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大地と人と。カッパドキアの3日間【トルコ旅行記2】

こんにちは!yukiです。

今回は、
トルコ旅行記の2回目です。

有名な世界遺産、
カッパドキアを歩き回った
お話をしていきますね。

楽しんでいただけますように!



谷間のハイキング


ガタン、とバスが揺れて目が覚めます。

窓のカーテンから、
光がもれている。

黒海沿いの街を出発した夜行バスは、
夜じゅうひたすら走り続け、
夜明けを迎えたところでした。

窓から見えるのは、
遠くまで広がる緑の草原。

丘のようになだらかな傾斜が、
遠くまで波うっています。

やがてバスは、
目的地のギョレメに到着しました。

(ギョロ目みたいですよね)

バスを降りると、
点々と立つ“奇岩”が目に入ってきます。

ギョレメは、かの有名な、
「カッパドキア」
と呼ばれる地域の町。

このあたりでは、
大地に力によって生まれた
様々な奇岩を見ることができます。


・・・どうでもいい話ですが、
カッパドキアのことを
“ドキア”って略してる人がいたなあ。

「その略し方ってどうなのよ」
と苦笑したのを思い出してしまい、
“ドキア”の3文字が頭から離れません…汗


カッパドキアには、はるか昔、
奇岩をくり抜いて「洞窟住居」としたり、
「地下都市」を作った人々がいました。

現在は、町なかの奇岩の多くは
「洞窟ホテル」として整備されています。

しかし僕は洞窟ホテルではなく、
安宿にチェックインしました。
(予算も興味も少ないので…笑)

宿は相部屋なものの、かなり綺麗で、
町を見渡せる屋上テラスを使い放題。

朝食付きで1泊約800円です。
一大観光地にしては、高コスパ!


部屋で一息ついてから、
受付でもらったマップを広げました。

「やっぱり広いなあ。
 行きたいところ回るのに
 数日かかるかも」

カッパドキアといえば、
ツアーで見どころを回るのが一般的です。

一方で、僕は、
自力で歩き回るつもりでした。

時間と体力はあるし、
何よりハイキング大好きなので!

商店で、エキメッキ(パン)、ハム、
チーズ、トマトを買ってサンドイッチを作り、
さっそくハイキングに出発しました。

町のすぐ外には、
大自然が広がっています。

てくてく歩いているだけで、
すごく楽しい!

今日は“ピジョンバレー”を通って、
ウチヒサルという城砦へ。

そこから“ホワイトバレー”
“ラブバレー”を通り、ギョレメに戻ります。


最初の“ピジョンバレー”は、
その名のとおり“鳩の谷”です。

かつてこの地に住みはじめた人々は、
奇岩をくり抜いて
鳩を飼育していたのだそう。

飼育小屋だったと思われる穴が
ところどころに空いていました。

ピジョンバレーを進んでいくと、
ウチヒサル城が見えてきます。

小高い城の裾には、
たくさんの住居が
へばりつくように建っている。

ウチヒサル城は、
てっぺんまで登れます。

ここでは、

「英語を勉強中なんです、
 ちょっと質問させてください!」

って声をかけてくれた女学生さんや、

「一緒に上まで登ろうよ!」

って声をかけてくれた男の子たちなど、
なんだか楽しい出会いがありました。

城から下りて、
さっき見えたのと反対側に回ると、
これはこれで威圧感のある姿…!


またハイキングコースに入り、
ホワイトバレーに進みます。

確かに、ホワイトっぽい!

天気は晴れたり曇ったりですが、
最高に気分爽快です。

ホワイトバレーからは、
そのままラブバレーに入ります。

うわあ、すごい形…

初日からたくさん歩けて、
ハイキングは大満足!


宿に戻ると、
相部屋の韓国人の男性に、

「夜、屋上で飲み会するから、来てよ!」

と声をかけられました。

暗くなってから屋上へ行くと、
韓国人、中国人、ドイツ人の7人の男性が
テーブルを囲んでいます。

僕以外は、みんな自転車旅

トルコは走りやすいとか、
ボリビアの道はマジでやばかったとか、
楽しい話をいろいろ聞けました。

自転車旅の人たちを前にすると、
自分なんて甘ったれた旅だなー、
って思ってしまいます苦笑

地下都市へ潜る

2日目の朝。

夜明け前に起きて、
急いで支度して外へ出ます。

カッパドキアに来たからには、
やっぱり朝の気球が見たい!

自分で乗るつもりはないのですが。
(一人で乗るほど強い興味はない…笑)

しかし、
丘に登って360度見渡しても、
気球の影も形もないのです。

そのまま、太陽は
昇りきってしまいました。

もしかしてギョレメでは気球やってない?

宿に戻って聞いてみると、

「今日は風が強くて
 飛べなかったんだよ!」

とのことでした。

そんなことあるのですね!

もう一泊するので、
明日の朝に期待しよう。

ふたたび出かける前に、
屋上テラスへ朝食を食べに行きます。

朝食は8種類くらいから選べました。

安宿なのに?
メニュー選べるの?

ちょっと驚きながらも
期待はしてなかったんですが、

出てきたのは…

ぜんぜん悪くない、むしろ良い!
パンもしっとりして美味しいです。

これで宿代800円なんて、高コスパ!


さて、カッパドキア2日目は、
「地下都市」を見に行ってみます。

ギョレメからバスを乗り継いで、
デリンクユという街へ。

地下都市の入り口は、
校外学習?の学生さんと、
中国の団体旅行客で大混雑

まるでディズニーのような
行列ができています。

並んで、だいぶ待ったころ、
ようやく地下へ続く階段に入れました。

「ようやく入れたな!!」

と声をかけてくれた男性と一緒に、
地下に潜っていきます。

階段を抜けると、
少し空間が広がりました。

地下都市っていうから、
もっと壮大なのを想像してたんですが、
普通に洞窟ですね…苦笑

広めの空間もあるとはいえ、
やはり狭い場所が多いです。

僕の身長は177cm弱ですが、
思いきり身体を屈めないと
頭をぶつけてしまいます。


この地下都市がいつできたのか、
正確なことは分かっていないようです。

ただ、
初期のキリスト教徒が身を隠し、
他の宗教の迫害から逃れるために
利用していたのは確かなのだそう。

デリンクユの地下都市は、
地下8階まであるのだそうです!

正直、「僕は住めない」と思いましたが汗



地下都市を見学した後は、ギョレメに戻り、
時間的に遠くへは行けないので
近くの谷を歩いてみることにします。

昨日の夜、飲み会に誘ってくれた
李さんとばったり会ったので、
一緒にお散歩しました。

町から10分も歩けば、
この景色なんだもんなあ。

李さんは自転車旅を終えて、
今夜のバスでイスタンブールへ。
そして韓国に帰るのだそうです。

「夕食食べに行かない?」

というので、
一緒に食堂に入りました。

旅の経験が豊富な彼に、

「これまで、
 どこの旅が印象的でしたか?

と聞いてみます。

もちろんアフリカ!
 最高にワンダフルで、
 ああ、いま生きてるなー
 って感じがいつもしてたよ」

アフリカ、かあ。

僕も行こうとは思ってます。

でも未知すぎて、
ちょっと怖いのも事実…。

李さんをバス乗り場まで見送ってから、
夜の町を眺めるために丘へ登りました。

ふと、

「このまま谷に下りてみようかな」

という突飛な考えが浮かんできました。

月明かりに照らされた
小道を辿りながら、
谷に下りていきます。

少し広くなったところで、
ごろんと草の上に横になりました。

夜空は晴れているけれど、
あまり星は見えない。

それでも、奇岩のシルエットが
月明かりで浮かび上がって、
不思議な世界を作りだしていたのでした。


・・・イラン、アルメニア、
ジョージア、トルコと旅してきて、
とても快適で楽しいのだけれど、

バングラデシュやインドのような
荒々しいパワーを浴びたくなっています。

どこか不完全燃焼感があるのです。

アフリカ…

南方の大陸の存在感が、
心の中で膨れ上がっているのを
感じたのでした。

美しきカッパドキア


3日目の朝。

日の出前に起きて、
気球を見るために丘へ登ります。

・・・今日も飛んでない!

気球の気配すらない。

宿に戻って聞いてみると、

「今日も風が強くて中止だよ」

と言われました。

まじですか。
明日がラストチャンス。


さて、今日はたくさん歩く予定です。

ギョレメの町を出て、
“オルタヒサル”という町に向かって
大自然のなかを歩いていきます。

カッパドキアの景色、
本当に好きすぎる。

歩いてもほとんど人に会わないので、
この不思議な空間にどっぷり浸れます。

僕にとっては、
ハイキングにして大正解でした。

到着したオルタヒサルは、
小さくて良い雰囲気の町。

見どころは城砦です。

城砦の斜面には、家がびっしり。

「うわっ!」

と思わず口にしてしまいました。

自然の景観と
うまく溶け合ってますよね。


オルタヒサルの町からは、
またハイキングコースに入って、
“ローズバレー”に向かいます。

しかし、町外れにある
ハイキングコースの入り口が、
警察に封鎖されていました。

何かあったのかな。

「ローズバレーに行きたいんですけど、
 ここ、通っても大丈夫ですか…?」

「もちろんさ!!」

あっけない笑

警察の方が続けて言います。

エキメッキ?

エキメッキは、
トルコのパンのこと。

名詞だけの質問、
どう答えればいいのやら笑

「エキメッキ、
 美味しいですよね」

と答えてみます。

そうか、これを持っていきなさい

なんと、エキメッキと
お弁当を手渡されました

「いいんですか?!
 わーい!Thank you!!」

「気をつけていってらっしゃい」

外国人だからくれたのか、
食べ物を恵んであげたくなるほど
貧相に見えたのか…汗

谷間に入ってどんどん歩き、
ローズバレーに向かいます。

途中、お弁当もいただきました。
美味しかった、感謝!


ハイキング、本当に楽しすぎる。
道もよく整備されています。

このあたりの自然には、
一見すると人の手が
入ってなさそうなのですが、

ふいに「洞窟教会」も現れたりして、

「隠れるようにして
 人が住んでいたんだな…」

と実感がわいてきます。


さて、
到着したローズバレーは、
とても美しい場所でした。

ローズ(バラ)色の岩が集まって、
見たこともないような景観を
作り出しているのでした。

ローズバレーの奥には、
テーブルマウンテン的な丘があり、
そこにも登ってみることに。

丘の頂上につくと、
この3日間で1番の、
壮大な眺めが広がっていました。




そして翌朝。

午前8時半のバスで、
首都アンカラへ向かう予定です。

その前が、気球を見るラストチャンス!!

またもや夜明け前に外へ出ます。



・・・雨でした。笑

数日いたのに、まさか、
1回も気球を見られないのか...!

一応、傘をさして丘に登ってみます。

やはり気球は飛んでいません。

しかし驚いたことに、
ほんの一瞬だけ、
朝日が差し込んだのです。

太陽はすぐに
雲へ隠れていきました。

最後の最後に、
カッパドキアの美しい姿を
見せてくれたのかもしれません。


雨の中、バスに乗り込みます。

本当に素晴らしい場所だった…
いつかまた来よう。

きっと次回も、
ハイキングをすることでしょう。




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

もしカッパドキアに行かれる際は、
気球は飛ばない可能性もあるので、
注意してくださいね。

それでは、今日も良い1日を!


(この記事は、2016年の旅を
 “旅行記”としてまとめたものです)


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