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第142回 「“やりたい”からやった」わけじゃなく「“とりあえず”やった」が勝ち組を作る! その理由を西野さんが解説。

今日は、【「やりたいことが見つからない」と嘆く負け組と、とりあえず動く勝ち組】です。


やりたいことを見つけた或る男が、やりたいことを見つけるまで

今日は『「やりたいことが見つからない」と嘆く負け組と、とりあえず動く勝ち組』というタイトルでお話ししたいと思います。

もうちょっと正確なタイトルは、『「やりたいことが見つからない」と嘆いて動かない負け組と、相変わらずやりたいことは見つかっていないけれど、とりあえず動く勝ち組』です。

以上で今日言いたいことの99%は言えたので、残りの時間は具体例をお話しします。

仕事柄、学生と触れ合う機会も多いのですが、いつの時代も彼らの悩みの上位にくるのが「やりたいことが見つからない」です。

「んなもん、お前の先輩も、そのまた先輩、そのまた先輩の先輩もバカみたいに同じようなことを言って、どうせ同じようなアドバイスを貰ってるんだから、答えを検索しろよ。

お前のスマホにはGoogleやChatGPTは搭載してないのかよ!」という話で、もう本当にこういう連中の相手をするのが糞面倒くさいのですが、ただ僕は結構優しい男なので、今日は「やりたいことを見つけた或る男が、やりたいことを見つけるまで」を紹介することで、「やりたいことの見つけ方」の説明にかえさせていただきます。

今期、CHIMNEY TOWNに学生インターンとして入っている「遠藤君」という調子の良い男がいるんですけれど、彼が先日、クラウドファンディング上で一つのプロジェクトを立ち上げたんです。

プロジェクトのタイトルは『渋谷をキレイにする若者に「チムニーコーヒー」を差し入れたい!』です。

渋谷では、もうずっと前から、「頭の悪いオッサンどもがポイ捨てしたゴミを、(朝方に)若い子達や子供達が拾う」というボランティア活動がずっと続けられているんです。

僕らも会社をあげて過去に何度かお手伝いをさせていただきました。

そんなボランティアチームのリーダーの方が、ゴミ拾い終わりに毎回、ボランティアとして参加してくれたメンバーに(自腹で)コーヒーを御馳走しているのをウチの遠藤が見て、「いやいや、これを一人に負担させちゃダメだろ」となり、今回のクラウドファンディングの立ち上げに至りました。

詳しい内容は遠藤が立ち上げたクラウドファンディングページに書いてありますので、是非是非、御一読ください。

「やりたいことが見つからない」と嘆いて動かない負け組と、とりあえず動く勝ち組の分かれ道

さて。
遠藤が今やりたいことは「クラウドファンディングで支援を集めて、ボランティアスタッフの皆様にコーヒーを差し入れする」…ついでに言うと、「そのクラウドファンディングはCHIMNEY TOWNのサイトを使って、差し入れするコーヒーもCHIMNEY COFFEEにすることで、会社に貢献する」となっているわけですが、当然、こんな思い(やりたいこと)は、彼はもともと持ち合わせていませんでした。

どのルートで「やりたいこと」に辿り着いたかというと、彼の場合は、とりあえず渋谷のゴミ拾いボランティアに参加してみたんです。

そこで、ボランティアリーダーが自腹でコーヒーを皆に御馳走しているところを見て、「これは、どげんかせんといかん!」となり、『やりたいこと』に繋がったわけですね。

ここでのポイントは、「『渋谷のゴミ拾いボランティア』は前々からやりたかったことでもなかった」という点。

遠藤は、なんかよう分からんけど、とりあえずノリでやってみたんです。
やりたいからやったわけじゃなくて、とりあえずやってみたんです。

ここが、「やりたいことが見つからない」と嘆いて動かない負け組と、相変わらずやりたいことは見つかっていないけれど、とりあえず動く勝ち組の分かれ道だなぁと思います。
「やりたいことが見つからない」と嘆いているヤツって、どういうわけか、「やりたいこと」がある日突然降ってくると思っているんです。

「わざわざご丁寧に向こうからやってきてくれる」と思っている。

んなわけ、ねーだろ。
すっごく当たり前のことを言わせていただきますが、探し物は探さないと見つからないんです。

時々、家の中でスマホが行方不明になるじゃないですか?

あの時って、「こんな場所にあるわけないよな?」と思いつつ、一応、手当たり次第探しまわりません?
「今日は、あそこには絶対に行ってないぞ」という場所も一旦探しません?

あれが「探す」の基本姿勢だと思うのですが、そんな中、「スマホが見つかりません」と言いながら部屋の真ん中でピクリとも動かないバカいます?
「やりたいことが見つからない」と嘆いているヤツが、そのバカです。

もっと言うと、今回の場合は「何を探しているか分からない」という状態なのだから、ならば、尚の事、歩き回る必要がある。

今、わかっていることは、「私の生活動線には『やりたいこと』は落ちていなかった」ということなのだから。

「やりたいこと」は見つけるものじゃなくて、「育んで生まれるもの」

やりたいことは特に無いけれど、とりあえず動いた遠藤は、おそらく次に「クラウドファンディング攻略」というテーマとぶつかることになります。

そこで「なるほど。こうすれば上手くいくのか」「おやおや、ここの伸びがあまり良くないな。原因は何だろう?」という問題と直面し、そこで立てた仮説を検証することが、彼の次の「やりたいこと」になっていくでしょう。

厳密にいうと、「やりたいこと」って見つけるものじゃなくて、「育んで生まれるもの」なんだと思います。

「やりたいこと」は、アクションの後にあるものであって、アクションの前にあるものではないんですね。

この記事をお読みの20代の子達は僕の話なんてテキトーに流して、自分と同世代でバキバキやっていて、時に西野にガン詰めされているCHIMNEY TOWNの若手スタッフから話を聞いてみてください。

そして、オジサン達は一度、遠藤のクラウドファンディングを見てやってください。
こういうヤツらを応援するのが僕たちオジサンの役目だと思います。

西野亮廣

お知らせ! 西野さんの最新作、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、サンフランシスコ国際映画祭にノミネート!


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