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太陽系儀を作ってみました!


〜 太陽系儀と、ちょっとフシギなエピソード 〜

自宅の天井に ミニ太陽系 が出現 !


日々の惑星観察の目安に、惑星の位置を自在に調整できる太陽系儀が欲しいなと思いつつ、天井から吊るせる太陽系の巨大なモビールにも憧れていたので、そうだ! 自分で理想のタイプをこしらえてしまおう⭐︎ ということに。

モビールのように天井から吊るせて、
現実と同じ惑星の位置関係にその都度動かせて、
太陽は無理でも、惑星間の距離と大きさの比率はできるだけ実際の値に近く、
地球以外は、肉眼で観察できる惑星のみ。つまり、金星、火星、木星、土星まで。

こうした条件で、材料になりそうな品を百均で物色したら、

太陽系儀の土台
・珈琲用ドリッパー(ステンレス製)
 折り畳み式で、ぐるぐる渦を巻いているタイプ

木星と土星の支え
・バーベキュー魚焼き用30cm長さの串(ステンレス製)

地球と火星の支え
・自在に曲げられるワイヤー(アルミ製)

木星と土星の本体
・直径 10 cm と 8.5cm の発泡スチロール玉

以上を見つけました。しめて550円也。
購入を目論んでいた既製品のモビールは3万円くらいでしたので、タダ同然と言えましょう。

地球と火星は、手持ちの宇宙ペンダント、金星は、ビーズを、土星の輪には、透明と、透明カラーのクリアフォルダーを使用。

ロフトの天井に埋め込まれている照明を太陽に見立て、その枠に珈琲ドリッパーがパカンと、ぴったりはまりました。たまたま見かけたドリッパーがアレンジに良さそうだっただけで、円形で軽め、各惑星のワイヤーを支えられそうな物なら、アルミのカゴとかザルとか、工夫次第で何でも代用できるでしょう。

木星と土星に、嵐や縞模様を絵の具で描きます。
この太陽系儀の要は、何といっても巨大な木星で、かなり大雑把に塗ったのに我ながらリアルに仕上がり、大満足。
土星の輪は、円形にカットした透明と、赤透明のクリアフォルダーを3枚重ねてグラデーションをつけました。

そこに先の尖った魚串を刺します。太陽からの距離を考慮して、木星は思い切り深く、より遠い土星は浅く刺して調整しました。

ビーズの金星は、ドリッパーの渦巻きに直接入れ込み、円の中をぐるぐる移動できるように。他の星は、ドリッパーの中心に垂直に立てたアルミワイヤーの支柱に各々端を通します。
魚串は先端が尖っていて、反対側には何故か都合よく小さな穴が空いていたので、支柱に穴を通すだけで済みました。

どの惑星も、実際の位置に合わせて自在に動かすことができ、窓からの風に僅かに揺れたりもします。


完成した模型

金星は太陽に近過ぎて、写真では見えにくくなっています。


おまけのフシギ話

ネットラジオのクラシックチャンネル(WRR)を気が向いた時にスマホで聴いたりするのですが、完成した太陽系儀を悦に入りながら撮影していたら、何と、ホルストの組曲《惑星》の〈木星〉が流れ出したのです! 

本当にびっくりしました。

あまりのタイミングの素晴らしさに、これはすごい、すごいぞ! と、夢中になって撮影を続けた次第でした。


そして後日、太陽系儀とは関係のない余談の余談ですが、似たような偶然が再び起こります。

我が家では日曜の朝の音楽はモーツァルトが定番で、爽やかで美しく気品のあるデジュー・ラーンキのピアノによる協奏曲やピアノ四重奏が格別のお気に入りなのですが、その日は一応、いつものネットラジオをかけつつ、

〜 今朝はバロックの気分だな。そう、バッハがいい。やはりあの曲でしょう♪   明るく清々しい日曜の朝に相応しい……、などとぼんやり考えていましたら、スマホから、まさに「あの曲」が流れ出したのです!

「嘘でしょ……」

ふと思った曲が、即座にドンピシャでかかるなんて。驚き喜びつつ、反面ゾッとしてしまいました。先日の〈木星〉のこともありましたし。

バッハ〈ブランデンブルク協奏曲 第5番〉。

学生時代にオケ仲間と遊びで良く弾いていた、慣れ親しんだ曲。明るい休日の朝の定番ということでかかったなら、偶然の納得もいきますが、放送局のダラスは土曜の夜ですし、本当に不思議でした。

そしてその後も、何気なく聞こえてきたメロディーが、次の瞬間ではなくも、何曲か後で流れたりと、似たようなことが多くなるのですが、思えば音楽以外でも以前から、ちょっとしたフシギは色々と起きておりました。
小説「10分未来のメッセージ」を地でいくような。
お読み下さった方はお分かりになりますね? 10分先ではなく、大抵は直後だったり少し後だったり。

既に決まっていることを何気なく感じとる。

こうしたことは、きっと原始の人間は持ち合わせていたものの、文明の発展と共に失われていった自然な感性で、決して特殊能力といった大げさな類ではないのでしょう。現代人の多くが「ただ気づいていない」というだけで。
邪念に支配されず、心が穏やかでピュアな状態でいられると、見えなかったもの、気づかなかった世界が見えてくるのかも知れません。好きな音楽を聴いたり、お散歩で自然に触れたり、川のせせらぎ、小鳥の声や風の唄に耳を傾けたり、壮大な宇宙に想いを馳せたり……。

先日の帰りの夜道では、夏の大三角形(ヴェガ、アルタイル、デネブ)が西に沈みゆく姿が前方に拝め、反対側、東の空からは全天の王者シリウスを下方に伴った、オリオン座も含む冬のダイヤモンド(プロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバラン、リゲル、そしてシリウス)が昇ってくるという、贅沢で素晴らしい光景が広がっていました。
織姫と彦星、そして白鳥を想いつつ、時々立ち止まっては上空のプレアデス星団を確認し(肉眼でもしっかり見えました!)、歩きながら振り返っては、雄大なオリオンや、シリウスの見事なキラキラにうっとりしたり。
星空を眺めながら歩くのは日常のことではありますが、住宅街でも人気のない夜道で、かなり怪しい行動ですね。
凛とした凍てつく寒さの到来と共に、星々の輝きもより際立ってくるのですから、それもまた、冬ならではの贅沢な楽しみといえましょう。

今や自宅では天井の太陽系儀をうっとり眺めているだけでも幸せですが、黄道の経路がちょうど通過して見えるロフトの小窓から、チラリと姿を見せて挨拶してくれる黄昏時の月や木星(とりわけ満月と木星が寄り添う姿は格別です)、そして明け方の金星も、宇宙からの素敵な贈り物。あたかもアンデルセンの「絵のない絵本」の美しい世界のようです。


天体観測手帳

天体観測の手助けとして、豊富な資料と共に宇宙へ導いてくれる、素晴らしい手帳を紹介します。

技術評論社から毎年発行されるポケット版で、月間 & 週間カレンダー、月ごと & 週ごとの星空や天体現象、日々の太陽や月の出没時刻、週ごとの惑星の位置や出没時刻、天文豆知識……etc. 情報満載、フルカラーの美しい手帳。

毎週の星空やトピックス


スケジュール部分も充実


毎年掲載される月面図で、月の海の名も覚えられます。晴れの海、静かの海、豊かの海……。おかげで月を眺めるのが、いっそう楽しくなりました。
天体観測手帳は、私にとっての長年に渡る重要なパートナーです。
そろそろ 2024年版が書店で平積みされ始める頃でしょうか……と、ここまで書いていた矢先、「来年の手帳、まだ買ってなかったら注文して送るね」と、離れて暮らす夫からのメッセージ。なんとタイムリーな⭐︎
翌日には Amazonから届き、この記事の公開にちょうど間に合いました。

2024年版


手帳の資料を目安に、太陽系儀を今の季節のおおよその位置に合わせてみました。

太陽を中心に、地球、金星、火星、土星が、大体 90度ずつ離れた方向という分かりやすい配置です。写真の右上方手前が地球、真反対、太陽の向こうに火星。右端に太陽光に溶け込んだ金星、その真反対が土星。木星は土星と地球の間の角度に位置していますね。

この時期、ほぼ一晩中見られる木星と、明けの明星の金星が、共に圧倒的な最高の輝きを放っています⭐︎




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