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WON『ピーターパンしんどローム』【Daily Recommend 11】

2024.4.10 Release
VIA / TALTO

前々から気になっているソロシンガーの中に、WON(ウォン)というアーティストがいる。
SAKANAMON、マカロニえんぴつ、ヤユヨらが所属するエッグマンはmurffin discs内のレーベル「TALTO」と、トイズファクトリー内に2020年末に設立された新規レーベル「VIA」がタッグを組んで世に送り出す女性ソロシンガーである。
この「VIA」は、レーベルサイトによると「新世代のストリーミング特化型アーティストにフォーカスし、SNSなどのデジタルコンテンツを最大限に駆使しながら、アーティストごとに最適化された方法でリスナーの元へ届けていく」という理念のもと設立されたそうだ。
WONは顔出しをしていないものの、その類まれなる歌の力と、多才なクリエイターと生み出すジャケ写やMVなどの創作物で自身のクリエイティビティーを表現している。


WONに出会ったのは2022年2月16日に配信リリースされた“ヘイトキラー”という楽曲。
Twitterで流れてきたMVに一発で打ち抜かれて、何度も再生しては釘付けになった記憶がある。

以降、ほかの曲を聴いてみては、新曲がリリースされるたびにチェックしているほど気になってしょうがない。
そのサウンドは、劇伴音楽のようなバラード曲や、いわゆるネットミュージック的な質感のもの、シティポップ要素を取れ入れた楽曲など多岐にわたり、聴く者の好奇心を掴んで離さない。
最近では、フジテレビ系ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』の2023年1月15日放送分からテーマ曲“サンサーラ”の歌唱を担当しており、変幻自在な歌声は未知なる可能性を秘めている。


そんなWONが新曲“ピーターパンしんどローム”をリリースした。

え?変換ミスってないかって?
みなさんご存知「ピーターパンシンドローム」はいわば「オトナになれない大人」という意味合いで使われるが、WONはそこに「しんど」さを重ね合わせているようだ。
冒頭から《居たい居たい/痛い痛い》と繰り返し、《あなたに会えるなら今反抗的なリズムになる前に/みんなが望んだ 最悪なメリーエンド》なんてまさにそう。
《ほら反抗的なリズムになるから魔法の粉でネバーエンド》の比喩表現もおもしろい。
作曲は、先ほど触れた“ヘイトキラー”も手がけた100回嘔吐。ずっと真夜中でいいのに。のアレンジャーを担当している注目のクリエイターだ。
WONの歌詞と相まって、今この瞬間生きることに葛藤している若者たちに刺さりやすい仕上がりとなっている。

これは個人的な感覚かもしれないけど、いわゆる顔出ししてない系アーティストの中で、WONはどこまでも生身なのだと思う。
自身の苦悩を歌詞に落とし込むこともあれば、若者たちの代弁者のような切り口に聞こえることもある。
MVの大半はシューティングゲーム風の映像になっているが、学校や会社など社会から阻害され、外に出られない人物を象徴するアイテムとしての表現なのだろうか。(佐伯雄一郎とまつせ漠のタッグによる最高のMVは必見)
このシューティングゲームどっかで遊べんかな。ボスクリアしてアイテム取って武器がグレードアップして……って往年のそれに忠実でクオリティー高い。
Nintendo Switch Onlineで配信待っとけばいい?

なお、楽曲は2:10で早々に幕を閉じる。
サブスク配信にしてもYouTubeにしてもTikTokにしてもショート動画が流行していることを受けての最適解だろう。
さてみなさん、“ピーターパンしんどローム”を聴いてみての感想をぜひ「#WONちゃん大天才」を付けて投稿するべし!


■WON YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCGLuo2pPMugO2b8CPYCwTHQ

■VIAレーベルサイト
https://via-label.jp/



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