見出し画像

相手に関心を持つ、相手の立場に立つ、できることをする。

サヘル・ローズさんは国際人権NGOの
「すべての子どもに家庭を」の活動で
親善大使を務めていることもあり、
国内外で子供達に寄り添う活動をされています。
 
「日本にも子供たちの施設がたくさんあるが、
何からすればいいんだろう?」
と聞かれたサヘルさんは、
「まず自分の住む地域に施設があることを
知ることから始めることでもいい」
と答えていました。
 
また、大人を孤立させないことが
子供に対する虐待を防ぐことにも
なるのだとか。
 
というのは、
周囲とコミュニケーションが取れない大人が、
悩みやストレスを一人で抱え込んで子供に当たり、
その結果、
虐待や子供を施設に預けることに繋がる場合も
あるためです。
 
コロナ禍でさらに孤立が進み、
ストレスを抱えた大人が
子供に当たるケースも増えているため、
今、大人を孤立させないことが
大人にとっても、子供にとっても
とても大切なのです。
 
「社会でできるのは、
関心を持って関わり合うこと、
地域が助けあうこと。」
 
だからこそ、
地域の施設に少しでも興味を持つことが大切で、
施設で暮らす子や施設出身の人に対して
『施設出身の●●ちゃん』とは
思わないであげて欲しい、
とも話されていました。
 
そのきっかけとして、
施設ではバザーなどの催事をしているので、
近所の施設の催しに行ってみるのもいい、
とのこと。
 
「困っている人がいたら、何かをやってみる。 
(やってあげている、ではなく)
『これは自分がやりたくてやっていること』
としてやる。
 
偽善者と言われても、
何かをやっている偽善者だから、
それでいいと思う。
 
(気持ちがすれ違ったり、)
私もたくさん失敗していると思う。
 
でも、失敗できるからこそ気づけることもある。
だから、失敗も成功だと思っています。」

画像1

この番組を聴く少し前、違う番組でサヘルさんが
「社会に関心を持つこと、
相手の立場に立って考えること」
について話していたことを思い出しました。
 
今年の夏、
ある著名人の路上生活者への差別的な発言が
大きく取り上げられたことを
あなたは覚えていますか?
 
サヘルさんはご自身も様々な事情があって
8歳の時に養母のフローラさんと来日した後
2週間のホームレス生活を経験しています。
 
また、小中学校で酷いいじめにあい
「死にたい」と思ったこともあったとか。
 
(でも、俳優となって
「子供時代に自分が受けたいじめや差別の経験も
舞台では生きる」
と思ったそうです。)
 
「そのニュースが浮き彫りになったのなら、
当事者たちがどうしてその状態になって
社会からどうして見放されてしまったのか、
そこに視点を移すことが大切だと思います。」
というサヘルさんの言葉には、
辛い立場に立ったことがある人の重みがありました。
 
サヘルさんは今も
路上生活でビッグイシュー(雑誌)を売っている人と
顔見知りになったり、友達になるそうです。
 
コロナ禍が始まって2ヶ月後、
いつも恵比寿駅の日比谷口に立っていた
男性の姿が見えなくなり、
その後1ヶ月たっても会うことができませんでした。
 
Twitterに
「もし彼のことを知っていたら教えてほしい」
と書いたところ、彼の息子さんから
「長年音信不通になっていた父が亡くなった、
と連絡がありました」
と返事が来たそうです。
 
実は亡くなった男性は
「息子が結婚式をあげるから
自分の息子にきちんとプレゼントしたい。
会えなくなってこの生活になってしまったけど
少しでも最後に、自分に家族に何かしてあげたい」
と、一生懸命雑誌を売っていたのだそうです。 

あの路上生活者への差別発言を聞いた時、
サヘルさんは
ひとりひとり、
仕事をしたくても仕事が見つからなかったり、
生きるのに精一杯の姿を思い出し、
「彼は彼らの目を見てその言葉が言えるのか」
と思ったそうです。 

「難民問題でも、
『自分の国に帰ればいい』
などと悲しい言葉をたくさん目にします。
 
当事者の目を見て同じことが言えますか?
 
その発言をする前に、
あなたがその人の立場に立ったら
その言葉を言われたらどんな気持ちになるのか、
考えてほしい。 
 
言葉には本当にパワーがあって、
言葉で人を愛することもできれば、
言葉一つで人を殺すこともできてしまう。
 
発する言葉一つ一つがどんな意味を持って、
その言葉を受け止める人が、
どんな状況でそれを聞くのか。 
 
人間として、
思いやりを思い出してほしい。
 
今の社会はそれがまず大事だと思います。」
 
相手に関心を持つこと。
相手の立場に立つこと。 
小さなことでもいいから、自分にできることをすること。
 
人として、忘れてはいけないことですね。
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 
 
*今朝、目が覚める直前に
20数年前に亡くなった
母方の祖父から電話をもらう夢を見ました。
 
最初に名乗らずに話すので
相手が誰なのかわからなかったのですが、
 
「少しでも何かあったら、
すぐ電話してきなさい。
由紀は1人なんだから、
何かあったらかわいそうだ」
 
と話すのを聴いているうちに、
この声は祖父だとわかりました。
 
返事をする前に目が覚めてしまったので
「ありがとう」も言えなかったのですが、
きっと祖父も祖母も、
母方の祖父母も、
いつも見守っていてくれるのだと思います。
 
そして、今日は
「電信電話記念日」なのだそうです。
 
だから、祖父も空の上から
電話してくれたのかもしれませんね(^^)
 
おじいちゃん、ありがとう。

カフェで書き物をすることが多いので、いただいたサポートはありがたく美味しいお茶代や資料の書籍代に使わせていただきます。応援していただけると大変嬉しいです。