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中国人学生のひたむきさ

中国の新学期は9月。
私も大学の新学期を迎え、
新たに0初級の学生たちを教えている。

去年と同じようにやろうと思っても、
まったく同じようにいかないのが教師業。
学生が違うと様子がまったく変わる。
また、去年はコロナ諸々もあって
オンライン+リアル教室で同時に授業を行う
ハイブリッド形態だったが、
今年はオンラインなしの完全教室授業。

さて、先週は、自己紹介のレベルアップということで、
学生たちの故郷や学部などの日本語での言い方を教えたが、
これにずいぶん時間を取られてしまった。
まだ1、2回しか日本語に触れたことのない学生たち。
言わせてみた後すぐに、

「ああ、これは難しいな」

と思ったが、学生たちはあきらめない。
何度も言ってみて、もう一度言いたい。
「もう一度、言ってください」
と覚えたての日本語で頼まれ。。。
あまりに真剣な目でこちらを見つめるので、

「もうこのぐらいで~」

とは言えなくなってしまい、
新しい単語やフレーズを5回も10回も繰り返すはめに。

その後は、日本語アクセントのルールを教えた。
新出単語にアクセント記号がついているので、
早めにルールを教えたほうがよいかなということで
この日に導入したのだが、これまた時間がかかった。

そんなこんなで、この日は予定したところまでいかずに
授業終了。

ああ、今日の授業は時間配分(というか提出順序)間違えたな~~、
と反省しつつ教室をあとにした私。

トイレに行ってから建物の外に出ると、
後ろから、

「がんばろうねっ!(中国語)」

という声。
振り返ってみると、クラスメイトに明るい声をかけながら
手を振って別れる学生の姿が。

よーく目を凝らしてみると、
それは私がさっきまで教えていた2人の学生さん。

今日の授業はいまいちいけてなかった、
と反省モードのわたしだったが、
学生さんたちのやる気に満ちた明るい声が
一気にわたしの心をとかしてくれた。

こうした学生さんたちの学びへの態度、物事の捉え方には
いつも感心させられる。
ここの学生さんたちは頭がいいのは間違いないが、
なにより生活態度と心構えが優れている、
人生に対する態度が前向きで、心が優しい、
それがここで教えることになって以降、
わたしが気づいた大きなことのひとつだ。
コーチング的にいうと、
大きくてまあるく整った自己基盤を持ってる感じ。

わたしが5分前に教室に入ると、
学生たちはもう来ていて、おだやかに授業の予習をしている、
その姿には余裕すら感じられる。

頭がいい人たちは性格が悪いに違いない、
と勝手に思い込んでいたが(笑)、
それは自分の勝手なひがみであったことを
しみじみと実感。

まだまだな自分を感じつつも、
この学生さんたちのために今学期もがんばろう、
と思えた一件だった。

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