お金を大切にしてはいけない

突然ですが皆さんがお勤めの会社が
「来月から給料をお米で支給します」
と言い始めたらどうしますか?
私なら、翌日には経営陣全員の家族を人質にとって会社に立て篭もります。
給料が毎月お米になってしまったら、カロリーは摂取できますが、まず家に持って帰るのも大変ですし、栄養も偏ります。味にも飽きるのでおかずにお肉や魚、野菜だって欲しいです。

それだけじゃありません。欲しいカメラだってある。それに家賃や光熱費、ケータイ代も払えなくなるのでそもそも生活ができません。

どうでしょう。お金はかくも素晴らしいものではありませんか。
お金であれば、ある程度どんなものとでも交換できます。
また、交換の際にも大体この商品は何円、と相場が決まっているので取引は売り手買い手双方にとって不公平感がありません。

この世界が物々交換であれば、朝コンビニに寄ってコーヒーを買う、という行動ひとつとっても相手が交換に納得するものを用意しなければなりません。

お金は、画期的なシステムです。
1万円札の原価はたった22円ですが、ラーメン一杯800円とすると、12.5杯も食べられます。

これはなぜかというと、国及び日本銀行が一万円札にはラーメン12.5杯分の価値があります、と認めているからです。
円というお金を使う人全てが、国と日本銀行を信じて、自らの仕入れた商品、サービス、技術などをお金をもらうことで提供しているのです。

あなたもそうです。あなたの財布の中にある紙切れ。もしこれが何も書かれていない紙切れだとしたら迷わずゴミ箱に捨てるか、メモ帳がわりに使うかのどちらかだと思います。
だからといってあなたは福沢諭吉の顔が好きでその絵に魅力を感じて大切にしているわけではありませんよね?
それによって、自分が好きなものと交換できるから、あなたはお金を大切にするわけです。

昨今、そんな変えようのない事実が薄れてきているように思います。
お金はあくまでも価値保存、交換の手段です。
とりあえず今は必要、欲しいものがないからお金として持っておく。
それ以上でも以下でもありません。
安心したいからお金を持っておく。
それも結構でしょう。

しかし忘れてはならないのはお金を稼ぐために働いているのではなく、幸せになるために働いているということ。

福沢諭吉の絵が書かれた、日本銀行が価値を保証したものよりも少しでも大切なものがあれば、迷わず使うべきです。

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