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108円の商品

今、くら寿司さんの動画が問題になっています。

”回転ずしチェーンを展開するくらコーポレーションのアルバイト従業員が店内で不適切な行為を行い、インターネットに動画を投稿していた。動画撮影には2人が関与しており、調理場でさばいた魚を男性アルバイトがゴミ箱に投げ捨てた後、拾い上げてまな板に戻す様子が映っていた。”


簡単にいうと、厨房にアルバイトの子しかいなくて、一度ゴミ箱に捨てた魚を再びまな板に乗せて切ろうとする、みたいな動画をアップして炎上してしまった、っていうことなんですね。

別に全部の店舗でこのようなことが行われているわけではないし、これで「くら寿司って…」っていう話になるのも短絡的なので、この事件の良し悪しは今回は特に触れません。

(僕個人は、くら寿司自体のシステムと、このバイト君の思慮の浅さが問題なだけで、くら寿司で勤務する他の人たちに非は全くないと思っています。でも、肩身狭いだろうなぁ…)

くら寿司さんに限らず、一皿108円とかその辺の価格帯のお寿司屋さんって今は普通にありますよね。
本当に安い。

例えば僕が、うちのお店で手間も時間もかからず少ない材料で作れる一番簡単な商品(例えば…プリンとかかな。クッキーとか。)を材料に拘らないでパパッと作ったとしても、販売価格を108円で、なんて絶対無理です。ほんと無理。
簡単だっていってもめちゃめちゃ大変ですよ。数もたくさん作れるわけじゃないし、全部人力だから。卵を卵黄と卵白に綺麗に分けるのだって大変なんですから。笑


「そりゃあ大手さんは資本も大きいし、企業努力してるから…」とかの問題じゃないですよ、108円っていう価格は。すごいことです。

僕、価格と安心(信用)って比例すると思っていて、高いものは安心(信用できる)だと思っています。

別に、108円のお寿司が絶対危険だとは思わない。それこそ企業努力で頑張ってるところの方が多いと思うんです。でも…やっぱり求めるものは少ないかなぁ。
求めないっていうことは期待していないっていうこと。108円を求めておいて、アルバイトが厨房で遊んでいたのが分かって「けしからん!」って言うのは傲慢すぎるなぁと。108円なんだから想定しようよ、と。そういう事件の件数、逆に少なすぎるくらいでしょう。


安いっていうことは、いろんなものが犠牲になっているっていうことです。
それが技術なのか、安心なのか、はたまた現場の人たちへのお給料なのか、もしくはそれら全てなのか。

だからたまにうちの価格帯を「高いわね」っていう人がいるんですけど、いやいやちょっと待ってよ、と。
その安さを追い求めて、企業努力で追求していった結果が、技術も安心も持たない安い人件費で働いているアルバイト寿司屋の動画炎上でしょう、と。

価格を抑えれば抑えるほど何かを失う。
でも価格を抑えたものを求めているのは僕ら消費者
だから。

毎日仙台牛の炙り寿司を食べるわけにはいかなくて、うちも子供がいるから、安くて気軽に行けるお店は本当にありがたいんです。
でも、だからこそ、そういうお店や会社を支援するためには「安さ」だけを求めちゃいけない。

たまに行きますけど、くら寿司、お会計安すぎてびっくりしますからね。
くら寿司に限らず、もう少し価格あげてもいいから「安心」なお店になるといいな、と思います。
日本の飲食店は本当に108円を求める人相手に商売していくのはやめたほうがいいなって思いますホント。

よく書くんですけど

「私は安物の服を買うほど裕福ではない」

って言う格言(?)がすごい好きで。

実は(いろんな意味で)安いものを求めると、最終的に支出(出ていくもの、失うもの)が多いっていうこと。


って考えると、やっぱり安いことを求める、っていうのはなんか時代遅れっていうか、そんな気がします。うちも値段は上げても下げたことはない。上げた分、もっと良いものをお出しできるようにしていますね。


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