顎を殴られて口が開かなくなり、初めて病院に行った。そのときは北京いたので、一人では病院に行かせてもらえずに、一緒に病院へ行った。今思うと、私が変なことを言うのを阻止するためだったのではないかと思うけれど。その時も殴られたとは言わずに、「当たってしまった」と言う答え方をした。そのあと、診察室から私を外に出して、先生は彼と二人きりで話していた。そして、診察室から出てきた彼に、「女の人を殴っちゃダメだよ」って注意されたんだけどと言われたのを覚えている。

そのあともいろんなことがあったが、結婚生活の中で、旦那さんに殴られることが度々あるという話をした人は一人もいない。暴力を受けていると知られるのが恥ずかしかったし、自分が無力だと言うことを認めるみたいで嫌だった。

ドラマの中でも、そう言うシーンが出てくる。

セレステはペリーからの暴力を認めようとはしなかったし、離婚しようとも、はじめのうちは思っていなかった。その気持ちは痛いほどよくわかる。

ネタバレになってしまうので詳しくは書かないが、最終話でセレステとペリーが車の中で二人きりになるシーンがある。その時のセレステの気持ちを思うと、吐き気がして、そこから先のシーンを見るのに、すごく時間がかかった。

狭い密室には今でも元旦那とは一緒に入れないと思う。相手が何をするかわからないし、殺されてしまうんじゃないかと今でも思うことがある。元旦那は今でも私の人生を支配しようとしているんじゃないかと恐怖に感じる。

今では、幸いなことに、優しいパートナーに恵まれていて、毎日安心して暮らしている。とても小さな優しさが私にとってはとても大きな優しさに感じるのだ。


今になって思うことがある。それは、自分は無能ではないし、非力でもないと言うことだ。暴力や恐怖で支配されている時は、本当に自分が無力に感じるが、社会に出て見ると、自分にはちゃんとしたスキルもあるし、生活能力も生きていけるだけはあるんだということがわかったから。離婚して本当によかったと思う。

そして、こんな私を受け止めてくれているパートナーに心から感謝している。


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