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からの背表紙

この頃金沢21世紀美術館のブックライブラリで建築の本を読み漁っている。読み漁ると言っても選ぶ時間の方が長いのだけれど。

探せど探せど背表紙には興味をそそるタイトルしか見受けられない。逆に選ぶことができない。

しかしある本の前で手が止まった。
そこには何も書いていなかった。
いや、正確には書いてあったのであろうが、
背表紙が日に焼けて何が書いてあるのか分からなくなっていた。それがとてつもなく気になった。
気づいたら手に取っていたのだ。

与えられているものの中に、
与えられていないものがあると人は手に取ってしまうのだと学んだ。

「ない」ということは「ある」から生まれるとよく聞く。

僕が見た本の背表紙には確かにタイトルがなかった。けど、それが気になって手に取った事実は確かにある。

ということはそもそも物にタイトルや名前なんてものは必要ないのかもしれない。

いや、それは飛躍しすぎだな。

なにせ僕は、からの背表紙に惹かれたのだ。

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