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ヘンリー8世の2番目の妃、アン・ブーリンが暮らしたヒーバー城

008年の米英合作映画
「ブーリン家の姉妹」
をご存知ですか? 

英国のヘンリー8世(1491-1547年)の
2人目の妃となったアン・ブーリンを
ナタリー・ポートマンが、
その妹のメアリー・ブーリンを
スカーレット・ヨハンソンが演じていて
日本でも話題になっていた映画です。  

この姉妹が暮らしていたのが
ケント州にあるヒーバー城(Hever castle)です。 

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このお城、自力で行くには
少し辺鄙なところにあります。 
 
(それでも、ロンドンから電車&タクシーで
独力で行くことはできるのですが) 
 
わたしは当時ホームステイしていた家の
ホストマザー、シルビアに
連れて行ってもらいました。 
 
わたしがあちこちのお城を見に行っていたので
シルビアが 
「私が一番好きなのはヒーバー城なの。
いつか連れて行ってあげるわね」  
と、連れて行ってくれたのです。

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ちなみに、わたしが渡英していた1997年は
まだこの「ブーリン家の姉妹」が
作られるまえでしたが、
もちろんアン・ブーリンのことは
知っていました。 

ヒーバー城を訪れる前に
「ヘンリー八世と六人の妃
(Henry VIII and His Six Wives)」
という古い映画を見たことがあり、
ヒーバー城を見ているうちに、
その映画の場面を思い出しました。 

このお城が建てられたのは13世紀。 
のちに15世紀後半に
ヒーバー家がこの城の持ち主となり、
アン・ブーリンの父、トマス・ブーリンが
1505年にこのお城を相続したのです。 

アンはここで少女時代をすごしたあと
フランスの宮廷に渡り、
英国に戻ってから
ヘンリー8世の1人目の妃、
キャサリン・オブ・アラゴンの
侍女となり、
のちに王の2人目の妃となるのです。 

ただし、彼女は
エリザベス一世となる姫君を産んだものの、
男子を産むことができず、
結婚から3年後には不貞の罪を着せられて
ロンドン塔で処刑されてしまうのです。 

そして、このヒーバー城は
ヘンリー8世の4番目の妻、
アン・オブ・クレーブズが
王から離婚された時、
所領の一つとして、
彼女に与えられたのです。 

その後、ヒーバー城の所有者は
何度となく変わるのですが、
20世紀初頭に米国の大富豪、
ウィリアム・ウォルドルフ・アスターが購入。 

彼は修復を行うだけでなく、
広い敷地内に
イタリアンガーデンや人造湖を整備し、
テューダー様式のコテージを建築しました。 

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そのような数奇な運命を辿ったこのお城は、
過度にきらびやかすぎない、
落ち着いた雰囲気でした。 

正面は石造り、内側は木製のチューダー様式で、
美しい木彫の調度品や装飾が
重厚感を醸し出していて、
寄木細工の食器棚?には特に目を奪われました。

ヘンリー8世と妃たちについての
展示もあり、
興味深く拝見しました。 

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シルビアが
「いろいろなお城があるけど、
もし自分が住むならヒーバー城がいい」
と言っていましたが、わかる気がしました。 

ちなみに、アスターが建てた
コテージは宿泊施設になっており、
旅行者でも泊まることができのるだとか。 

いつかまた英国に行ける日がきたら
あんな素敵なコテージに泊まって
ゆっくりと広い庭園を散歩できたらいいな、
と思います。 

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
 
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