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第133回 “借金返済のプロ”の金言! 多額の借金を返す時の基本姿勢は「焼け石に水」。するとある日「そのタイミング」がやってくる!


西野亮廣が何千万、何億という借金をどうやって返済し、事業を回しているか? ほとんどの人は「借金の返し方」がヘタすぎる!

今日は【借金の正しい返し方】というテーマでお話ししたいと思います。


コンサル開始30秒「ん?」と違和感を覚えた相談


ニューヨーク滞在中も毎朝(日本時間21時)にコンサル(ニシノコンサル)を1件入れていたのですが、その時の相談内容が多くの人に関係のある事だったので、ここで共有させていただきます。

もちろんプライバシーに関わることなので、個人名は伏せさせていただきますが…まずコンサル開始から30秒で「ん?」と違和感を覚えたんです。

相談者さんが初手から躓いていた。
相談者さん曰く、「Aによって、Bという問題が起きているから、その問題を解決するCという商品を開発したい」という話だったのですが、まず僕が気になったのは「A」と「B」の因果関係ですね。

たしかにBという問題が起きているのは間違いないのですが、それがAの仕業と言いきれるデータが本当にあるのか?という部分です。

相関々係と因果関係をゴッチャにしちゃう人って結構多いんですけども…Aによって、Bという問題が起きている場合もあるし、起きていない場合もある。
あるいは、別の理由によってBという問題が起きている場合があるかもしれない。

コロナワクチンの例が分かりやすいかもです。
「ワクチンを接種した後に亡くなった」ということと、「ワクチンが原因で亡くなった」ということはまったく別物じゃないですか。

あの当時、「ワクチンを接種した90代女性が亡くなった」みたいなニュースがバーッと流れましたけど、ワクチンを接種していなくても高齢者は普通に寿命で亡くなるわけで。
ワクチンが直接の原因だと言いきるのはかなり難しい。

というわけで、相談者さんが「Aによって、Bという問題が起きているから…」とお話された時に、「そのデータってあるんですか? それとも主観ですか?」と聞いてみたら、「データはないです。AによってBという問題が起きている気がしたんです」と返ってきたので、「その仮説は検証されましたか?」と聞いたら、「いや、何もしてないです」と返ってきた。

「仮説を立てて検証せずに次に進んじゃうのって、経営者のソレじゃないよなぁ」と思いながら話を聞いていたら、そのBという問題を解決するアイデア商品が10年も15年も前から存在するものだったんです。

これには本当に驚いちゃって、「これを作ろう!と思った時に、類似商品(競合)があるかどうか一度も検索しなかったのですか?」と聞くと、「してません」と返ってきたので、「ちょっと、一旦止めましょう!」と笛を鳴らしました。

とてもじゃないけど経営者・個人事業主の立ち回りじゃないし、商品開発の経験があるとは思えなかったので、「これ、目的は別のところにあるでしょ?」と踏み込んで聞いてみたんです。

「西野に隠し事は100%通用しないので、時間の無駄なので、腹割って喋ってください」と。
そうすると、親が作った借金がウン千万円あって、それを返すことが目的だということが分かりました。

そのウン千万円を返す為に、アイデア商品を開発して、販売しようと考えられたそうです。

コンサルタントとして入らせてもらった以上、当然僕にはこの相談者さんを守り抜く義務があるわけで、まず「商品開発&販売は、やめましょう」とお伝えしました。

「それは追い込まれた時に打つ手じゃない」と。

これは読者の皆さんとも共有しておきたいのですが、博打を打つ時の条件はたったの1つだけ

「負けても死なない時」です。

これ以外の局面では絶対に博打を打っちゃダメ。
「借金を返すために博打的なビジネスに手を出す」なんて論外です。

借金返済は「守り」から手をつけるのが鉄則


そんなこんなんで、1時間あるニシノコンサルの55分を「どうやって借金を返すか?」に充てたんです。

ここは結構得意分野で、僕もよく借金をしている(状態と同じ状態にいる)んです。
CHIMNEY TOWNが仕掛けるエンタメは、いとも簡単にウン億円とかになっちゃって、僕は、泣いても笑っても、そのお金を工面しなきゃいけないんです。

まぁ、「借金」と似たようなものです。
銀行から借り入れすることもあるし、それなんてまさに。

なので、「借金を返す」は僕の仕事の1つなんですけども、とにもかくにも、ほとんどの人が借金を返すのが下手すぎる。
#無駄が多い

まず、借金を返す場合、「攻め」と「守り」でいったら、「守り」から手をつけるのが鉄則です。

固定費(ランニングコスト)を下げる…というヤツですね。

ちょうど今回の相談者さんは、この春に引っ越しを考えられていたので、「どんなところに引っ越すんですか?」と聞いてみたら、「日当たりの良い部屋に」と返ってきたので、いきなり西野のドクターストップが入ります(笑)。

「今、借金を返さなきゃいけない状況で、結構働かれてると思うのですが、日中はどちらにいらっしゃいますか?」と聞いたら、「職場にいる」と返ってきた。

僕からすると「日が当たっている時間に部屋にいないのに、なんで日当たりの良い部屋を選らんで、家賃を上げてんのよ」という話で、そこで月に5000円でも削れたら、それだけで何もしなくても年間6万円。

10年間で60万円の(実質)不労所得があるわけです。
「そういう見直しを1つずつやっていきましょう」と言うわけですが、御本人には「ウン千万円の借金に対して『5000円』じゃ焼石に水だから、もっといっぺんに返せる施策を」みたいな考えがある。

おそらく、今、多額の借金を抱えている方の中にも同じ考えの方がいらっしゃると思います。
借金返済のプロから言わせると、多額の借金を返す時の基本姿勢は「焼け石に水」です。

これに関しては、数字を開示しているので僕のオンラインサロンを見てください!
僕がいつも、ウン千万円や、ウン億円をどうやって返しているか?

ただの1度も焼け石に消防車を発動させたことはありません。
スポイドの水を何万回もたらし続けて、焼け石を根負けさせるんです!

基本戦略は『焼け石に水』。最初は何の変化もないけれど


今、借金している方にお伝えしたいです。
タイムラインに流れてくる情報商材屋の一攫千金ビジネスなんてガン無視してください。
弱っている時ほど美味しく見えちゃうのかもしれないですが、あんなの借金が増えるだけです。

借金返済のプロが、いいことを教えてあげます!

焼け石に水をたらし続けても、最初はビックリするほど何の変化もありません。
やってもやっても借金は全然減りません。
半年やっても減らないし、1年やっても減りません。

だけど、あるタイミングで(大体は十の位、百の位がガチャンと変わるタイミングで)「あ、進んでる」ということが確認できて、それによって気持ちが少しだけ安定するんです。
前に比べて、ちょっとだけ「いけるかも」という雰囲気が自分の中で流れる。

借金を返す時に一番大切なのはメンタルなんです。
ここが崩れてしまうと、どうにもこうにもならない。

なので、借金を返すときは「どうメンタルを保つか?」が凄く大切で、それには、さっき言った「あるタイミング」を迎えるのが一番良い。

3100万円あった借金が、2900万円台になっただけで、一気に「いける空気」が流れる(精神的に安定する)。
これが凄く大切です。

3100万円の借金を一気に返そうとしちゃダメです。
そのシチュエーションでの正しい目標設定は、「百の位を変えること」です。
そこに目標を置くと、「それなら家賃を今より3000円下げれば…」という考えになるので、それが一番大切です。

借金返済の裏技なんて無いです。
借金返済の基本戦略は『焼け石に水』です。

あと、身体を壊したら元も子も無いので、しっかり食べて、適度に運動してください。

頑張ってね。

西野亮廣

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