マガジンのカバー画像

人と組織のポテンシャルを探求する読書記録📚

32
ソース原理(Source Principle)、ティール組織(Reinventing Organizations)、ファシリテーションといった人や組織のポテンシャルを発揮する哲学… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

【書籍紹介】『私発協働のまちづくり―私からはじまる子どもを育む地域活動』

京都は花園大学の深川光耀さんから『私発協働のまちづくり―私からはじまる子どもを育む地域活動』をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 2000〜2010年代の京都市では、市民の主体的なまちづくりを推進する事業(京都市未来まちづくり100人委員会等)が実施されていましたが、その頃からのご縁や関連する取り組みが書籍としてまとめられ、手元に届いたことがとても嬉しいです。 今回は、本書に関して関連しそうなテーマも合わせてご紹介できればと思います。 『私発協働』とは?本書に

【書籍紹介】学び3.0―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦

「地域を旅する大学」さとのば大学発起人・信岡良亮さんの新刊『学び3.0 ―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦』をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 今回は、ご恵贈いただいた本書『学び3.0 ―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦』について、前提となる背景を含めご紹介できればと思います。 さとのば大学とは?株式会社アスノオト代表の信岡良亮さんが発起人である「さとのば大学」は、2019年に社会人向け市民カレッジとして生まれ、2021年以降は

【書評掲載】エイミー・C・エドモンドソン『恐れのない組織』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1134号

4月からの新たな取り組みとして、産労総合研究所が発行している専門誌『企業と人材』の書評コーナーの連載を担当することとなりました。 『人と組織の力を高める人材開発情報誌』である本誌ですが、『人を活かす組織づくりのヒント』と題して毎月、関連する書籍を紹介予定です。 第1回に取り上げたのは、エイミー・C・エドモンドソン著『恐れのない組織―「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(英治出版)です。 『企業と人材』は毎月5日に発行予定ですので、書評コーナー以外もぜ

【読書記録】エフェクチュエーション-優れた起業家が実践する「5つの原則」

今回は、2023年8月に出版された吉田満梨、中村龍太著『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(ダイヤモンド社)の読書記録です。 本書は、アントレプレナーシップ及び「起業家個人の意思決定」の研究に従事しているサラス・サラスバシー教授(Saras D. Sarasvathy)によって提唱された『エフェクチュエーション(実行理論:Effectuation)』という思考様式の入門書です。 本書『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

【読書記録】トランジション―人生の転機を活かすために

今回の読書記録は、2014年に出版されたウィリアム・ブリッジス著『トランジション―人生の転機を活かすために』です。 本書は、アメリカの著名な著述家であり教師、コンサルタントであるウィリアム・ブリッジス氏(William Bridges)が1980年に出版し、全米でベストセラーとなった『Transitions: Making Sense of Life's Changes』改訂版(2004年出版)の邦訳書です。 ウィリアム・ブリッジス氏の唱える『トランジション(Transi

【読書記録】コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装―スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04

今回の読書記録は、SSIR Japan編『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04―コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装』です。 今回の読書記録では、『コレクティブ・インパクト』という概念を提唱し、広く世に伝えたにジョン・カニア氏(John Kania)とマーク・クラマー氏(Mark Kramer)が共著者として加わっている論文を中心に読み解き、コレクティブ・インパクトとは何か?についてまとめていこうと思います。 本書の構成本書『スタンフォー

【読書記録】これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10

今回の読書記録は、SSIR Japan編『これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。―スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10』です。 今回の読書記録では、本書に収録されている論文『ソーシャルイノベーションの再発見: 誰が未来をつくるのか(Rediscovering Social Innovation)』を中心に読み解き、そもそもSSIRの言う『ソーシャルイノベーション(Social Innovation)』とはどういったものか?について

【読書記録】結婚生活を成功させる七つの原則

今回の読書記録は、ジョン・M・ゴットマン著『結婚生活を成功させる七つの原則(原題:The seven principles for making marriage work)』です。 本書は、ワシントン大学の心理学教授であり、シアトル結婚・家族研究所の所長でもあるジョン・M・ゴットマン博士による一冊です。 ゴットマン博士はワシントン大学の構内にラブ研究所(Love Lab.)と名づけた施設を設立し、16年間で1000組以上の夫婦を面接、そのうち650組の夫婦を14年間追跡

【読書記録】不確実な世界を確実に生きる―カネヴィンフレームワークへの招待

今回の読書記録はコグニティブ・エッジ、 田村 洋一著『不確実な世界を確実に生きる―カネヴィンフレームワークへの招待』 です。 カネヴィンフレームワークとは?カネヴィンフレームワーク(Cynefin Framework)は、ウェールズの経営コンサルタント、複雑性科学の研究者であるデイヴ・スノーデン氏(Dave Snowden)らによって開発された、世界の物事の捉え方に関するフレームワークです。 カネヴィン(Cynefin)とは、ウェールズ語で「生息場所」「自分の居場所である

【読書記録】対話型ファシリテーションの手ほどき

今回の読書記録は、認定NPO法人ムラのミライ代表理事・中田豊一著『対話型ファシリテーションの手ほどき』です。 対話型ファシリテーションとは?本書は、認定NPO法人ムラのミライ(旧団体名:ソムニード)が開発したメタファシリテーション®を学んだ際に紹介いただいた一冊です。 対話型ファシリテーションとはメタファシリテーション®︎の別名であり、ムラのミライでは以下のように紹介されています。 このメタファシリテーション®︎を紹介している書籍として、『途上国の人々との話し方―国際協

【読書記録】前編:A little red book about source:Liberating management and living life with source principles

今回の読書記録は、2020年9月に出版された、Stefan Merckelbach(ステファン・メルケルバッハ)の『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles(ソースに関する赤い冊子:経営を解き放ち、ソース・プリンシプルを携えて生きる)』です。 本書を読む上での前提共有本書で取り上げられる『ソース原理(Source Principle

【読書記録】『Work with Source(すべては1人から始まる―ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力)』

今回の読書記録は、2021年3月に出版された、Tom Nixon(トム・ニクソン)『Work with Source: Realize big ideas, organize for emergence and work artfully with money(『ソースを活用する:大きなアイデアの実現、創発の仕組み化、そして、賢くお金を使うために)』および、 2022年10月26日に出版された『Work with Source』の邦訳版である『すべては1人から始まる―ビッグ

【読書記録】世界で一番親切なまちとあなたの参考文献〜人見知りで世間知らずな俺がまちづくりを始めて20年が経ったんだが

今回の読書記録は、私の友人であり、まちづくり活動において先輩にあたる谷亮治さんの『世界で一番親切なまちとあなたの参考文献〜人見知りで世間知らずな俺がまちづくりを始めて20年が経ったんだが』です。 谷さんの著作はこれまでの書籍を含めて三冊あり、これらを今の私の立場から読み解こう、という思いつきからまとめ始めました。 一冊目は、『モテるまちづくり:まちづくりに疲れた人へ。 (まち飯叢書)』 二冊目は、『純粋でポップな限界のまちづくり: モテるまちづくり2 (まち飯叢書)』

【読書記録】純粋でポップな限界のまちづくり: モテるまちづくり2 (まち飯叢書)

今回の読書記録シリーズは、私の友人(と思っている人)であり、まちづくり活動において先輩にあたる谷亮治さんの著作の三冊を、今の私の立場から読み解こう、というものです。 今回の『純粋でポップな限界のまちづくり: モテるまちづくり2 (まち飯叢書)』は、その二冊目に当たります。 前作は、『モテるまちづくり:まちづくりに疲れた人へ。 (まち飯叢書)』 三冊目に、昨年の2020年12月に出版された『世界で一番親切なまちとあなたの参考文献-人見知りで世間知らずな俺がまちづくりを始め