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オクスフォードならぬオクスフォードシャーに佇む「ブレナム宮殿」

英国の地名には、最後に「シャー(shire)」
がつくものがたくさんあります。

(ヨークシャー、ノーザンプトンシャー、など)

これは「州」を意味する接尾語なのですが、
最初に
「オクスフォードシャー」
と聞いた時には
「字(あざ)オクスフォード?ってこと?」
と悶々としておりました。 

ブレナム湖


さて、わたしが1997年に渡英したとき、
とあるボランティアプログラムに
参加していたのですが、
英国の他の地域にも
同じプログラムに参加している
ボランティアの方達がいました。 
 
簡単に携帯やメールで連絡を取れる時代ではなく
電話や手紙で連絡をとっていたのですが、
「ハーフタームホリデー」
という連休に、オクスフォード近辺にすむ
他の二人のボランティアに
会うことになりました。 
 
そのうちの一人の方のホームステイ先に
1泊させていただいたのですが、
そこが「オクスフォードシャー」
だったのです。 
 
彼女のホームステイ先に向かう
バスに乗ろうとしたとき、
その行き先の表示を見てびっくり。 
 
だって、その行き先は
「Blenheim Palace」だったのですから。 

ブレナムパンフ


「ブレナム宮殿」は、
あのウィンストン・チャーチルの生家なのですが
「アンテークの宝庫」としても有名で、
ホームステイ先でよく見ていたテレビ番組
「アンティークショー」
でも取り上げられていて、
「いいなあ、いつかいってみたいな」
と思っていたのです。 
 
図らずして、
本当に行けることになったのでした。 

アン女王像


ちなみに、現在、英国で王室の宮殿以外に
「宮殿」と呼ばれるのは、ここだけです。 
 
また、王室関連以外では英国最大の邸宅で、
1987年には世界文化遺産にも
登録されています。 
 
この宮殿を建てたのは、
チャーチル元首相のご先祖、
ジョン・チャーチル将軍
(初代マールバラ公爵)。 
 
1704年に英仏が戦った「ブレナムの戦い」
(現在のドイツ・バイエルン州)で
マールバラ公爵は優れた戦果を挙げ、
当時のアン女王はその褒美に、
宮殿の建築費用となる24万ポンドと土地を
下賜したのです。 

ブレナムガーデン


それを受け取ったマールバラ公爵は
権力を象徴するためだったのか、
この宮殿をいやが上にも
いかめしい装飾で作り上げました。 

ブレナム


なんというか、凄すぎて、
とても住みたいとは思えないど迫力。 
 
一泊させていただいた英国人家庭のお父さんは
この宮殿のことを
「あそこの入口の門なんて
地獄の門にぴったりだ」
と言っていましたが、まさに言い得て妙でした。 
 
そもそも、宮殿の敷地はあまりに広くて、
湖もあれば羊や牛(しかもホルスタイン!)も
放牧されていて、驚愕しました。 
 
200室あるという部屋は
全てが公開されていたわけではありませんが、
それでも、何時間でも見ていたい
素晴らしさ。 
 
チャーチル元首相の生まれた部屋は
花模様の壁紙の可愛らしい部屋で、
彼が着た可愛らしい産着も展示されていました。

チャーチル生まれたところ


また、この宮殿にはパイプオルガンもあり
お庭もイタリアン・ガーデンや
ウォーター・ガーデンなど
様々な形式のものがあり
本当にもっと時間が欲しい!
と思ったものです。 

ブレナムライブラリー


ちなみに、この宮殿は
若き日のヴィクトリア女王を描いた映画
「ヴィクトリア女王 世紀の愛」(2009年)
で女王となったヴィクトリアが暮らす
バッキンガム宮殿として
登場しています(外観のみ)。 

ブレナムの庭と自分


それにしても
「行きたいなあ」
と思っていたところに、
ひょいと連れていっていただけるなんて。 
 
振り返ってみると、
神様も味なことをしてくださる、
と思いますし、
本当に奇跡のようなことが
たくさんおこっていたことに
改めて驚かされます。 
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 
 
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