大人の発達心理学

こんにちは、辰巳です。

皆様のまわりに、「40代になって考え方が変わった」「60代になって価値観が変わってきた」という方はおられませんか?

皆さま自身はいかがでしょう?

40代では、

考え方、価値観が変わった、

事業を始めたり仕事で独立した、

新しい事にチャレンジし始めた、

メンタル不調を患った、

60代ではこれに加えて、

熟年離婚なども見られます。

、、、転機だらけの40代と60代、一体何が起こっているのでしょう?


これには、「大人の発達心理学」が関係しています。

今日は「大人の発達心理学」のお話です。


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いわゆる発達心理学は青年期までの話

近年、音楽をはじめ、学習やスポーツ教育に発達心理学が取り入れられる事が当たり前になってきました。

ピアノのレッスンも然り。

昔と違って、今は子供が興味を持ち、理解しやすいテキストが数多く出版されていますから、先生が特別に意識しなくても自然と発達に合わせた進め方が出来るようになっていたりします。

発達心理学とは、一般的に赤ちゃんから青年期までの発達について言及されています。

では、青年期以降、つまり大人には発達心理学ってないのでしょうか?

もしあるならば、ピアノのレッスンに大人の生徒さんが来られた時に、発達心理学に基づいた関わり方って出来ますよね♪


40代は人生の正午

心理学者ユングによると、「40才は人生の正午」と考えられます。

太陽が昇り続け、真昼に向かうのが午前中。エネルギーに満ち溢れています。これが40才まで。

そして、午後、夕方、夜へと変化するのが40才以降です。午後には、午前中のようなエネルギーはないかもしれませんが、夕焼けが見えたり、影が長く伸びてゆく変化を楽しんだりと、午前中よりも趣きが多いようにも感じます。

また、午前中の過ごし方で午後のコンディションは変わりますし、午後の過ごし方で夜のコンディションは変わります。

皆様は今、人生の何時ごろですか?

どんな景色を見ながら、どう過ごされますか?


【大人の発達】

子供の発達は目に見えて分かりますが、

我々大人も年齢によって発達します。

それは、「衰退」も含めた内面的な発達です。

「衰退」と聞くと、ネガティブなイメージかもしれませんが、実はそうでもありません。

体力や記憶力が衰退する事を受け入れる事で、新しい価値観を見つけられたり、それによって、今までよりも賢い生き方を出来るようにもなれるのです。

「衰退」のマイナスな部分に意識を向けるのではなく、それに伴って生じるプラスの部分に意識を向けられるかどうかが鍵なのです。

プラスの部分に意識を向け、そこから自分の人生を再吟味し、内面的に変容する事が「発達」と言えるでしょう。


【20歳までは心身の成長】

人は生まれてから20歳位までは心身ともに成長し、新しい知識をどんどん身に付けてゆく時期です。

人生の「朝起きてから10時ころまで」です。

栄養たっぷりの朝ごはんをしっかり食べて、適度な運動と勉強をする事が大切ですね。

多くの人は学校へ通い、様々な知識を身に付ける時期です。知能も身体も発達ど真ん中、まだ、「自分」という人物は完成していませんが、20歳頃で一応「大人」として区切られます。


【20〜40歳は知識を活用する時期】

20歳からの20年、40歳頃までは、20歳までに身に付けた知能を「活用」する時期です。勉強してきた事が実生活や仕事でどう役立てられるのかを経験する時期です。

仕事をしている人なら「若手」から「中堅」、まだまだ新しく覚える事だらけです。

まだまだ体力もあり、頭脳的にも衰えないこの時期は、自分の能力がどんどん伸びてゆくのを実感出来る有意義な時期です。

時間の捉え方は「未来志向」です。

将来のためにどう生きようか、という考え方をする時期です。


【40代で訪れる危機】

心理学では、40歳頃に「中年の危機」が訪れると言われています。

成人してから60歳までの折り返し地点。

自分はこのままで良いのだろうか、、

体力も目に見えて落ちてくるため、今まで平気でこなせた事ができなくなって来る実感もあり、それが不安を煽り、、

若手がどんどん活躍している姿を見て、自分はもうそこにはいないと感じ、、、

まだまだ先の話だと思っていた「老後」が突然リアルに感じられる、、、

、、、と、多かれ少なかれ、このような「危機」が訪れるのが40代です。


【40代は価値観の変化の年代】

この時期は、社会での立場が変わって来ます。

お仕事をされている方は、役職や立場が変わる事が多く、子育てママ&主婦は、新米ママ•主婦からベテランママ•主婦の仲間入り。

体力も少しずつ衰えてきたりするため、これまでと違った新しい価値観や理想が生まれてきて、これまでの自分との違いに戸惑いを感じる事も多くなります。

「前はこういう時こんな風に考えてたのに、今の私はちょっと違う、、。私、変わっちゃったのかな、、?」

こんな戸惑いが日常にポツポツ現れます。

価値観の変化により、人間関係にも変化が現れます。

色々な点での転換期なのです。


【40代から60代は第二の人生】

20歳頃に、どう生きるかを考える「自分探し」をする人も多いでしょう。

それから20年。

「中年の危機」を経験し、これから60代までの生き方を模索している40代は、「第二の自分探し」をしている真っ只中、という人が多いのも特徴です。次の20年を生きるために自分の人生を再吟味し、再構築する時期です。

長年務めた会社から転職や独立に踏み切る人が多いのもこのタイミング。

同時期に、子供の頃、若い頃に出来なかった事を回収するかのように、のめり込む現象も見られます。

40代になって、

突然子供の頃欲しかった物を大量に集めだしたり、

真面目な人が、突然悪い遊びにはまったり、

勉強に悔いのある人は、社会人大学生になったり、大学院に通いだしたり、

「子供の頃にピアノを習いたかったけどやらせてもらえなかった」と言って、ものすごく熱心に学習を始める方も時々おられますね。

人生の先が見えてきたタイミングで、人生の前半を取り戻そうとしているのです。

老年期を意識する事で、中年期にはこのような考えや行動が現れる事も特徴的です。


【60代で人生を再吟味】

40代で危機を経験し、人生を再吟味、再構築してからまた20年。それが60代です。

60代も大きな変化が訪れます。

仕事をリタイアされる方も多く、働く事への価値観が大きく変わります。

退職により、どんな心境の変化が訪れるのでしょうか?

例えば、退職により、社会からの「報い」よりも、自分の内側から生じる「セルフ報い」に関心が向くようになる事です。

社会からの評価ではなく、自分の生き方や経験、つまり、「自分自身」の在り方が自分を支えてくれ、満足の根源になるのです。

この時に納得して過ごせるためには、40代の危機と真剣に向き合っていたかどうか、が大切になってくるのですね。

また、60代以降は、時間の捉え方も変わってきます。

若い頃は将来どう生きるかを考える「未来志向」でしたが、60代以降になると「現在志向」に変化して来ます。

「現在志向」とは、今をどう生きよう?という事です。

ちょっとレッスンの話に寄り道しますが、将来志向の生徒さんと現在志向の生徒さんでは、かける言葉も関わり方も変わって来ますよね(^^)

また、収入の減少や体力の衰退などにより、今まで出来ていた事が出来なくなってくる事も多いでしょう。

そういった衰退も、頑張って生きてきた自分の大切な唯一の人生をねぎらいながら、1つずつ丁寧に受け入れてゆくのです(^^)

これもまた、精神的な発達なのです。

このように、60代は人生を再吟味し、次の20年のために再構築する時期です。


自分の発達に気付いて無視しない


子供の発達は、目に見えて分かりますし、周りの大人達が見守って、導いてくれます。

しかし、大人の発達は、自分で変化に気付き、自分で自分を導かなければいけません。

子供の発達に合わせて大人が手を差し伸べるように、発達しようとしている自分自身に、自分自身で、きちんと手を差し伸べてあげる事。

現状への違和感や、気持ちの変化を無視しない。

それが、大人が健全に発達する方法だと思います。

お仕事や生活でモヤモヤされている大人の方は「おやおやコレは発達かな?」と、考えてみてください。

もしかしたら、モヤモヤが晴れて成長に繋がるかもしれません( *´艸`)


お読みいただきありがとうございました♪









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