見出し画像

児童養護施設職員、子どもの心に住み込み希望

どうもこんにちは。ゆきちかさん、という名前でnoteを書いています。
児童養護施設の心理職として働いています。
本noteの目的は、“児童養護施設”の検索結果をよりグラデーション豊かにする、というものです。

今日は本を読みましたので、その感想を書きます。

山田玲司著「非属の才能」を読んでみた

 読んだのは山田玲司著「非属の才能」(光文社新書)。中2男子に読ませたい本として2011年に本屋大賞を受賞した作品のようです。漫画家という職業をベースに、様々な人に会い、話を聞き、「非属」という言葉にたどり着いた著者のメッセージが力強く書かれています。

 「非属」とは「どこにも属せない感覚」であり、偉人の多くは過去に集団に属せず、大多数の人から見ると何の価値もない物事への熱中、没頭を経てその「非属の才能」を開花させた、と言います。

 本の中で一番グッと来たのがこの一文。大いに頷ける内容です。著者にとっては、祖母や父がその存在のベースとなり、また自身が目標とする手塚治虫の言葉を元に、手塚治虫を自身の理解者として自分の心の中に住まわせたことが人間関係や思考のベースにあるようです。

 心の中の理解者。心理職の立場から物申せば幼少期からの愛着関係うんぬんかんぬんと書けそうですが、著書の中では心理職がその成り立ちに関わっているカテゴリー名が見事に蹴っ飛ばされているので、物陰に隠れた感じに以下の感想を書いていこうと思います。

心の中の“無”理解者と距離を取って、理解者に近づこう

 児童養護施設に限った話ではありませんが、心の中に“無”理解者が住んでいる、という人はたくさんいるのではないでしょうか。むしろ、心の中にいろんな人を住まわせているのが普通で、誰の声を優先して聞くか、という話かもしれません。

 今まで出会った人たち。その中でも影響力の強い一部の人たちが、自分にとっての理解者なのか、無理解者なのか。一度心の中に住んでいる人を書き出して、理解ー無理解、影響力が強いー弱いの軸を用意してマトリックスを作ってみましょう。

 さて、「影響力の強い理解者」と「影響力の強い無理解者」のどちらに比重が傾いているか。自分の思考のベースにどの人の言葉が絡んで来ているか、何となく把握できるかと思います。

 もし、今生きているのがしんどい状態なら、理解者の声を優先的に拾い、無理解者の言葉は徹底的に無視することが最前策です。私もやってみていますが、はっきりと効果を感じます。

 もし、今何かをする元気がある状態なら、理解者の声を自分の中に響かせながら、無理解者の言葉を追い風に利用することが良いと思います。こちらは私も実践途中です。(一応毎日note書いてるけど、まだアンチな人にも出会えていないくらい何の風も起こってない…涙。あ、でもスキをくれる方!いつも飛び上がるほど嬉しいです)
 あ、施設のお仕事の中ではやってました。自分の成長のための咬ませ犬としてものすごく効果がありました!

子どもの心の中に住み込みで働く技術

 もう一つ。児童養護施設の仕事をしていると、どうにか子どもの心の中に住まわせてほしい、と思うことがあります。私がその場にいなくても、その子の心の中にいる私が動いて、何らかの手助けをしてくれたなら、もうこれは分身の術を使ったも同然じゃん!という理論です。

 各施設の、どの職員も「できることならすぐにやってるわい!」と文句を言ってきそうですが、施設の仕事の全ては、子どもの心の中に住まわせてもらうことに繋がっていて、意図的にも、無意識的にも頑張ってるわけです。(頑張りの限界点に近いところにいる職員には逆に頑張らないでほしいですが。燃え尽きちゃうから。)

 また「人は鏡」理論で行きますと、「あなたの心の中に住まわせて」という欲求は、子どもも発していると言えます。職員の心の中に子どもを招き入れ、きちんと居場所を与えること。もしかしたら、職員にとって子どもが無理解者として位置することもあるかもしれませんが、自分の心の中で、子どもと傷つけ合わない距離を調節できるようになると、現実の関係性にも反映させることができます。お互いに、苦しい時は拒絶する前に距離を取りましょう。(できれば大人の側は、距離の取り方と終了時期の目処を子どもに伝えられると良いと思います。関係性の質にもよりますが)


ということで、何だかちょっと説教臭くなってきたので今日はこの辺で退散します。どうもありがとうございました。

ゆきちかさん

この記事が参加している募集

読書感想文

自分の好きな施設に訪問して回りたいと思います! もしサポートがあれば移動費と施設へのお土産代に費やします!