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チベットで、人々の優しさにふれる【チベット旅行記1】

こんにちは、yukiです。

突然ですが、
“チベット”って言葉を聞くと、
どんなイメージが頭に浮かびますか?

標高の高い、荒涼とした地域。寒そう。

こんなイメージを持たれている方が
けっこう多いんじゃないかと思います。
(友人はだいたいそんな感じでした)

確かにそういう地域が多いのですが、
僕が旅したカム地方には、
大草原が広がっていました。

チベットといっても広いので、
気候も様々なんですね。

これまで35か国以上旅してきたのですが、
チベットのカム地方は、
その中で最も好きな地域のひとつです。

その理由は、
“とにかく人が温かくて優しい”
ことに尽きます。

観光地ではないのでガイドブックがなく、
なかなか行きにくい地域ではありますが、

「チベットってこんなところなんだ!」

と良いイメージを
持ってもらえることを願って、
書いていきますね。

何回かに分けようと思っていて、
今回は、

バスを探していたら、
 たくさんの人が助けてくれた話

チベット僧のスマホの中身を
 見せてもらった話

です。

それでは、どうぞ!

チベットの草原
RICOH GRⅡ

チベットのカム地方は、
中国の四川省・成都から行くのが一般的です。

都市部を離れたバスは、
だんだん標高を上げていき、
やがて大草原に入っていきます。

真夏でも、標高が高いので、
ひんやり冷たい風が心地よい。

雲が大地に影を落とし、
風景はどんどん変化していきます。
コントラストが美しい。

ちなみに、
標高は町中でも3000m以上。

酸素が薄くて、
坂道などはかなりツラいのです。

車窓から見る草原
RICOH GRⅡ

そんなチベットで、
ある町に行こうとしていました。

その町の名前は、ヤチェン
草原の河のほとりに大勢の僧侶が住んでいる、
巨大な修行場です。

「行きたい!」と思った理由は、
壮大なヤチェンの写真に衝撃を受けたのと、
僧侶の生活をもっと知りたかったからでした。

あくまで修行場ということで、
地図には載っていません。

幹線道路からかなり離れているので、
旅行者も少なく、とにかく情報がないのです。

とりあえず、
ヤチェンに近いらしい町、ガンゼに行って、
行き方を聞いてみることにしたのでした。

ガンゼの情景
RICOH GRⅡ

ガンゼは、
車やバイクのクラクションが鳴り響く、
活気ある町でした。

ひとまず重い荷物を置こうと
今晩の宿を探しますが、
なんだか全然見つからないのです。

歩き回ってヘトヘトになったころ、
ようやく宿を見つけて
おばちゃんに聞いてみると、

「ごめんね、満室なのよ〜」

まじか、まだ宿探し続くのか…

「でも、お客さんに聞いてみようかねえ。
 着いてきて。」

そして、おばちゃん、
いきなり客室のドアをガチャっと開けました。

ドアの向こうでは、僧侶が、
驚いた顔をしてこちらを見ています。

おばちゃん
「部屋が満室になっちゃったんだけど、
 この人、泊まりたいみたいでねえ。
 この部屋ベッド2つあるから、
 片方貸してやってくれない?」

僧侶
もちろんです。」(即答)

こうして、ありがたく、
僧侶の部屋に泊めさせてもらうことになりました。

ガンゼの町中

荷物を置き、
ヤチェンへの行き方を探るべく、
町へ出ます。

さあ、成都で手に入れた地図の出番!

地図にある
「バスチケット売り場」
へ向かったのですが、

着いたら廃墟なんですけど。
なぜに?

近くにいたおじちゃんに、
聞いていみました。

「こんにちは。
 ヤチェンに行きたいんですけど、
 この町からバスが出てるか、
 知ってますか?」

「ああ、ヤチェン行きのバスはあるぞ!
 あっちの方に乗り場があるから、
 行ってみると良いよ。」

おお、手がかりが!
ありがとうございます!

教えてもらった方に歩いていきましたが、
だいぶ進んだ所で不安になってきて、
すれ違ったおばちゃんに聞いてみます。

「こんにちは。
 ヤチェンに行くバス乗り場って、
 こっちで合ってますか?」

「うーん、私は分からないけど…
 (近くにいる人を手招きして)
 ちょっとちょっと!
 この人、バス乗りたいみたいだから、
 助けてあげて!」

すると、みるみるうちに、
10人くらい集まってくれました。

そして、3人の少女が、

「私たち、場所分かるから、
 一緒に行ってあげる!」

と案内してくれることになったのです。
ありがたい!

元気で明るい、13歳のみんな。
お話ししながら、
賑やかな町を歩いていきます。

でも、なんだか、さっきの
廃墟の方向に向かってる気がする…

「ついた!ここよ!」

やっぱ廃墟だったー!

「案内してくれてありがとう!
 でもチケット売り場ないよね…?」

「この辺りにドライバーがいるだろうから、
 聞いてみて!」

え、チケット売り場って、そういうこと?笑

優しいみんなに心から感謝して、
お別れしました。

助けてくれた少女たち

廃墟の周りには、
本当にドライバーがいました。
(もちろん信じてましたよ!)

しかし、
「ヤチェンに行きたいならここじゃない」
と言われます。
またかい…!

「ノープロブレム、
 俺が連れて行ってやるよ!」

そして、
少女たちが連れてきてくれた道を逆戻り。
ここ通るの、もう4回目です笑

毎回挨拶していた露店の方が
「あら、また?」みたいに微笑んでくれます。

しかし、心優しい彼のおかげで、
ついにヤチェン行きのバス乗り場に
たどり着くことができました。

しかも、気づいたら、
彼はどこかへ消えていたのです…
本当優しすぎて、感謝しかない!

こういうのって、
お金請求されることが多いです。
しかしチベットでは、純粋な親切心で、
助けてくれたり気にかけてくれる人ばかり。

たくさんの幸せを貰うから、
「この幸せは、
 僕からも誰かに回していかなきゃ!」
と思うんですよね。

さて、無事に翌日早朝の車を予約して、
今日の目標は完了!

ガンゼの子供たち

やることは終わったので、
夕暮れの町を散歩し、
出会った子供と遊んだりして
開放感に浸っていました。

しかしそれも束の間、
あることを思い出します。

「あ、そういえば、
 僧侶の部屋に泊まらせてもらうんだった」

さすがに、ちょっと緊張します。

部屋に帰ってしばらくすると、
僧侶も帰ってきました。

にこやかな笑顔で挨拶してくれたので、
ちょっと話しかけてみることにしました。


「明日、ヤチェンに
 行こうと思ってるんです。」

僧侶
「ヤチェンですか。
 私も時々行きますよ。」

僧侶はスマホを取り出しました。

そして、
ヤチェンで撮った動画
色々見せてくれたのです。

晴天の草原で、僧と尼僧のグループが
楽しそうにピクニックをしている動画、

草原に建てられた無数の旗が
風にはためく中でのお祭りの動画、

チェーンソーみたいな道具で、石に、
真言「オムマニペメフム」を彫っている動画、

などなど。

ときどき動画を探しながら
スクロールしてくれるんですけど、
意外にも、
写真とか動画をたくさん撮られているよう笑

とても興味深かったです!

あんな草原でピクニックしたら、
最高だろうなー。

日々、深い幸せを味わって
豊かな精神を育むからこそ、
澄み渡った心で修行に打ち込めるのかもなあ、
と思ったりしました。

チベット僧

「旅行中に撮った写真とか、
 日本の写真を見せてくれませんか?」

と言われたので写真を見せると、
とても楽しそう!良かったー!

写真撮り合ったり、
インカメ一緒に写ったりと、
楽しい時間を過ごさせていただきました。

ヤチェンに行くのがいっそう楽しみになり、
眠りについたのでした。


いかがでしたでしょうか。
チベットには、本当に、
温かくて親切な方が多かったのです。

これまで、有名な観光地にも
たくさん行ってきたのですが、
なんだかんだで最も記憶に刻まれるのは、
“人との関わり”なんですよね。

どこの国に行っても、
とても良い形で人と関わることができたのは、
「相手への敬意をもって、真心で接しているとき」
でした。

たとえ言葉が伝わらないとしても、同様です。

感情や想い、求めていることなどは、
非言語コミュニケーションでかなり伝わります。
(ただ、お互いに「伝えたい!」という強い意志があるときに限ります)

とはいえ、
「海外でなかなか人を信じられなくて…」
という気持ちもよく分かります。

僕も、2回目の海外旅行で行ったインドでは、
観光客狙いの詐欺師の邪気を受けまくって、
疲れ果ててしまいました。

話しかけてくる人を
誰も信じられなくなったくらいです。

インド人に、

「きみ、インド人信用してないでしょ。
 ちょっとは信用したほうが、
 楽しい旅になると思うよ」

と諭されてしまったほど汗

実は、直感がうまく機能していれば、
下心がある人はちょっと喋っただけで
何となく分かるのです。

「この人、なんか“におう”な」と感じたら、
明るく爽やかにバイバイすればOK!

それが分かってからは、
旅はぐっと楽しくなりました。

直感力は、人間が元々持っているものです。
マヒしてしまうこともありますが、
元に戻す方法はありますよ!
いずれ記事にしてみようかと思います。



最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください!



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