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【幼稚園探し④】二番目に通ったA幼稚園のプレ③〜退園の決意〜

前回からの続きです

2022年9月、通所受給者証の手続きと児童発達支援施設との契約を終えてようやく息子が療育へ通い始めました。

それと同時期に幼稚園の夏休み期間が終わり、週二回のプレ幼稚園の通園が再開しました。

夏休み明けは親と離れる寂しさで泣くクラスメイトは息子以外にもちらほらいましたが、しばらくすると教室の外で泣いているのは再び息子だけになりました。

療育へ通い始めたことはこの時既に園に伝えてありました。
ただ、療育へ通い始めたからといってすぐに効果が出るはずもはなく、息子の母子分離不安は続きます。
息子はまたしても教室に入れずに泣き続けるので先生達も困った様子でした。

この頃私は迷い始めていました。
このままこの幼稚園に通うべきか、他の幼稚園に通うべきなのか。
このままプレに通い続ければプレ枠からの優先入園の権利が得られる可能性はあります。

9月に入ると周辺の他の幼稚園では入園説明会や見学会が開始されていました。
私は念のため通園可能範囲にある他の幼稚園の説明会の日程だけは調べていました。

【プレ幼稚園を辞める決意】

9月のプレが何回か過ぎた頃、この日もお迎えに行くと息子は教室の外で泣いていました。
今日も息子は教室に入れなかったかと私は落胆しましたが、「幼稚園頑張ったね。偉かったよ」と息子に伝えました。

帰宅して着替えた後も息子は泣き続けました。
そして息子は

「ごめんなさい。今日も幼稚園ダメだった。ごめんなさい」

と謝りながらポロポロと涙を流しました。

私は息子の口から「ごめんなさい」という言葉が出たことにショックを受けました。
息子は自分が教室に入れないことで親に迷惑を掛けていると思ったのかもしれません。

息子にごめんなさいと言わせたのはここまで無理をさせて頑張らせた私の責任です。

私は息子を抱きしめると自然と涙が溢れ出てきました。
頑張っても頑張っても教室に入れず、息子は今までどれだけ苦しんでいたのでしょう。

私は息子に

「ごめんね。もう頑張らなくていいよ。幼稚園辞めようね」

と伝え、しばらく二人で声をあげて泣きました。

【プレ幼稚園の退園】

プレ幼稚園を辞める決意をしたとはいえ私の中で未練はありました。
辞めると決めた時は既に9月で、この園を辞めた後に受け入れてくれる幼稚園が他にあるのかわからず不安でした。

幼稚園で退園の希望を伝えた日、プレの担任の先生は「残念です」と言った後に

「これから療育園に入園されるんですか?」

と聞きました。

私の住む地域に療育園は全くないわけではありません。
しかしこの地域の療育園は主に医療ケアを伴う重度の子供向けの施設でした。

自力歩行が可能で発語のある息子が療育園を希望しても入れません。
担任の先生はそのことを知らなかったのでしょう。

またこの幼稚園には、療育とは具体的にどんなことをする場所なのか知っている先生がほぼいませんでした。
この幼稚園は元々発達障害の子供の受け入れ実績が過去に少ないため、先生に療育の知識が不足していても無理はありません。

園での受け入れ実績が少ないということは、もしもこの園に息子が入った場合、療育との連携や園に配慮を求めようとした時に園に上手く理解して貰える保証はありません。

今後この幼稚園に無理をして入園しても今後息子が苦労するかもしれないとこの時思いました。

私はプレの担任の先生に

「これからのことは後で考えます。お世話になりました」

とお礼を伝えた後、未練を断ち切って園を出ました。

幼稚園の門を出て数歩進んだ時、後ろから呼び止められました。
振り返ると学年主任の先生が息を切らして私たちの元へ走ってくるのが見えました。

学年主任の先生はこう言いました。

「もし今後育児に困った時は当園に気軽に相談してください。園庭開放も行ってますし、またいつでも遊びに来てくださいね」

学年主任の先生のこの言葉でこの幼稚園が多くの人に愛され、人気がある理由を改めて理解しました。

と同時に、今回の件で良い幼稚園は必ずしも息子に合う幼稚園ではないということがよくわかりました。

2022年の9月、また新たな幼稚園選びが始まりました。



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