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【読書感想】「嫌なら辞めれば?」に苦しんでるあなたに送る1冊

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、上西充子(著)『呪いの言葉の解きかた』です。

言葉には様々な力があり、それによって僕たちは元気づけられたり、嬉しくなったり、幸せな気持ちになったりします。反対に、悲しい気持ちになったり、傷ついたりします。

このように言葉には大きな影響力がありますが、本書では言葉の持つ負の力とそれに対抗するための方法が紹介されています。

本の内容

まずは、タイトルになっている「呪いの言葉」が意味する内容について確認します。

呪いの言葉はこのように定義されています。

「呪いの言葉」は、相手の思考の枠組みを縛り、相手を心理的な葛藤の中に押し込め、問題のある状況に閉じ込めておくために、悪意を持って発せられる言葉だ。

本書ではこうした呪いの言葉を、「労働」「ジェンダー」「政治」の3つのテーマに分けて、それぞれを見ていきます。

その一例が、「嫌なら辞めればいい」です。労働において、パワハラがあったり、残業代がきちんと支払われなかったり、という問題が往々にしてあります。こうした問題に対して声を上げると、必ずと言って良いほど「嫌なら辞めれば」という言葉が投げかけられます。

「嫌ならやめればいい」と言う人は、残業代をきちんと払わないことや、パワハラ、セクハラを行う人には目も向けません。この言葉には、問題に対して声を上げる人のほうに原因があり、そうした状況を作り出している側に問題があることを気づかせないようにする狙いがある、と上西さんは言います。

このように、呪いの言葉を言われたときに大切なのは、相手の土俵に乗らないことが大切だと言います。相手の土俵に乗るとは、「嫌ならやめればいい」と言われたことに対して、実際にやめてしまうことを指します。

そうではなく、相手の発する言葉と心理的に距離を取り、相手の土俵に乗らないことが重要であると上西さんは述べます。

読んだ感想

上西さんは「呪いの言葉」の要素として、「悪意を持って発せられる」ことを挙げていますが、僕は必ずしもそうとは限らないと思いました。つまり、悪意ではなくむしろ善意で言っている場合もあるのではないかと思いました。

当人としては、善意で言ったとしても結果的に相手の思考を縛ったり、心理的に苦しめる言葉もあるのではないでしょうか。その一例が僕は、「あなたのために」とか「あなたの将来のために」という言葉だと思います。これらの言葉は実際に僕が言われた言葉になります。

この場合、確かに悪意を持って言っていることもあるかもしれません。しかしながら、善意で言っている場合も多いと感じます。

また本書では、解決策として「相手の土俵にのらない」ことを挙げていましたが、これもいきなりは難しいことだと感じました。というのも、日常には「呪いの言葉」が溢れていますし、「嫌ならやめればいい」のようにそれとはすぐに分からないような言葉もたくさんあるからです。

まずは、それが「呪いの言葉かどうか」を判断することから始めるのが良いと思います。

その点、本書ではただ単に「呪いの言葉」とそれに対する対応を載せているだけではありません。「呪いの言葉」のどこが呪いなのか、言い換えればその言葉がどのように相手の思考を縛るのかが徹底的に解説されています。

そのため、本書を読むだけでもかなり参考になりますし、これから先、「呪いの言葉」を言われたときに、異なる視点から考えられるようになると思いました。

終りに

これを読んで頂いているあなたも、これまで「呪いの言葉」を何度か投げかけられたことがあるのではないでしょうか。もしかしたらその時、どうしたら良いか分からず、ただ苦しむことしかできなかったかもしれません。

そんな人にぜひ本書を手に取って読んでいただきたいです。この本を読んでくれたあなたが、この先苦しまなくて良くなること願っています。


ここまで読んで頂きありがとうございました!





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