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わたしの家ができるまで

2023年 わたしは私のための家を建てる。
完成は2024年。
わたしの家づくりの記録をここに残そうと思う。


わたしが家を建てようと思いたったのはかれこれ3年前。


ここで突然だけれども
ちなみに私は結婚をしていない。
女性一人で家を建てるのだ。


建築会社を選び、
建築に適した土地を探し
銀行の融資課担当とのやり取り
紆余曲折を通り過ぎて
今、ここにいる。


ここまでたどり着くまでには
とてもとても長い道のりだった。
「女性一人で」というところがポイントなのだ。


銀行でも、住宅会社でも、
えええ?今、この時代に?そんなことを平気で言うんですか?
と、自分の耳を疑うくらいの
「男尊女卑」「モラハラ」「パワハラ」「ジェンダーハラスメント」
その名前すら何なのかすらもよくわからない
辛辣な言葉の数々を投げつけられ
とても悔しい思いもたくさん味わってきた。

(このことはまた改めて書きますね。)

でも、今は
そんな私にでも手を差し伸べてくれた
銀行があり、建築業者さんがいて
わたしの思う家づくりを形にする動きが
始まっている。


工事業者が入って
長年、父が使っていた工場の解体が始まり
いよいよ私の家の建築の第一歩が11月からスタートした。




60年以上使い続けてきた工場の解体工事が始まるまで


自宅建築に当たってここ2年間くらいの間は
土地の購入を検討して
よき場所を探していたのだけれど
最終的には実家の庭に在る父の工場を解体して
わたしの家を建てることにした。


土地を買わない決断は
金銭的な負担が少ないという理由もあるが
年老いて車の運転もままならない父や母を
私自身が放っておけないという理由もあった。


そもそも、両親は
「プライベート」という言葉の概念自体を全く持たないような古い人間。
そんな両親のことなどすっかり忘れて離れたいのに
離れられない…
そこには、私が「どうしても気になってしまう」という
絆という表向きは綺麗な名前の
因果で縛られた血縁関係の理由がうっすらと重ねられている。


解体工事が始まるまでには
まず、父が建具屋を廃業してからすでに、数十年が経過し、
建築からはおおよそ80年近くが経過している
古い工場の片づけから始まった。


私にとって工場の解体は
未来へのスタート地点に立つようなものだけど
両親にとって(特に父にとって)は
この解体作業は人生の一部の幕を閉じる作業でもあり
それはそれは彼らにとってとても意味深いことであり
結果として、とても感慨深い作業になった。


建物をただ壊すだけではない。
そこにはありありと父の、そして母の
また祖母の、全ての先祖の思いが残っているのだ。
雑多には見えるがきちんと整理され棚に陳列されている
釘や螺子、錠前、あらゆるモノの一つ一つに
仕事をしていたころに削られた木の屑にまみれた空間の隅々に
それは宿っている。
父の思いを一つ一つ汲み上げながら片づけていく作業だ。


わたしにとってはただのゴミに見えるようなモノだとしても
モノのない時代に育ち、生きてきた父にとっては
価値あるもの。(いつか使える、何かの時には使える)
そんな思いを重ねすぎ、重い思いが込められ
載せられているモノだからこそ
簡単に捨てるにも忍びない…。


でも捨てなくちゃ始まらない。
そんな終わりと始まりを重ね合わせたような
片付けの作業は
想像するだけでも途方もなく延々と続く果てしない作業で
わたしはそこから逃げたい気持ちでいっぱいだった。


それでも…。
両親は年老いているし
誰もやってくれなければ自分で片づけていくしかない。
心を決めて少しづつ片づけ始めたのは
およそ2カ月前。


沢山の人の力を借りながら
なんとかその片づけ作業は終わりを迎え
今、解体が始まっている。


今、思えば
埃まみれになって体調も崩したり
突き指もしたし、捻挫もした、
まるでゴミ屋敷のような工場
(※父の名誉のために付け加えておくが、私にとっては価値のないものの集まりだからゴミ屋敷だけど、小さなもの、今は価値がないけど過去には価値があったものそれらの全てが大切に保管されていた。想像するゴミ屋敷とは少し違うのだ)
を片づけるのは骨の折れる大変な作業だったけれど
両親にとって
彼らの人生の時間軸をたどり
振り返るようなこの経験があったからこそ
これから先の未来を受け入れることができるんじゃないかな。
そんな風に思うのだ。

わたしが家を建てるまで。
なぜ、家を建てようと考えたのか。


わたしがスピリチュアル系の自営業を始めたのは2013年。
当時は何もかもが初めてで、
長いことファッション業界に身を置いていたから
販売、仕入れ、接客、顧客管理、そんなことの経験はあったけれど
自分で店を開店して切り盛りして、売り上げを作って、運営して
それはすべてが初めての経験で
「やっていけるかな…」
「半年くらいでお店がつぶれちゃったらどうしよう…」
「もし、続かなかったらまた就職すれば何とかなるのかな…」
そんな不安が盛りだくさんで
全く自信も何もなかったわたし。


あの頃の自信のなかった私の予想に反して
今年、2023年4月で私の自営業生活は10周年を迎えた。
自営業を始めて10年目に
まさか、自分自身で家を建てることになるなんて
あの時の私は想像することすらできなかっただろう。


この文章を書きながら私自身も私のこの10年を振り返り
自分自身のターニングポイントを整理していきたいと思っている。
なぜ、家を建てようと考えるようになったのか。
次回はそのことについて書いてみよう。

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